400.見た目は似てても趣向は一致しないようです
-限界領域(ヴェルサリオ国) 王城-
「アルバーティン。第7世界と第15世界のワープゲートだが、界王達に情報が漏
れるようなことは絶対にないな?」
「閣下!このアルバーティンが腕によりをかけて爆破させたのですよ。
粉々になって、原型を留めている部品など一切ありません!」
アルテウスは、彼女の言葉を信じることにした。
だが、どこか腑に落ちない気持ちが、心の奥に残っていた・・・。
-異界管理局 界務課事務所-
三船課長は胸を撫で下ろしていた。
界王様の下に派遣したカティナが”本物”だったからだ。
しかし、気になるのは、こちらで手足を縛られていた”本物”のカティナの存在。
本物なのに、なぜ拘束されていたのだ?本人に聞くしかないだろう・・・。
「えーと、カティナ・・・と呼んでよいだろうか?」
「はい、三船課長?いつも通りに接してください。」
「いや、界王様のところに行ったカティナ君と君は、別人だろ?」
「あーそれでですか・・・実は、2人で1人を演じていたんです。」
「えっ、本当なのか?じゃあ、俺は君にも”カティナ”として接してたわけか。」
「ハイ。ですから、今まで通りに接してください。
わたし達は違う世界の生まれですけど、表裏一体の関係です。
本来は性格が違うはずなんですけど、外見も中身もそっくりで。
異界管理局の教育機関に入った時に、係官が間違えて、2人分のIDが発行され
ず、1人分のIDしか出なかったんですよ。
訂正することもできましたが、面白そうだったので、2人で話し合って”1人”を演
じることにしたんです。」
三船課長は頭を抱えた。だが、一番気になっていることを尋ねることにした。
「カティナ。君を見つけた時は手足を縛られていたが・・・何が有ったんだ?」
「さっき性格が違うはずって言いましたけど、その・・・趣向が違ったんです。
彼女はそっち方面に興味ないみたいでして・・・。」
三船課長は再びため息をつき、頭を抱えた・・・。
-第75世界 ???-
「よし、到着っと!」
「界王様、ノリが軽すぎます。立場があるんですから、もっと自重してください。
で、ここはどこなんです。」
「善君!第75世界へようこそ!」
相変わらず、この人のノリには付いていけない・・・。
セレスト・セヴァでワープゲートを復元させたあと、このワープゲートを動作さ
せるにはどこが適切か話し合った。
界王様的には第26世界、第27世界は厄介なのでパスとなった。
で、自動的に第75世界にワープゲートを持って行って動作させることに。
第75世界は、第5世界で見つけた部品もあったことだし、ワープゲートがある
はずだから、いきなり限界領域と繋がっても違和感はないはずだ。
で、そうと決まるとすぐ行動に移す界王様。
ワープゲートを4次元空間にしまい、いきなり円陣を組む。
円陣を組んだと思ったら、次の瞬間にはここに立っていた。
「ここはどんな世界なんです?見たところ、第1世界のヨーロッパに雰囲気が似て
ますね。」
「そう。ここの界長は第1世界のヨーロッパが好きで、良く視察してるんだよ。
鉄道もその時に見たみたいで、この世界は鉄道網が充実してるんだ。」
低いホームに床面が高い車両。まさしくヨーロッパの影響を受けた鉄道だ!
読んでいただき、ありがとうございます。
初めての世界、第75世界に到達しました。
ここから、善行達の新たな冒険?が始まります。




