397.界王様でも理解できない状況は起こるようです
-異界管理局 界務課事務所-
セルゲイ率いる警備課一行の調査が始まった。
まずはカティナ嬢が発見された現場だ。
カティナ嬢は自分の部屋の前からここまで、何者かに運ばれたはずだ。
だとすれば、ここに犯人の遺留品が残っている可能性がある。
「徹底的に調査しろ!髪の毛一本見逃すんじゃないぞ!」
1時間後、管理局ご自慢の調査器具を使っても、怪しいところは何も出てこなか
った。セルゲイは悩んだ。本来、この器具を使えば最低限、犯人の髪の毛一本くら
いは見つかる筈なのだ。
そう考えていた時、電話が入った。この事務局の監視カメラの映像を確認してい
た部下からだ。
「カティナ嬢は連れ去られていませんね。自分で歩いて界務課に来ていました。」
連れ去られたのではなく、自分の足で界務課に来たと?
それで自分で手足をロープで縛った?一体、どうなっているんだ?
セルゲイは再び頭を抱えた。
-セレスト・セヴァ(旧第7世界) 本部-
「カ、カティナさん。食事は、ど、どうでした?」
思いっきりセリフがキョドってしまった。界王様があんなこと言うから・・・。
「善行さん、何か緊張されているみたいですけど、どうかされたのですか?」
「いやー、カティナさんが美人さんなんで緊張してしまって。ハハハハハ。」
あー、頼むからその視線ヤメテ。嫁だけでなく、ブリーデルまで睨んでくる。
「さぁ、お腹も満たされたことだし、そろそろ、ワープゲートを調査しようか?
どうだい、善君たちは?」
界王様がオイラに向かってウィンクしながら言ってきた。
-セレスト・セヴァ(旧第7世界) 旧軍本部-
復活したワープゲートは、大型テントのような覆いに被され、周囲の目に触れな
いようにされていた。
「では、カティナ君。早速調査を頼めるかな?善君たちはカティナ君のアシスタン
トをしてあげて。」
そして調査が始まった。
1時間後、調査結果について、情報共有するためのミーティングを行う。
「このワープゲート、装置と思われる類が全くないんです。要はハリボテですね。
界王様はご存じだったのではないですか?」
「カティナ君。何を言っているんだ。まるで私がハリボテを用意したみたいじゃ
ないか?」
「界王様の力を使えば、それくらいは可能じゃないですか?
ひょっとして、私のことを試されていませんか?」
ギクッ。あっ、ヤバい。オイラが動揺してしまった。
「カティナ君?いや、君はいったい誰なんだ?本物は別の場所で見つかったよ。
正体を現したまえ!」
界王様はそう言って、手をパンと叩いた。
「いや、そんなバカな・・・。君も本物のカティナ君だと?
異界管理局では本物が見つかり、こちらでも本物が。
異界規程では、同時に存在してはならないはずなのに・・・。
私の知らないところで何が起きているのだ・・・。」
読んでいただきありがとうございます。
カティナが二人同時に存在しているという、不思議な現象に界王様も
戸惑っています。
今後、何故二人のカティナが同時に存在しているのか明らかになって
いきます。




