393.界王様にも苦手な世界があったようです
-第26世界、第27世界ー
第26世界と第27世界は、異界の中でもひときわ特殊な存在である。
第26世界が「表」ならば、第27世界は「裏」。
光と影――そう表現する方が、より本質に近いかもしれない。
一見すると第26世界しか存在しないように見えるが、実際には第27世界も確
かに存在している。
この二重構造のため、界王ティアマトでさえ対応に苦慮するほどだ。
言い換えれば、界王の手が届きにくい世界。
前界王アルテウスはその性質を理解していた。アルバーティンもまた然り。
第26世界の民もまた、常識から逸脱した存在である。
1人+1人=2人ではなく、1人。
そして、一人ひとりが「個」ではなく「全」なのだ。
たとえば、第26世界の誰かが何かを食べたとしよう。
その食べ物は第26世界の全住民に共有される。だがその分、第27世界の住民
たちは空腹になる。どちらの世界を同時に満たすことはできない。
それが、この世界の不思議であり、均衡でもある。
どんな世界でも、生きるためには技術が要る。そして、技術が積み重なれば文明
が生まれる。そして移動手段が必要になった時、彼らに幸運が訪れた。
スキル一族が異界探索中に第26世界に漂着したのだ。
彼らが探索時に使用していた移動手段が鉄道だ。
と言ってもレールが敷かれているわけではないので、鉄道の形をした飛行物体と
するのが適切かもしれない。
漂着した彼らを助けた第26世界に、彼らが様々な技術を伝えた。
その中には、工業製品の生産技術も含まれていた。
工業製品の生産を第26世界で始めると、第27世界では形は似ているが機能は
異なる工業製品が生産される。機能の部分で光と闇で別れたのだ。
そして、それを運搬するのに鉄道を使用すると便利だと教えられたのだ。
第26世界でレールが敷かれると、第27世界でも同時にレールが敷かれた。
そして伝えられたのがクモヤ145形だった。
大量の物資を運ぶときは、これに2軸の無蓋貨車を連結して運ぶのだ。
第26世界で鉄道工場を建設し、クモヤ145形がノックダウン生産されると、
第27世界で勝手に出来上がった鉄道工場でも、車両が生産された。
但し、第26世界ではクモヤ145形だったが、第27世界ではクモハ123形
が生産された。
ワープゲートは鉄道工場に隣接する車庫の奥に設置された。
第26世界に設置されたのだから、第27世界にも自動的に設置された。
両世界のワープゲートは、レールをそのまま抱え込む形で存在している。
読んでいただきありがとうございます。
第26世界、第27世界はお互いに関係しているとしたらどのような関係なら
有り得るのかを考えた結果、光と影の世界の関係となりました。
この後の展開とか考えずに・・・。




