390.界王様は電話よりも早く現れるようです
-セレスト・セヴァ(旧第7世界)-
”ズガァァァン”という大きな音がした後、旧軍本部の建物は鉄骨が悲鳴をあげ、
コンクリートが砕ける音が連鎖し、やがて瓦礫の山に姿を変えた。
幸い、この建物は忌むべきものとして取り壊しが決定しており、無人だったので
被害も無かったが、何故急に崩壊したのか、調査が行われることとなった。
-閻魔庁 特別会議室-
「この部屋に来ることはもう無いと思ってたんだけど・・・。」
オイラはモニター前の席に着き、一人ごちる。
ここでボールペン2本使ってラーメン食べてたら、いきなり式典に映像が繋がり
、大慌てになった時のことが蘇る。
なんで違う世界でも黒歴史を作ってるんだろ、オイラって・・・。
まぁ、こんな感傷に浸ってる場合じゃないな。
「善行さん、急に申し訳ありません。」
「大丈夫だよ。で、電話で話そうとしていたことを教えて。」
ブリーデルから電話を貰った時に、コピがNGのマークを頭の中に出してきた。
この電話は盗聴されている恐れがあるってことだ。
そのため、オイラ達が盗聴されていることを知らないフリをして、別回線での通
話するようにブリーデルを誘導したのだ。
この回線はスキル一族の技術を使っているので、盗聴にも強い。
「実は、旧軍本部の建物が突然崩壊しました。原因は建物地下の爆発によるもので
すが、地下と言うことはワープゲートが爆発したのでは、と私は見ています。」
ワープゲートの爆発!これって第15世界での出来事と同じじゃないか。
「ブリーデル。実は今、第15世界の問題に巻き込まれててさ、そこでもワープゲ
ートが爆発したんだよね。何か偶然じゃない気がするんだよね・・・。」
限界領域の方からワープゲートを処分したってところか。
そもそも限界領域はワープゲートで何をしていたんだ?
ワープゲートを設置した世界の乗っ取りだけじゃないよな。
しかも、第7世界だけじゃなくって、第15世界にも有ったということは、他の
世界にもワープゲートが存在しているのでは?
これは界王様案件だな。界王様に電・・・
「呼んだかい?」
「相変わらず、アンタは・・・」
あっ、界王様のこと思わずアンタって呼んじゃった。
「お父様、いきなり現れるのはお止め下さい!って言ったじゃないですか!」
「ゴメンゴメン。ただ、ことがことだから急いだほうが良いかなと思ってね。」
「界王様、ひょっとして、ずっと僕のことを見てたりしてます?
または、ずっと心を読んでるとか?監視対象にしてるとか?」
「違うよ、コピから連絡が入ったんだよ。コピとは念話が通じるからね。
あっ、コピはずっと善君と繋がっているのだから、私が監視しているのとなんら変
わらないか。ハッハッハッ。」
全く、この人は本心なんだか、からかっているか読めないな。
「まぁ、それはさておき、本題に入ろうか。
ワープゲートは限界領域と繋がることで、人が通るだけでなく、物資の調達にも使
われていることが分かったんだ。
その証拠に、こないだ善君たちが第15世界で見つけたガジェットあるでしょ。
調査した結果、第7世界、第15世界の部品が使われていたよ。
問題はここからなんだよね。
第26世界、第27世界、第75世界の部品も使われていたんだ。
つまり、彼らはワープゲートを他の世界にも展開し、物資調達を行っていたんだ。
それだけでなく、その世界の乗っ取りもしようとしていると思うんだよね。
今、異界管理局に指示して、第26世界、第27世界、第75世界の調査と同時に
他の世界にワープゲートが無いか調査を開始したところなんだ。」
うわー、今度は複数の世界の問題か・・・。逃げたいな・・・。
読んでいただきありがとうございます。
ワープゲートが複数の世界にあることが判明しました。
その世界がどのような状況にあるのか、異界管理局の調査で判明し、巻き込ま
れていくはずです・・・。




