29.事件は突然起こるようです
会議室の扉が勢いよく開かれた。
なだれ込んでくる人達の先頭はエマの父さん=長官だ。
「リン様、闇が現れました。A7の町です。」
この世界の人たちは仮初の姿=アバターを着用した状態。
そのアバターを盗む事件が度々発生しているとのこと。
そして、その盗人を闇と呼んでいる。
だれもその姿を見たことが無いためだ。
「まずはA7の町に向かうわ。善君、ひとまず料理の件は保留よ。」
と言い残して、リンさん達は立ち去り、残されたのはコピとオイラの2人だけ。
「コピ、エマのスキルなんだから、一緒に付いて行かなくて良かったのか?」
「善行のスキルでも有るから、コピは残ってってエマが言ってた。」
料理の件を進めても良かったけど、闇の件を片づけるのが先だな。
「コピ、闇について知っていることを教えてくれ。」
闇は1週間に1度のペースで発生しているらしい。
そして、盗まれるアバターは決まって人型。
人型のアバターを盗んでいる目的は不明。
また、盗まれたアバターは1体も見つかっていない。
リンさん、エマ、長官に、何をどこまで把握しているのか聞き出したいけど、
「ボス、周りには誰も居ませんよ!」とか言われる状況だし。
ノートPCを念じて作成した。
「コピ、エマの記憶から闇についての情報をダウンロードして、
オイラのPCに転送してくれ。」
「ホイ、転送したぞ」
ダウンロードフォルダーに圧縮ファイルで“闇”と記載されている。
よし解凍して、状況を整理するぞ。
あれっ、パスワード入力が必要だ。
「コピ、パスワードは?」「あっ、忘れた・・・・テㇸ」




