26.出戻るようです
「エマ、お願いだから食べ放題に戻らないで」
「えっ?
父さんが一時的に1万倍速にしたから、あっちの世界には83時間後
に着くわね。
3.5日経ってるんだから、食べ放題の店に戻っても無問題!」
さらっと恐ろしいセリフが・・・3.5日・・・会社の昼休みのつもりが・・・・
無断欠勤じゃ!!しかも3.5日・・・・
「エマ、あっちの世界で生活できなくなった・・・会社クビだ・・・」
まだ、あっちの世界の生活を手放したくなかったのに。
徐にリンさんが近づいてきて、笑いながら
「なんだ善君時間のことを気にしていたのか。早く言ってくれればいいのに。
私に秘策有りだよ。」
えっ、助かるのか。待ってろよ、オイラの愛すべきグッズたち。
「リンさん、あっちの世界で10月4日の12:05に戻って欲しいです」
サムズアップしてきた。本当にエマの父さんよりエライ人なのか・・・。
「じゃ、みんなついてきて」
駅のホームに向かう。3番線のM497に乗り込む。
長官がワシも連れてけって顔でこちらを見てるけど、エマはお構いなし。
「じゃ、食べ放題にしゅっぱーつ!!」
リンさんが運転台で、はしゃいでる声が聞こえる。この世界の長が・・・・。
長官やリンさんの連れたちがホームで呆然としている中、M497は
ジェットエンジン音を轟かせて、三途川駅を出発した。
「じゃみんな、時空の壁をこじ開けていくから衝撃に備えて」
エマ曰く、オイラの世界とエマ達の世界では時間軸が違うので、
時空の壁が存在するとのこと。
ってことは、何か、あのE233は時空の壁を越えて行き来していると。
こっちの世界に来るときは衝撃は無かったような・・・。
「時間消去スイッチオン!!」
と同時に、M497がぐるぐる回転し始めた。うっ気持ち悪。
ドーンという音とともに回転が止まって、通常の線路の上を走り始め、
すぐに川崎駅に着いた。
時間は10月4日の12:05きっかり。そういえば気持ち悪いのは収まった。
「善君の世界で経過した時間を消去するには時空の壁に強引に穴開けないと
いけないから。ちょっと強引だけど、無事着いたでしょ。」
「お陰様で、会社クビにもならず、食べ放題の大恥も帳消しにできました。」
そう言えばあれだけ回転してて気持ち悪かったのに、今は何もない。
時空の壁に穴を開けるため回転して突破したけど、時空の壁を越えた瞬間
あっちの世界時間支配から、オイラの世界時間支配に移るので、気持ち悪い
状態も時間支配が移ったと同時に消えたとのこと。
わかるような、わからないような・・・。
にしても、エマの父さんが、オイラの世界の時間支配に干渉して1万倍速とか
できるなら、リンさんだって時間支配に干渉して、さっき見たいな時空の壁に穴
を開けなくても何とかなったんじゃないのか?
「もちろん、できるわよ。さっきみたいに時空の壁に穴開けなくても。
けど、M497の性能試したくって。それに、なんかカッコイイじゃん。」




