17.こっちの世界の常識を教えるようです
「部屋にある食べ物、食べるの禁止!!」
いや、何か自分で言ってておかしい。
「訂正。部屋にある食べ物はオイラの許可なく食べるの禁止!!」
まだ、違和感あるけど、合ってるよな。
こっちの世界ではスキルとして存在しているのではなく、コピという
個人として存在しているので、食べ物を食べる必要があるとのこと。
エマも同様に食べ物を食べる必要があるとのこと。
「はい、はい、はーい、これとこれ、食べてもいい?このまま食べられるよね?」
コピが持ってきたのは、愛用しているツナ缶とサバ缶。
魚の絵が描かれているから食べ物と認識したようだ。
あっ、缶詰を齧りだしてる。歯が欠けてもしらんぞ・・・・。
スゲー、缶ごと食ってる。
「コピ。缶は食べないで、中のものを食べるんだ。」
缶の開け方を教え、中身を食べることを教えた。
子供に教えるってこんな感じかとか思っていると、
「パパだーい好き」
「善君とコピって親子みたいね」
なんだかなぁー。
その後、あっちの世界では使わない、トイレの使い方、風呂の使い方やら
色々教えてたら夜の10時を過ぎていた。
エマはさっそくパソコンを起動して、部屋のネットに繋げて、普通に
ネットサーフィンしてる。
さすがにあっちの世界でもパソコンを使っているから問題ないようだ。
勝手に無線LANの設定してるし・・・。
明日は会社に行くんだから風呂入らなきゃ。
パパか。まだ誰とも付き合ったこと無いのに・・・・。
なんだかんだで30分近く風呂に入ってた。
あっ、着替え持ってきてなかった。いつも一人だから、何も気にしなかったけど。
バスタオルで隠して行くしかない。行くぞー。
あれっ、段ボールが山積みになってる。
ラッキー・・・・・・じゃない・・・・・なにこの段ボール。
「エマさんや、これは何かな?」
「さっきネットスーパーで頼んだの。こっちの世界は必要なものが多くてね」
明細がちらっと見えた。538,921円って何?
驚きのあまりバスタオルが落ちた。
エマとコピが凝視して一言。「ミニマル!!」