100.師匠が誕生するようです
カルチャーセンターの件で、リン達と自宅のリビングで話し合いとなった。
「やっぱり、リンが何とかしないとまずいわよね。
各駅に酒を求めて住民が集まった時のように、各町のカルチャーセンターに
住民が集まってひと悶着あるかもだね。」
エマ、ひと悶着で済むのか?
「フィオナさんみたいに各町にリンの分身体を配置して、料理講師をするって
いうのは「できない」無理なのね・・・。」
フィオナさんは界王様の血筋でたまたま分身のスキルを持っていたから、各町に
分身体を配置できたわけで、普通は2,3人の分身が限界とのこと。
ここはひとつオイラが新しいアイデアを提案しよう!
「リンを頂点とした師弟制度を作るのはどうだろうか?」
「善行、大丈夫か?なんとなく宗教チックな感じがする。」
「おいらの世界でいう職人とかと同じで、純粋に料理を教えるっていう意味。」
まずはリンを頂点に各町2人の弟子を育てる。
そして弟子たちが各町のカルチャーセンターで料理講師をすれば、リン直伝料理
が学べることになる。
問題は住民たちを弟子にすると、妬みとか生まれそうなんだよな。
だったら、閻魔庁職員っていうのも手なんだけど、98人×2=196人も捻出
する余裕なんてなさそうだよな。
「アタシに任せな。」
唐突に表れた酒場のおかみさ・・・フィオナさん。
「シャーロットちょっと来てくんない?そう、第二世界の。じゃぁよろしく。」
「コピ、シャーロットさんって?」
「フィオナおばさんの姉君。第二皇女だぞ。」
地下のほうから「ピッ!ピッ!」と軽く高いクラクションが聞こえた。
今まで聞いたことがないな。
VT98の音とも違うし、ん、列車?バス?まじか、DMVだ。
マイクロバスベースのものではなく、アメリカのスクールバスベースのもの。
そこにぎっしりメイドさんが乗っていた。
運転手がドレス姿というのがまた違和感半端ない。
「フィオナ、お呼びいただきありがとうございます。
今日はうちのメイドたちを100名ほど連れてまいりました。
リンさんから料理を教えていただけるそうですね。
彼女たちにご指導をお願いいたします。」
100名のメイドさんたちが地下ホームに整列し、一斉にお辞儀しながら
「リン様、よろしくお願いいたします。」というのは壮観だ。
「リン、あとはよろしくやっとくれ!アタシはシャーロットと野暮用があるんだ。
行くよ、シャーロット。」
こうして、リンはいきなり100名の師匠となった・・・までは良かったが・・・
「ところでリン様、母娘丼というオムライスが美味しいと聞いたのですが、どのように料理すればよいかご教授願います。美味しくするために裸で料理すると聞いたのですが本当でしょうか?」
ちょっとまて、料理と違うのが混ざってる。その変な知識どこで覚えた?
「それはだな、裸で・・・・どうしよう、旦那様。」
こっちに振るな!