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第11話

『王子と私の婚約破棄戦争』第110話、『リーシャ・マクスランダは天才である。』第10話も投稿しました。



「確かに顔の作りは似ているけど、なんでわざわざ『エレメナ』の真似なんかを。

 は!もしかして、女装趣味!?」


「違うっ!!」


「隠さなくても大丈夫よ。アタシそーいう趣味には寛大だから。」


 イケメン揃いだった弟子たちには残念ながら、女装したがる子はいなかったが、ファッションを楽しむのは個人の自由だとアタシは思っている。


「だから違うって!僕はこんな顔だけど、ノーマルな人間だ!」


 手をヒラヒラさせてオッケーオッケーと女装を受け入れる笑顔のアタシに金髪の白魔法使いは焦ったように叫んだ。


「だったらなぜ、あんな姿に?」


「頼まれたんだ。アレクス・ラシガーをパーティに引き込んでくれと。」


「アレクを?まさかさっきの冒険者の...。」


「そう、デイダ達に頼まれた。彼らも強靭な仲間集めに必死なんだ。なんせ王命を受けているからね。」


 にこりと白魔法使いが笑う。


「アレクス・ラシガーは完璧な人間だ。」


 いや、変態な人間だ。


 幼馴染として思わずツッコミを入れてしまう。


「恵まれた才能、若くして素晴らしい剣技、まだ学生剣士だが、その実力は国内一かもしれない。」


 そこは否定しないわ。うんうん。


「しかし、完璧な彼にも弱みがある。」


「弱み?」


「そう、アレクス・ラシガーの弱み!

 1にエルメル、2にエレメル!3、4も、エレメル、5にエレメナだ!!

 なお!これは僕が今日この街中の人に聞き込みを行って調べたから間違いないっ!」


「いや、なんだ、その1から4までアタシって!!」


 引き攣る顔で白魔法使いに聞くと、「街の人の意見だ!」とふんぞりながら返された。


「あ、でも5がエレメナ?」


「そうだよ。アレクス・ラシガーの家は敬虔なエレメナ教徒だ。彼自身もエレメナを敬愛し信仰していると聞いている。幼稚園にいたころ、エレメナを好きだと言った園児に自分がエレメナの1番だ!と言い合い喧嘩になったことがあったそうだ。」


 それはアタシも知っている。だってその場にいたからさ。

 そのあと、「そうだよな?エレメル。」とアレクスに聞かれ、実は過去にエレメルだったアタシは、「エレメナは皆を好きなんじゃない?」と適当に言った。 しかしその適当発言の何かが悪かったらしく、ショックを受けたアレクスが石化して3日ほど幼稚園を休んでしまったというオチつきだ。

 そうか、そんなに敬虔なエレメナ信者だったからあんなことを言っていたのか。


「だからね。僕は考えたんだよ。

 男だが、エレメナと見た目が似ている僕に誘われ、なおかつエレメル、君が王命のクエストについてきてくれるなら、アレクスは僕らのパーティに入ってくれるんじゃないかって。」



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