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第10話



「......くっ。」


「く?」


 アタシの必死の訴えに白魔法使いは、杖を持っていない方の手で自身の顔面を覆った。


「くっ、は、は。あはははははっ!!」


「なに!?なんで笑うの!女子には切実な話でしょーが!!」


「はは、そうだね。しかしなんでそんなことを。ああ!教会の『エレメナ』の像を見たのか!たしかに私よりは胸があるな。それに纏った衣もシンプルな布として彫られている。」


「そっ、そうよっ。」


 像を参考に見たじゃなくて、本人だったので過去に毎日見てましたわよ。


「エレメナに化けるなら、もうちょっと本人を研究した方がいいんじゃない?」


 アタシがふんと鼻を鳴らして呆れると、『エレメナ』に似た白魔法使いは何故か嬉しそうに笑った。


「うーん?そうだね。ふふふ、そうかもね。

 でもまぁ、胸がないのは仕方ないね。

 だって私は......」


 言いながら、アタシの頬にその白く長い指先を伸ばしてくる。

 サラリとアタシの茶色い髪を指先でかきあげ、耳元に端正な顔がだんだんと近づいてきた。



「だって私は......僕は(・・)『男』だから。」



 え?男?


 チュ、と耳近くで小さなリップ音がした。


「..............!!???」


 あ。危なかった!一瞬振り向くのが速かったら確実に唇に当たっていた!


「結構うまく化けれたかと思ったんだけどなぁ。

 元々僕の顔は『エレメナ』の肖像画や石像に似てるって家族以外にも子供のころから言われてきたから。」


 そう言いながら、白魔法使いの、どうやら性別は男らしい人物は軽く杖を振った。

 すると、一瞬で彼の髪の色がパールのような銀髪から色素が薄い金髪へと変わる。目の色は逆に金色から空を閉じ込めたような澄んだブルーに変わった。



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