第9話
にっこりと笑うその涼しげな瞳に、ごくりとアタシの喉が鳴った。
「ふふ。そんなに『偉大なる白魔法使い』に似てるかな?」
「........いいえ、似てないわ。」
「え?」
俯き否定したアタシに相手が驚きの表情をした。
「エレメナは白魔法使いよ。」
「ああ、そうだね。私も白魔法使いだ。」
「そうみたいね。白いローブがいかにも『白魔法使いって感じ。その生地、王都で流行ってるラメを織り込んだ防魔力付きの輸入生地ね。似合ってるわ。」
キラキラした白地にベージュの唐草模様のローブと白く上質なミドル丈のブーツ。片手にはクリスタルと青い宝石を散りばめた杖。
「それはありがとう。」
「でも、エレメナはそんなおしゃれじゃない。」
「え?」
「知ってる?知ってる!?わかる?わかる!?子育てってめちゃくちゃ大変なのよ!!あんなガキ達7人も押し付けられて、いつおしゃれしろっつーの!?
チビが火魔法詠唱間違えてたまに服燃えるし!!泥だらけの手で袖口掴んでくるし!!んな高い生地の服着れるか!っつーの!!」
「は、はぁ?」
アタシの剣幕にびびりまくった、目の前の白魔法使いが思わず後ろにあとずさる。
それにもかまわずアタシはゼエハアと息を荒げて1番重要なことを伝えねばならんと前のめりにエレメナ似た白魔法使いの肩をぐわしっと掴んで捲し立てた。
「あとね!もうちょっと!」
「は?」
「もうちょっと!あるのよ!!」
「な、何がですか?」
明らかに引き攣った口元で白魔法使いが、もう関わりたくないとでもいう表情で、とりあえず聞いてくる。
とりあえず聞くじゃダメなのよ。1番重要なことなんだから!
「エレメナはそんな貧乳じゃないわ!
ち、小さいけど!もうちょっと!
もうちょっとあるのよー!せめてBぐらいは!!」
これ最重要!!
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