5話目・
◇◇◇
夕食後。
エレクセリアとクレアベール、ライゼンとハレルヤとクジラの5人は、二階の一番奥にあるエレクセリアの部屋に集まっていた。
「クレアベールさん、不審者とやらはいたのか?」
「いえ、クジラ殿。確かに靴跡は残っていたのだが、付き方を見るにだいぶ時間がたっているようだった。建物の部屋と敷地内の隠れられそうな場所は全て探したが、怪しい人間はいなかった」
「そうか、いったい何だったんだろうな。ハレルヤはどう思う?」
クジラはハレルヤに話を振った。
「僕から言えることは、特にないね。まぁ、もし忍び込んでた人間がいたとしても、とっくに逃げてるんじゃないかな」
「つっても、クソアマの確認だろ? いまいち信用ならねぇなぁ」
ライゼンの言葉に、クレアベールが激昂して立ち上がった。
「なんだと! どういう意味だ!?」
「どっか隠れてるのを見逃してても、探してない俺らには分かんねぇからな」
「言わせておけば好き放題言ってくれる!」
クレアベールが、怒りに任せて腰の剣に手を掛けたのと同時に、
「っ━━!?」
ライゼンの右足がクレアベールの剣の柄頭を踏んで、抜けないように押さえていた。
「やっぱクソザコだな、全然遅ぇ」
エレクセリアには、ライゼンの動きが全く見えなかった。
瞬きの間にライゼンが立ち上がって距離を詰め、片足を持ち上げてクレアベールの剣を踏んでいたのだ。
あまりにも速い。
人間離れしているとさえいえた。
「それにこんな狭いところで抜くなや。ヤル気なら表出ろ。公衆の面前でボコボコにしてやっからよ」
「き、貴様ぁ……!!」
額を付き合わせて火花を散らすふたりに、
「やめてください!!」
エレクセリアが割って入った。
「エルお嬢様!」
「お嬢ちゃん、ケガするぞ」
「クレアベールは落ち着きなさい! ライゼンさんは、これ以上私の護衛を挑発しないでください!」
一歩も引かないエレクセリアの様子に、さすがのふたりも気勢を削がれた。
「ライゼンよ、いくら何でもやりすぎだぞ」
クジラも、短気な友人に苦言を呈する。
「……はいはい、悪ぅございましたよ」
ライゼンは足を下ろすと、ふて腐れたようにイスに座った。
クレアベールも無言で席に着く。
「さて、それではクレアベール嬢」
ことの成り行きを見守っていたハレルヤが、本題を切り出した。
「お預けした紙束を、出していただけますか?」
「……ああ」
懐から取り出した紙束を受け取ると、ハレルヤは括り紐をほどいて紙束をテーブルの上に広げた。
「……うん、なるほど」
そして小さく頷くと、紙束をエレクセリアの前に動かした。
「こちらには、今日僕とクジラ氏が調査した内容が記載してあります。詳細な手段や方法については省略いたしますが、まず結論から申しますと━━」
ハレルヤは、一呼吸空けてから続けた。
「エレクセリア嬢のお祖父様、リッチモンド・ゼニール氏は、━━何者かに殺害されています」




