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君の瞳に  作者: 志崎誠
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プロローグ

素人です。お手柔らかにお願いします。

ある日の放課後のことだった。


時間は4時半を回っており、教室の窓からは夕日が綺麗に見える。


(あまね)が帰ろうとした時、彼女はいた。教室には誰もいなく、彼女と2人きりだった。


彼女は自分の席にじっと静かに座っていた。勉強をしていたり本を読んだりしているわけではなく、ただただ窓の外をぼんやりと見つめている。


彼女との関係は他人のような関係だ。あまり話したことはない。いつも一緒にいるグループが違く、話すタイミングがなかったのだ。しかし、周は彼女に密かに好意を抱いていた。


だからチャンスだと思った。


周は彼女に話しかけようとした。明日の宿題の話をしようか、誰かを待っているのかと聞くかなど色々と考えている時、ふと彼女を見た。窓の外を見ている彼女の姿はどこか寂しそうだった。確信は無かった。親しい仲ではないので何があったのかも知らない。ただ、彼女の瞳がいつもの違っていたのだ。


「なんかあったの?」


周は気づいたら彼女に話しかけていた。周は自分の行動に驚いた。そして彼女も周に驚いていた。相当ぼんやりとしていたのか、彼女は目を大きく開いていた。


「えっ?」


「あ、いや、その。なんていうか…」


周は口を籠らせた。自分でもなんでいったのか分からないからだ。ただ、話しかけたなら正直に言うしかないと周はそのまま続けた。


「よく分からないけど、元気なさそうだったから」


彼女は周の言葉に更に驚いた。


「ううん、大丈夫だよ」

少し難しそうな顔をした後、 彼女は微笑んでそういった。


「なら良かった。じゃあ、また明日!」

「うん、さようなら」


周は自分の発言に恥ずかしくなり、彼女に挨拶をした後走って教室を出た。


走りながら下駄箱に向かっている途中、周は彼女の顔を思い返した。


周は引っかかっていた。本当に何もないのかと。しかしそれと同時に自分にはあまり言いたくないことなのかと思った。確かに大して親しくない人に言いたくないよな、と周は自分の答えに納得した。そして、恥ずかしかったものの、彼女と少しだけ話せて嬉しくなった。2人で話したのはいつぶりだろうか。それ位話せてなかった。


明日は思い切って一緒に帰る約束をしようか、と周はウキウキした表情で校門を出た。明日が待ちきれなかった。




















その次の日であった。

彼女(佐藤栞)が自殺したのは。

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