イカサマ賭博
街に着くと若者は賭場を覗いた。
部屋の中は欲に狂った男達の熱気で蒸し、タバコの煙が充満している。
テーブルの中央には胴元と見られる熟女がタバコを吸っていた。
女の後ろには屈強な男達が二、三人、控え、鋭い目付きで監視していた。
若者は少し賭けてみたら勝った。
その金を元手に賭け、さらに勝った。
それを元手に更に賭けると勝ち、賭場を出た。
若者が賭場を出ると女が目配せし男が賭場を出て行った。
若者は酒店に入り酒を飲み始めた。
店に賭場の男が入って来て若者に言った。
「お兄さん、イカサマやっちゃいけないよ」
「イカサマじゃないぜ。そっちこそイカサマやってるんじゃないの?」若者が言うと「ナニッ。貴様、小僧の分際で何言いやがる」
「そっちこそイカサマやってるんじゃないの」若者が言うと「黙れ、小僧」と男が言った。
「喧嘩やる気?あ、そう。じゃ相手になるぜ」若者が言うと男は若者に殴りかかって来た。
若者はかわし、テーブルを蹴飛ばし、男に蹴り込んだ。
「ウグッ。やるなコヤツ」男は若者に蹴りを出すが当たらない。
若者は飛び足刀を放ち、これが男の顔面にヒットした。
「クソッ」と言いながら男は去って行った。
「さてと女の所でも行くか」と若者は言い、店を出た。
その様子を女が見ていた。