地図
その頃、
忍者達は街外れの小屋に集まり謀議を重ねていた。
「陳が武館にいる事はわかったが入りこむのは難しい」
「武館を焼き討ちするか」
「その混乱に乗じて陳を生け捕ろう」
「よし、夜になったら決行だ」
武館では李の門弟達が中庭で稽古していた。
そこに日本剣士がやって来た。
「頼もう。私は早川龍之助と申す。李先生とお会いしたい」
「わかりました。先生をお呼びして来ます」門弟の1人が部屋の奥に入って行った。
しばらくして李が出て来た。
「早川殿、よく来て下さった」李は歓迎の意を表した。
「お元気そうで何より」早川は言った。
「さあ、中に入って下さい」李が言うと早川は従った。
「早川殿。弟子に陳と言う者がおりますが忍者に狙われています」李が言うと「ほう。何故でしょうな」と早川は言った。
「陳は地図を持っていて、それを狙っているようです」
「フム。陳さんと会ってみたいですな」
「呼んで来ましょう」そう言って李は中庭に行った。
陳は功夫の練習をしていた。
「陳、ちょっと来てくれ」李が言うとチェンは部屋に来た。
「こちらは友達の早川殿」李が早川を紹介した。
「陳さん。地図を見せてくれませんか」
「わかりました」と言い陳は腹巻きから地図を取りだした。
早川は地図を見ると言った。
「これは日本が中国に拠点を作る場所の地図ですね」




