31.過保護
休息を言い渡されてから、はや六日……暇である。実に暇である。
「ねぇーアルディーー暇っ!ひまーー!」
と朝食後の食堂で暇すぎると抗議してみる。この際人目は気にしない。
「もうこの街の中は回ったのか?」
「回ったよ!何回も回ったよ!……だから暇だって言ってんのー」
とちょっと机をバンバンする。
「……もう、狩りに行きたいのか?」
と眉根を寄せる。
「え?ダメなの??……身体鈍るんですけどー」
と机にぐでる。
「ダメとは言わんが……身体は大丈夫なのか?」
と心配そうだ。……いや、もうスパーダスケルトンと対決してから九日経ってますからー。
「アルディなんかすっごく心配性というか……過保護になってきてない?どーしちゃったのさ。変なものでも食べた?」
「アマネが倒れてから……俺も色々考えたんだ。そう言えば人は脆かった、と」
と更に眉間にシワが寄る。
「……だから、私が心配で心配で仕方ない……と?」
「そうとも言う」
と目をそらす。
「……今まで超絶スパルタでやってきたのはどこの誰だよー……」
とジトーっと見つめてやる。
「だから、考えたと言っている。考え直したんだ」
「んで、過保護になってしまったと……両極端過ぎるわ!……もう少ししたらAランクに挑ませてくれるんじゃなかったのー?」
「……仕方ないだろ、俺に人の事なんて分からないからな……。……それはそれ、これはこれだ」
「ああもうっ!この……コミュ障め!」
「は?こみゅしょう??」
と分からないといった、珍しい反応をする。
「……コミュニケーション障害。……コミュニケーションに欠点や難点がある人の事を指すんだよ……アルディ……」
と少し哀れんでみる。
「コミュ障……俺はコミュ障……」
と少し悔しそうだ。……千年以上掛けたコミュ障とか中々だぞ……。
「とにかく私の身体はもう不調な所は一切ありませんっ!だからもう、狩りに行きましょう!うん、行こう!」
「しかしなぁ……また怪我をしたら……」
と渋る。
「ワシゃ壊れ物じゃねーよ!おバカ!人間様は意外としぶとく出来てんだよー!!」
とアルディのほっぺをつねる。分かれよーアルディのおバカーー!!
「……アマネ……」
「分かったかね?」
とふんっと偉そうに息を吐く。
「……仕方ない……狩りに行こう……」
と納得したのか、してないのか、とにかくアルディが折れた。私の勝利である!
「よっしゃぁ!運動するぞー!!」
とガッツポーズをする。やはり人目は気にしない。
「じゃあ、草原へ……」
「はぁん?草原んんんんん??は?デボレ種とか舐めてんの?もうBランクなんですけどぉ?」
と珍しく私から威圧してみる。出来てるかは知らんが。
「……分かった……アマネのランクに合わせる……それで納得してくれるか」
と頭を抱えている。……本当に珍しい。
「分かりゃ良いのだ!」
とニッコリする。
「……では主は居ないが、他のBランク相当が狩りへ行く狩場……森とかはどうだ?」
「森?……ほほう、他のBランクの狩場……いいねぇ。そこにしょー」
「決まり、だな」
とアルディは立ち上がって二階へ向かう。どうやらアルディの部屋から移動陣で移動する様だ。
なので付いていって、陣で移動した。
この時私は、知らなかったのだ。……アルディが上手いこと言葉を操って過保護過保護しているとは……。
※突然ですが、次回更新は次の土曜日(8日)からの週1連載に切り替わります。




