27.ランクアップ
目を覚ますとすぐ目の前にアルディの顔があった。は?何故だ?……とポカンとしていると……。
「アマネ?……気が付いたのか?」
と心配そうにアルディが顔を覗いてきた。
「んん??」
と首を傾げる。
「……覚えてないのか……?」
と不安そうなアルディ。
「覚えて……って……うーん?……ああっ!スパーダスケルトン倒してアルディの所へ向かったら倒れたんだった!!」
「……ふー……。頭は大丈夫な様だな」
とアルディは深い息を吐き出した。随分心配させてしまったらしい。
「ここは……私の部屋?……アルディが運んでくれたの?」
とキョロキョロしてアルディを見る。
「ああ、気絶してしばらくしても起きなかったからな」
「そっか……ありがとう」
と微笑む。
「……すまなかったな……」
と俯いてしまった。
「ん?何でアルディが謝るの?」
と不思議がる。
「……お前に重傷を負わせてしまった……」
と頭を下げだままだ。
「え?でもどこも痛くないよ?口の中も切れてないし……」
と首を傾げる。本当に全身大丈夫だ。あれだけ軋んだと言うのに。
「それは治癒術で治したからだ……」
「なるほどー。やっぱ魔法って便利ー」
と呑気に感心する。
「怒ってないのか……?」
と見つめてくる。捨て犬に見える。
「何で怒らないといけないわけ?」
「……腕輪の制限をしたままスパーダスケルトンに挑戦させてしまった……せめて制限が無ければ……」
と再び俯いてしまった。
「いやいや、結果的にこうして無事だったし、もっと危なくなってたら割って入ってくれてたんでしょ?だから、OKーOK。寧ろ治療してくれてありがとだよー」
と笑っとく。
「…………ありがとう、アマネ」
とアルディは泣き出しそうだ。
「……どういたしまして?……」
と言った瞬間、ぐううううぅぅうという音が室内に響いた。……私のお腹がなってしまったのだ。……恥ずかしくて真っ赤になる。
「うわー!!ハズっ!!忘れて!忘れて!!」
と手をバタバタさせる。
「ふ、ははっ……そうか、お腹が減ったのか……何か食堂から持ってこよう。待ってろ」
と笑いながらアルディは部屋から出ていってしまった。……とりあえず涙は引いた様だ。
「……穴があったら入りたい……」
とベッドの布団にくるまる。まだ顔が熱い。
それから、アルディが持ってきてくれた食事を食べながら、アルディと話をした。
「私さ……何日気絶してたの?」
「……三日だな……」
「そりゃお腹も減りますわー」
とさっきの事を思い出しジタバタする。
「……中々起きないから冷や冷やした……」
「心配ありがとう……アルディ」
とニッコリ笑う。
「あ、ああ」
とそっぽを向いてしまった。……照れ隠しだ。分かりやすい。
「……とりあえず私……廃坑道の主を倒せたんだよね?」
「ああ、良くやったな。……あの魔術は凄まじかった。全属性を束ねたのか?」
「えへへー。うん、怒りに任せて全部を束ねてみたの……ダメだった?」
「いや、素晴らしい芸当だ。そこらの魔術士が出来る芸当ではない」
「ほぇー……そうなんだ!」
とニヤニヤしてしまう。
「ああ、これでランクアップだな」
とアルディはバッジを渡してきた。気絶している間に申請してくれていたらしい。
「んんん?B……?……Bランク??」
とバッジへ目を凝らす。は?Bですと??
「ああ、おめでとう」
とにこやかに微笑む。
「いやいや……アルディさん……スパーダスケルトンってBランクだったの!?おいおい!!」
とアルディを揺する。マジか!!
「そうだが……言ってなかったか?」
とシレッと言う。
「聞いてない!……てかさ、私Fランクだったんだよ!それをさ、いきなりBランクのに挑戦させますかね!?アルディさんよぉ!!」
とまだ揺する。
「アマネ、揺するな……スパーダスケルトンに挑ませたのはもうBランク相当だと思ったからだ……これ以上怒ると病み上がりに悪い落ち着け」
「へぇー……」
と揺するのを止めて、ジトーっとアルディを見る。
「とにかくBランクには上がれたんだ、良しにしてくれ」
と降参のポーズをとる。
「はぁ……仕方ないなぁ……」
とため息を吐く。そして襟元に付けているバッジをFからBへ取り替える。
「……この前のバッジってどーすんの?」
「持ってて良い規定だ、まあ記念品だな」
「ほー……」
とFのバッジを見つめる。結構こいつとは長い付き合いだったような、短かったような……。
「とにかくおめでとう」
「うん。……てかさ、スパーダスケルトンでBランクなら私もっと早くFから脱却出来てたんじゃないの!?」
と怒りが再燃する。
「……悪かった……それは悪かった……すまん」
と平身低頭だ。しゃーない許してやろう。
「はー……もういいよ。ランクアップ出来たし」
「そうか?」
といつものアルディに戻る。変わり身早っ!
「んで、次はAランクですかいね?」
「そうなるな……まあ、病み上がりだ数日は休め。ガタが来たら困る」
と再び心配そうな顔をする。
「はーい……数日か……暇だな」
「まあ、ゆっくりマーケットに行ったり、街を散策するといい」
「ん。そだね……たまにはゆっくりしますかぁー」
と伸びをする。
「だが、今日はもう夜だ。そろそろ寝ろ身体に悪い」
「はーい……」
「じゃあな……何かあったらすぐに呼べ、隣だしな」
とゆっくり部屋から出ていった。……そしてガチャリと私の部屋の鍵が掛かる音がした。……魔術で閉めれるのか。便利だなおい。
とりあえず休めと言われたので、布団に潜るが……眠れるかな?三日も寝てたんだよ?
と思ったが……身体はまだ休息を欲しているのか、すんなり寝れました……。はぁ。




