表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/31

20.保護者と氷剛竜


 窓からアルディの様子を眺めていると。付近の森が氷漬けになっているのに気付いた。


 氷剛竜……アイスデュールドラゴンと言うのだから、氷のドラゴンなのだろう。……だからもうアルディはドラゴンの領域に入ったのだろうな。


 しばらくすると大空へ巨大な……山の様な氷で出来たドラゴンが羽ばたいて現れた。……地面にいたらしい。


「は?……何アレ……氷山じゃん!アレ!規格外でしょーあんなのー」

 と呟いたところでアルディには届いてないと思うけど。……だが、アルディが笑った気がした。


 アルディが剣を抜いた。久しぶりに見るな……デボレボアに苦戦したあの日以来か。


 すると突然アイスデュールドラゴンがブレスを吐いた。これは……液体窒素の様だ。


 アルディはそれに包まれてしまった。……不老不死と言えど……凍るのは……とじっと窓を見つめる。


 するとそのブレスが燃え上がってしまった。……液体窒素が燃えるかね?……摩訶不思議である。


 その爆炎の中心にはアルディがいた。……どこも凍ってはいない様だ。それに安堵する。不老不死だって凍れば辛いだろうから……。


 そしてアルディはブレスのお返しだと言わんばかりに、その爆炎を更に轟々とさせ、アイスデュールドラゴンへ放った。


 アイスデュールドラゴンが焔に包まれ凍った森へ落ちて転げ回る。……氷だからなぁ……そりゃ効くだろうさ。


 巨大なアイスデュールドラゴンが転げ回ったせいで森はポッカリと潰れ平野になってしまった。


 アルディもそこへ降りる。


 またドラゴンがブレスを吐いてきた!が、すぐに爆炎でアルディが防ぐ。……さっき包まれたのはナメプだったな……にゃろう……。


 ドラゴンはブレスじゃ駄目だと判断したのか、巨大な尻尾をムチのようにしならせてアルディ目掛けて打つ。


 ヒエッ……と思ったが……やられたのはドラゴンの方だった。尻尾が途中で切れている。接触する一瞬で、切ったのか!あの速度!あの太さを!ひゅーーっ!!さっすがアルディっ!!


 ……なんだかまたアルディが笑った気がした……。


 尻尾を切られたドラゴンは、そりゃ怒ってる。し、何かたじろいでる?……そりゃ、そうか今まで絶対王者だったんだもんね。切られたら怖がりもするか。


 ドラゴンはその巨体でアルディを押し潰そうと、ビヨンっとアルディへ跳ねた。ちょっとキモイ。


 氷の欠片と土埃が大きく舞い上がる。あ、アルディは?と目を凝らす。


 アルディは既に避けて上空にいるらしい。ホッと息をつく。ペシャンコにならなくて良かったぁ。


 するとアルディは上空に超巨大な焔の刃を無数に出現させた。何かそれに封印みたいに炎の鎖が巻き付いている。……すっごい魔力がいるんだろうなコレ……。


 そしてそれをドラゴン向けて放った、無数の焔の刃がドラゴンを襲う。


 ドラゴンはそれにブレスで対処するがアルディの魔術の方が力が上らしい。ブレスが押し戻されて、ドラゴンの口の中で焔の刃が炸裂する。そして他の刃もドラゴンを貫いていく。


 ドラゴンは物凄く固いようだから体幹部には深手を負わせられなかった様だが、羽根は強度が耐えられなかったのか、ボロボロだ。もう飛べないだろう。


 いやー……凄い威力だわ……。これがアルディの本気?……てかさ、これも無詠唱だったな。どーなってんのさ最強過ぎないか!?


 とまた、アルディはクスリと笑う。


 一応アルディの方の音声はこちらへ聞こえているのだ。臨場感が、凄い。が、戦ってるのがアルディだと分かってるのでドラゴンに私が怯むことは無いが。


 喉をやられたドラゴンは、ギシャアアア!と苦しそうに咆哮をあげる。


 お怒りだぞ、相当お怒りだぞ……。


 またブレスを吐こうとした様だが、喉のせいで吐けないようだ。液体窒素が漏れる。


 飛べないし、ブレスも吐けない、ドラゴンはもう八方塞がりだなー。と思っているといきなりアルディを無数の氷の刃が襲った。


 どうやらドラゴンが自身の鱗を逆立ててアルディ目掛けて無数に発射した様だ。……こんなことも出来んのか……。


 アルディは?と窓へ張り付く。


 まさか、貫かれたりしてないよな……。と汗が伝う。


 無数の氷の刃が舞わせた氷の靄が晴れるとそこには……全然ピンピンしたアルディがいた。あんな攻撃でも傷一つ負ってない……。竜殺しスゲェーー……。


「これだけか?」

 とアルディは呟く。


 それが聞こえたか、通じたかは知らないが、ドラゴンは悔しそうに咆哮をあげる。


「さて、今回は待ってくれているやつがいるんでな、終わりにしよう」

 とドラゴンへ空から駆けていく。


 それにドラゴンは大暴れだ。悪足掻きというやつだろう。


 切れた尻尾、ボロボロの翼、鋭い爪がアルディを襲う。がアルディはそれらをみな、切り落としていった。ねぇ……ドラゴンてめちゃんこ固いんじゃ無かったっけ??何で切れるの??


 ……またアルディが笑った気が……いや、確実に笑ってるぞ。……こちらの音声も聞こえてやがるなっ!恥ずかしいなぁー!コノヤロー!


 それにまたアルディが笑う。


 そしてドラゴンの首はアルディによって切り落とされた。最期に牙で剣を止めようとしていたがそれも無残に砕かれていた。……どんな腕力してんのさ。首も切り落とすし。


 まあ、とにかくアルディ……無事で良かったよ。と見えないだろうけど微笑んだ。


 そしてアルディは、アイスデュールドラゴンを素材にした。何故か首だけは残ってる。……素材扱いか?


 にしても巨大な素材である。換金屋に入るか?コレ??


 アルディはそれを全て魔道具のウエストポーチへしまい、足元へ移動陣を出現させた。


 そして次の瞬間、私の部屋へ戻ってきた。


「アルディっ!」

 と思わず抱きついてしまった。


「……ただいま……アマネ……」

 と頭を撫でてくれる。優しい声だ。


「おかえり……アルディ」

 と擦り寄る。


 そして離れて、怪我をしてないか全身くまなく見て確認する。


「よし!怪我なーし!」

 と確認し終えた。本当に無傷らしい。


 その様子を見てアルディはクスクス笑う。……失礼だな。こっちは心配してるのに。


「心配ありがとう。アマネ……まさか俺が心配される日が来るとは思わなかった」

 とアルディ。


「何それ……みんなアルディをなんだと思ってるのさ!!」

 とそれに憤慨する。


「不老不死の竜殺し……」

 と少し寂しそうに言う。


「……だとしても!心配しないのはおかしいでしょ?!」

 と人々への不満は収まらない。


「アマネ……良いんだ……今は……お前がこうして心配してくれる。それだけで良い」

 と微笑むアルディ。


「っ……アルディがそう言うなら……」

 と怒りを引っ込める。


「とにかく討伐成功の報告へ行くか……街長達が怯えながら首を長くして待ってる」

 と苦笑する。……珍しいなこの表情。


「う、うん……」

 と一緒に部屋から出て、食堂へ向かう。


 食堂へ入ると唖然とした顔で迎えられた。


「と、討伐は?」

 と声は震えている。……短時間でアルディが帰ってきた為本当に討伐出来たのか不安らしい。……それともまだ行ってないと疑っているのか……このオヤジっ……。と怒りが再燃しそうになる。


「これを……」

 とアルディはため息をつき、食堂の入口へ巨大なアイスデュールドラゴンの首を投げ出した。


食堂に、ひいぃいぃと依頼してきた集団の悲鳴が上がる。……ちょっとだけ溜飲が下がった。


「……これで討伐したと認めるな?」

 と威圧するアルディ。当然だ。もっとやってしまえー。


「あ、ああ……た、助かったよアルディの旦那……その首も素材も旦那の好きにしてくれ」

 と金貨の山も差し出す。


「ああ」 

 とアルディはスッと金貨の山とアイスデュールドラゴンの首をしまった。早っ!


「さあ、戻るぞ、アマネ……」

 と私の手を引き再び二階の私の部屋へ戻る。


その後でバケモノという呟きが聞こえたので、私はソイツを殴りに行こうとしたが、そっとアルディに止められた。……おバカ。



 アルディはドカッとソファーへ腰を掛けた。大きなため息も吐いている。色々お疲れだろうな。


 なので、お茶を茶器で入れてアルディに出す。日本茶に似た茶葉が手に入っていたのだ。


「どうぞ、お疲れ様」

 と微笑みも付ける。


「ああ、いただきます」

 と珍しくいただきますとアルディが言った!普段言わないくせに……。そうとうお疲れだな……。


 とりあえずしばらく見守ることにする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ