17.最近の日常
今日も草原でのんびり狩りである。もうこの辺の魔物には慣れてしまった。
見つけたデボレウルフを一撃で両断する。風の魔術だ。ちゃんと無詠唱だよー。
が、順調と言っても課題がある。一部の中級以上の無詠唱の魔術である……。中々使いこなせないんだよなぁ。詠唱ありなら上級も楽々なのにぃ。ぐぬぬ。
アルディは相変わらず後ろで見守るのみだ。まあこの辺は楽勝だから別に良いんだけどねぇ。
でさぁ、アルディが後ろでのんびり出来る理由なんだけどさ……アイツ……魔物が嫌う神聖魔術で魔物避けしてるらしい……。そりゃ魔物近づきませんわ!
てか、神聖魔術まで使えるのかよ!と突っ込みました。本当に何者なんだあのSSクラス!……いつか解明してやるっ!
とまったり狩りをしていたら、そろそろ日も真上に登ってきた。お昼の時間だ。
「アルディー。お腹減ったー。お昼にしよー」
とアルディの元へ駆ける。
「ん?……ああもうこんな時間か」
と相変わらず夢中になっている例の辞典から顔を上げる。お好きですねぇ魔術。
「そうだよーお弁当ー」
とアルディの近くに腰を下ろす。
「ん」
とアルディが今日のお弁当を差し出してくれたので、ありがとと受け取る。
「どれどれー。今日は何かな?」
と包を開ける。ん?ハンバーガーとポテト……?ジャンキーですなぁ。まあ、美味しそうだから良いんだけど。
アルディはもう食べ始めている様だ。相変わらずいただきます、は言わないなぁ。
「いただきまーす」
とハンバーガーから食べ始める。うまっ!肉汁たっぷりだよ。チーズも美味しいね。てか全部が美味しい。
ポテトも美味しかった。ごちそうさまです。
さて、午後も狩りですな!食後の運動するぞー!
この世界へ来てから運動してばかりだから代謝も良くなったし、程よく筋肉も付いた様だ。健康的、健康的。
まあ、すぐにお腹が空くのが難点である。まあ食べ盛りという事にしておいて。
午後は苦手な中級以上を実戦で頑張ってみる事にする。従えー精霊っ!!
向かってくる。デボレバードに向けて無詠唱の中級術を放ったが……不発っ!避けなきゃ、とサッと身を翻す。
「ぐぬぬ……精霊!言うことを聞けっ!!」
と今度はめちゃくちゃ従える意思を持って偉そうに、無詠唱術を放つ。
するとデボレバードは無数の氷の槍で貫かれた。うん、中級いけた!!
するとアルディがやって来て、微笑みながら頭を撫でてきた。
「良くやったな」
「う、うん……なんとかやれたよ……」
と撫でられ慣れてないからたどたどしい私。恥ずかしいわー。
「ああ、それぐらい精霊を従える意思を持つと上級もすぐだろう」
と微笑んだままだ。……ああ、イケメン。……美人は三日で飽きるとか言うけど……そうでもない。
「うん、頑張ってみる!」
と気合を入れるポーズをとる。