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16.お茶会


 本日は狩りを早めに切り上げて私の部屋でアルディとおやつがてらお茶をしている。


 今日のおやつはアップルパイらしい。うわー美味しそう。……よ、涎が……。


 いつも思うが一体どこで買ってきてるんだろうなぁ。アルディ美味しい店よく知ってるなぁ。


 とりあえずアップルパイに合う紅茶を淹れる。最近カップにもこだわってきた。今日はちょっとシンプルなのにしよう。カップの白に紅茶の色が栄える。


「はい、どうぞー」

 とテーブルにお茶を出す。


 アップルパイはアルディが綺麗に切り分けてくれた。手際いいなぁ。


「ほら」

 と私の分のアップルパイを差し出してくれる。


「ありがと」

 と受け取り、いただきまーすとモグモグ食べ始める。お、美味しい……何これ、日本でもこんなに美味しいの中々無いと思うよ。


「そうか、それは良かった」

 とアルディ。……またまた口に出てたか……。最近よく口に出てしまう。


「うん。一体どこで買ってきたの?」

 と常々思ってる事を聞いてみた。


「……王都……」

 とボソりと言った。


「はい?」

 ……今、王都と言ったか?こやつ……。


「だから、王都だ」

 と恥ずかしそうにアップルパイを頬張る。


「マジかいな……もしや……いつものお菓子も他の街で買ってきてたり……?」

 とこわごわ聞いてみる。……うそん。


「……だいたいそうだな……」

 とまた照れ臭そうに紅茶を啜る。


「……つまりアルディ厳選のお店なんだね。世界中からの」


「まあな。……美味しいだろう?」

 と今度は得意気だ。


「そりゃ美味しいけど……毎回移転術使って買いに言ってるの?」

 とちょっと呆れる。


「そうだが?……悪いのか?」


「……いやー……そういう訳では……」


「アマネには、美味しいものを食わせてやりたいからな」

 と微笑む。ぐっ……イケメンオーラっ!


「さ、さいですか……ありがと」

 とちょっとオーラに押される。


「気にするな……俺も久々に美味しいと思えるしな」

 とボソり。……ちょっと聞き取れなかったんですけど。

 

「へ?」


「……何でもない」

 とすました顔でお茶を飲む。


 ……一体何なんだ。でも、慣れたので……まあいいかの精神で気にしないことにする。





 そしてしばらく紅茶とアップルパイをあてに雑談をする。


「そう言えばさぁ……この部屋って宿屋?それとも賃貸的なやつなの?」

 と前々からの疑問を聞いておく。


「ん?……ああ、ここと俺の部屋は賃貸だな」


「ほー……。他は違うの?」

 とアップルパイを頬張る。うめぇー。賃貸料もありがとうと言っておきたいが、言うとせっかくの距離感が遠くなる気がするので今回は言わない。


「……この二階はギルド運営の宿屋だったり、賃貸だったりが入り乱れている。冒険者は移り変わりが激しい奴もいるからな」

 とお茶を飲む。


「そうだったんだ。へー……」

 

「そういえば、アマネ……今までで気に入ったおやつはあるか?……次にそれを買ってこようと思うんだが……」

 と頬を掻いている。可愛ええ……。最近アルディが可愛く見えてきた。……どーしたんだ私。


「うーん……迷うなぁ……強いて言うなら……あの出来立てパンケーキが美味しかったなぁ……トッピングが苺とチョコのやつ」

 と思い出しただけで……。うへへ。


「そうか……ではそれにしよう」

 と微笑む。


「うん!ありがとーよろしくねー」

 と私も自然に笑顔だ。




 それから夕食も挟みつつのんびりとアルディとおしゃべりした。


 日本に結構興味があるらしい。色々突っ込んで聞かれた。……中々に答えるのが大変だった。……教科書が意外と役立ったりもした。たまたま全教科持っててよかったわー。


 他にもファンタジー系の雑学書とかチート知識になりそうな本もあるけど……今は隠しとこう。……多分それにも夢中になると思うなぁ。

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