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15.距離


 グロワールに来てから約二ヶ月……。割とアルディとも馴染んできたと思う。思いたい。


 が、相変わらずアルディは謎が多い。本当に謎が多い。最初にデボレボアを倒すお手本を見せてもらって以来、戦っているのも見た事が無い。


 まあ、ギルド認定のSSクラス様だから実力は折り紙付きなんだろうけど。てか、SSクラスって何人いるんだ?……今度聞こう。


 ……脱線したな、とりあえずアルディのことだ。……最近本当に笑ってくれる事が多くなった。最初の不機嫌オーラももう無いし。あれは心からの笑顔だろう。……笑うとイケメンオーラが眩しいわぁ。


 でもなーんかギルドの冒険者達はアルディと距離を置いているんだよなぁ……。何故だ?……まあ、近づかれたら近づかれたで、アルディは近づくなと威圧と不機嫌オーラを発するのだが。……それが原因か。


 まあ、とにかく私だけどいる時は不機嫌ではないから良しとしよう。


 それと前々から思ってたんだけど、アルディって実は優しいよね。ぶっきらぼうに見えるけど。ちょくちょく私の生活面で不自由しないかとか、他の冒険者達に迷惑掛けられてないかとか心配してくれるし。だが、それを心配するならお前も戦えや!ってなるけど。


 それに戦闘後、よく褒めてくれるようにもなった。結構嬉しい。だが頭ナデナデは恥ずかしいのでちょっとだけ控えてほしい。


 そんでさぁ……時々私をトリップさせてしまったとこを謝ってくる。……だからぁー、帰りたいとか言ってないのになぁ。バカアルディ。


 あと、たわいもない会話もするようになったな。アルディは博識で話していると勉強になるし楽しい。


 だが、相変わらずアルディは色々な事に無頓着だ。食事もいつもテキトーだ。


 ……例のネーミング辞典にはご執心だが。……魔術オタクめ……。


 そうそう、ちょくちょく私の部屋でゆっくりお茶をしながらおしゃべりする事もあるようになった。丁度茶器をマーケットで入手したし、紅茶とか淹れてる。お菓子はアルディがどこからか持ってきてくれる。それが毎回美味しいのだ。


 アルディの部屋にも入る機会もあったが……入居した時のまんまって感じで、備え付けの家具しか無かった。とにかく生活感が無かった。……あー……無頓着。


 まあ、生活に必要なものは魔道具のウエストポーチからその都度出して使えば良いだけなんだから、生活感も無くなるか。


 でも何か引っかかった。……儚い感じがして。何でそう思ったのかは自分でも謎だが。




 とにかく当初の印象とはかなり変わったし、仲良くなれてきたかな?と思う。


 これからもっとアルディの事知りたいなぁ。……まあアルディが踏み込んでほしくないなら踏み込まないけどね。


 とか考えてるとコンコンと部屋のドアをノックされた。


「俺だ」

 とアルディだ。


 そうか、もう朝食の時間か。ちょっと早めに起きて、色々考え事したら時間経っちゃってたか。


「はいはーい」

 とすぐにドアを開けて、一緒に朝食を食べに向かう。……別にギルド内だから安全なので、先に一人で食べに行ってても良いんだけど、何故か毎日迎えに来てくれるから、それに、甘えている。


 一回、先に食べに行ってたら、部屋に居ない事に焦ったのかすっごく心配されたし。


 朝食をとったら、今日も狩りに向かう事になっている。平和だなぁ。

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