表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Girl In Black!  作者: meg@meg
2/2

#2 スリッパでつぶせる?

こんな状況から始まってもらうと迷惑きわまりないですが、ご了承ください。

そう、宇宙人!!巨大なゴキブリィィッ

 ルカは気絶してしまった。

「ルカ!!しっかり!!」

「ぎゃぁぁあああああああああああああああああああッ!!!」(ゴキブリのおたけび)

 もしかしたらあたしを見ての悲鳴かも。あたし、今日は眉毛ほとんどないし。

こっちのセリフだッ!!こっちも叫んでやるッ

「ぎゃぁぁあああああああああああああああああああああッ!!!」(あたしの悲鳴)

 きっとあたしの悲鳴をおたけびと勘違いしたのだろうか、巨大ゴキブリ(決め付け)が1歩後ずさった。ねえ、もしかしてあたしって化け物以上なの?!!

 待てよ、冷静に……

 もしかして、あたしたちって襲われるの?――相手は2メートル以上。襲われたらひとたまりも無い。気絶しそう。

 あたしが……死ぬ…?

「いやぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 死にたくねぇよ!!

「おらあああああ!!かかってこいやぁッ!!」

 くそッ!死ぬくらいならあばれてやる。あっちが『怪物巨大ゴキブリ』ならこっちは『怪物眉なし女』だ!!

 そして向こうから襲ってきた。

 ウチのお姉ちゃんがやっているみたいにスリッパでつぶせるのもならつぶしたい。でも、そんなことは出来ない。大きすぎる。

 突進しながら相手は口をがばっと大きくあけた。食べる気だ!!

「……ッ!!」

 あたしはありったけの力で地を蹴り、横のほうへ跳んだ。それと同時に相手はあたしのいた空間を突き抜けた。あたしは空中で180度回転し、その背中をありえないほどの力で蹴った。確実にKOだ。ゴキブリが吹き飛ぶと同時にあたしが着地。何もかもがスローモーションのようだった。ふう、カッコいい!!

 気がついたらゴキブリが仰向けに倒れていた。

 でも、まだ終わりではなかった。ゴキブリが起き上がろうとしていた。

 あたしは残りの力を振り絞ってゴキブリへ駆け寄り、とどめに腹の柔らかい部分を足で貫いた。

 「グチョッ」と嫌な音がして、腹から緑色の液体が飛び散った液体がスカートにかかった。……カオにも。

「ひッ!!」

 もう、最悪。顔をしかめた。

 すると……

 パン…パン…パン……

 気がついたら周りには人がたくさんいてその中の1人が怪しい笑みをうかべて手をたたいている。そしてあたしの方へ……

「すごいね、君。連れは大丈夫だった?」

 あ、そういえばルカ。ああ、大丈夫みたい、ただの気絶だ。

「あのぉ、おにーさん、かなり怪しいんですけど」

 黒サンに黒スーツそしてなぜか赤ネクタイ。かなり目立つ。そして怪しすぎ。でもカッコ良さそうだ。目は見えないけどその他の顔立ちが綺麗で髪型も片方は短めでもう片方はやや長めにながしてある。イマドキ。しかし、スーツ。←これはちょっとねー

「もしかしてこの化け物の正体知ってんの?宇宙人だったりして」

 そんなわけないか。

「そうだ」

 即答でありえない回答。うわー。

「もしかしてMIBとか……?」

 映画で見たことがある。通称『Men In Black』(メン・イン・ブラック)。宇宙人の存在を知られないようにしている正体が不明な連中。で、主演を勤めるウィル・スミスがカッコいい!!ウィル最高!!

 ってな場合じゃなくて。

「そうだ」

 え!!そんなことあっさり言っちゃっていいの?!

 どうやら声に出ていたらしい。

「それはかまわない」

サングラスを外した。マジメな表情だ。

 よく見てみると、この男、高校生くらいだ。スーツを着ているから大人だと思ってた。しかもかなりカッコいい……。

「あははははははは」

「……んだよッ」

 今までの事全てにおいて笑える。学校初日から遅刻して、怪物倒して、カッコいい人に大接近かと思ったら宇宙人関連で。マジウケる。笑いがとまらん。

 相変わらずおにーさんは「ったく…だから嫌なんだよ」と小声で呟いてる。

「ところで、あんたダレ?」笑いをこらえて聞いてみた。まだカオはにやけてるかも。

「いや、説明はいらない」

「へ?」

「お前のさっきの記憶を抹消する」

 あたしはあたりを見回した。さっきと同じところだけどゴキブリがいない。あたしとルカとおにーさんの他の人もいない。何事も無かったのようだ。

「もしかして、みんなにそうしたの?」

いつの間に……。すごい早業。

「そうだ。極秘事項だからな」

 そう言ってポケットから何かを取り出した。ペンライトみたいだ。

「このフラッシュでさっきの事は忘れる。オレのことも」

 こっちに向けた。

「ちょちょちょ、ちょっと待って、その前にあなたのメアド教えて!!」

「ダメだ」

 くそッ!!乙女がこんなイケメンとの出会いを逃すわけにはいかない。

「いーやーだぁああああ!!」

 あたしは叫びながら彼の手からライトをひったくった。そして……逃げる。

「おい、待て!!」追いかけてきた。

 明らかに向こうの足が圧倒的に速く、すぐに追いつかれた。向こうの手が伸びたかと思うと一気に腕をつかまれ、引き止められた。周りから見れば、スーツの彼と液体まみれの女の変人カップルの追いかけっこ。しかも結構凄まじいやつ。一応、私、元バスケ部だし。

「返してくれ」真剣なまなざし。

 やべっ、ときめいてきた。あきらめんぞ!!

「これならどうだ!!」

 あたしはライトを下に落とし、ライトを踏み潰した。これなら秘密を知ってしまったあたしを放っておけないだろう。あたしって大胆。

 これで初対面はサイアク決定。

「あ……」男がため息をつく。「どうしてくれるんだ」

 きゃー!!かっこいい!!

「とにかくあの連れの女の子は大丈夫か見てこい」

「は、はいぃい!!」

 ルカはしばらく気絶していたが、おにーさんに体をゆすられて起きた。

「あ……!!」

「こら」

 どうやらルカとおにーさんは初対面ではなさそう。なぜ?まぁ、後でルカにこの人のメアド教えてもらお。

 そう考えているうちに2人はいつの間にか話を終えておにーさんが「じゃあ、あとはよろしく」とルカに言って(ルカだけ!!)その場を去って行ってしまった。あーあ。

「ごめんね、気絶しちゃって」

 ルカが申し訳なさそうに言う。

「いいっていいって。じゃあ、帰ろうか。歩ける?」

「うん」

 聞きたいことはいっぱいあったけどなかなか言えずにいた。2人は静かに歩いていた。それにしてもスカートにこびりついた緑の液体が……ひいぃッ!!もちろん顔のは拭いてある。

 分かれ道で2人は「また明日」と言って別れた。


 時間割をそろえて、やる事を終えた後あたしはベッドで考えていた。

「宇宙人……」

 その時、ノックもせずにお姉ちゃんが部屋に入ってきた。

「ちょっとぉ、お姉ちゃん!!」

「ちょっとはこっちのセリフでしょ!!あんた、今日遅刻したんだって?」

「ま、まあ」

「あんたねぇ、お父さん達がいないからって何でも出来ると思ってんの?お父さんに言いつけるからね!!」

「ひぃい!!それはカンベン!!」

「だと思った。言わない代わりに、私、今日は友達んちに留まってくるから言わないでよね」

「彼氏ぃ?」

「ニヤけないでよ!!そんなんじゃないんだからッ!!」

「あー、顔が赤くなってるぅ。ひひひひひ」

「もうッ!!」

 そう言って部屋を出て行ってしまった。あたしの家はいつも両親が出張の連続で家にいないのがほとんどだ。しかも出張先が海外ばかりなので国際電話は高いから電話のあまりしてこない。お姉ちゃんが大学生ということで親はあたし達の2人暮らしを許している。まあ、今のが現状だってことに両親は気づいていない。今夜はあたし1人。

「何の映画見よっかな」


 今日の朝は普通に電車で行けた。降りて定期を見せる時にうかつにも定期を落としてしまった。

「ああ!!」

 人ごみがすごくてなかなか拾えない。「くそ!!」と嘆く。

「どうぞ」

 その時、1人の美男子(合格)が拾ってくれた。さらさらヘアーがイケてる。

「あ…ありがと」

 思わずぽーっとしてしまった。カッコいい。

「この子か……」

「え?何?」

「ううん、何でもない。じゃあね」

 そう言って去っていった。白馬の王子のように……。まぁ、こんなところで馬に乗ってたらさぞかし迷惑だけど。

「あ!!名前聞くの忘れてたぁ〜!!」


次もよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ