第20話〈嵐禍ノ章〉「彼女の夢を守るため」
体育館へ向かう途中。俺はずっとひとつのことだけを考えざるを得なかった。
――鳴海が魔導師の力を覚醒させている――…。
考えたくもない事実。否定しようのない瞳の暗黒。
枝紡のときも含めて思う。
どうして、俺の周りで力が覚醒するのか…。
リロウスは言った。『それは、誰にでも起こりうる事。君の周りで、というのはもしかしたら君が〈器〉であることが関係しているのかもしれないな』
何度も、足が止まりそうになる。こんなペースでは間に合うものも間に合わない。
俺の様子を気にしてか、一歩後ろを歩く鳴海が度々止まりかける俺にぶつかりそうになり、心配そうに見つめてくる。さっきまでとは立場が変わってしまったようになんとなく気まずい雰囲気が一瞬だけ流れると、俺は歩き出すのだった。
鳴海の瞳を、見るのが怖くて。
吸い込まれそうなほどの深淵が、俺に現実を突きつけてくる。
体育館まではあと僅か、というところで枝紡が呟いた。
『式瀬くん、ちょっとだけ、いい?ひとりになれるかな?』
俺は、鳴海にトイレにいってくる、と伝え先に体育館に入っててもらうよう促すと鳴海は少しだけ不安そうになったがてこてこと歩いていった。俺が目を合わさなかったことに気づいていないだろうか・・・。
体育館に近いところにある自動販売機の前。
人気はほとんどなく、遠目からちらちらと人の姿が見えたりするが自販機の付近には誰もいなかった。演劇部の本番まであと、5分。俺はこの日初めて、時間を長く感じた。
『式瀬くん、鳴海さんのこと、どうするの?』
どうしたらいいのだろうか。俺は、まずリロウスに聞きたいことがあった。
「なあ、リロウス、鳴海の力はどのくらい覚醒してるんだ?」
『ふたばのときと同様だな。君が受け入れればすぐに能力が発現するだろう』
その言葉に俺は片手で両目を覆った。リロウスは続ける。
『私としては、手に入れるべき力だと、思っている』
そう簡単に決められることじゃないと、何度言えば・・・。
言いかけて飲み込む。今、その議論をしている余地はない。
「ここにきている魔導師は、どんな奴なんだ」
『この気配の感覚は、ウィズとウィードという双子の魔導師のものだ。姉のほうがウィズ、妹のほうがウィード。姉のほうが無邪気でな。すぐにここへ来ていないということはまた何か妹を困らせるようなことをしているんだろう』
リロウスは昔を懐かしむ風に言った。だが、すぐに語気が変わる。
『彼女たちは正直言って、イルヴァナよりも強い。2人でイルヴァナ以上ではないぞ。個人でイルヴァナを超える。それにまだ、〈朽体病〉の兆候も見られない』
要するに、パラメーターは何もかも万全らしい。
『1人1人であるならば、君にも勝機はあるかもしれない。しかし、彼女たちが別行動するとも思えん。そうなったときの為に、新たな力が・・・』
『ちょっとまって、リロ』
リロウスの話に割ってはいる枝紡。彼女もまた、強い口調だった。
『ねえ、式瀬くん。式瀬くんは鳴海さんを・・・巻き込みたい?』
とても言いづらそうに言う。
俺はあの黒煙を思い出す。
俺は枝紡を巻き込み、枝紡の全てを終わらせてしまったのだ。
もしかしたら、鳴海の全ても終わらせてしまうかもしれない。
彼女の夢さえ、消してしまうかもしれない。いや、消してしまうだろう。
巻き込んでしまったら、もう彼女が〈日常〉を過ごすことは不可能なのだ。
『私は、巻き込みたくない。私の力でみんなと、式瀬くんを守るって決めたから』
ともに誓った約束。
あの時枝紡は、『一緒に背負うから』と言ってくれた。
今もなお、俺の心の中でしか生きることができなくなった枝紡。それでも彼女はいつも気丈に振る舞い、よく笑い、よく怒る。
本当は怖いのかもしれないのに。俺はこんなにも支えてもらっているのに。
枝紡は、俺が出すべき答えを知っているのだ。
俺の言葉からそれを聞く事で、枝紡は自分が為すべきことをより強固なものにしたいのかもしれない。
俺は顔を上げた。
空が見えた。雲が風に乗って流れていく。
この〈風〉を守らなくてはいけない。
俺と枝紡とリロウスで。
『…決まったみたいだね』『どうやら君は意外と頑固らしい、いや君たちは、か』
2人の声が頭に響くと俺もようやく言葉にすることができた。
簡単なことだったかもしれない。俺たちがやるべきことはたったひとつなんだから。
「鳴海は巻き込まない。これから力を覚醒させる人たちもだ」
言い切ったところでチャイムが鳴った。
俺は小走りで体育館へと向かう。
なんとなく、足取りが軽くなった気がした。
*****
まもなく開演のアナウンスが流れていた。
体育館内はすでに超満員で立ち見も出ている。
入り口の人混みを掻き分け自分のクラスの位置まで行こうとしたが辿り着けない・・・。
どうにか人の少ない空間に抜け出るとそこには鳴海が立っていた。いきなり人ごみの中から現れた俺に一瞬驚いたが、すぐにいつもの鳴海に戻った。
「クラスの席に行かないのか?」
「行こうと思ったですけど、人の波に押し寄せられたです」
さすが脚本家、うまいことを言う。俺は鳴海の瞳を真っ直ぐ見ることができていた。
薄暗いせいか、瞳の深淵は気にならなかった。
「それじゃあ、ここで一緒に見るか。立ち見だけど」
「そ、そうですねっ。そうしましょうですっ」
鳴海は身長が低いので必死に背伸びしていたが疲れそうだったので俺は壁にたてかけてあったパイプ椅子を鳴海に渡す。「この上に立てば見えるんじゃないか?」
座るものがないから立ち見をしているのにもかかわらず、座るべきものの上で立ち見をするというなんだか矛盾した椅子の使い方をしているが、ここで椅子に座ったら益々舞台が見えないのは分かっている。鳴海は躊躇していたが開演のブザーがなると渋々その上に足を乗せた。
舞台が幕を上げた。
物語は、枝紡が作った赤いドレスを着たお姫様の1人語りから始まる。
『うん、あの子なら着こなしてくれるって思ってた』
俺の隣では俺よりやや目線が高くなった鳴海がハッとしたり、笑ったり、真剣な表情で考え込んだり、さまざまな表情を展開させている。たまに枝紡から言われるのは、『舞台をしっかり見なさい!私が見えないからっ!』というものだった。
中盤に差し掛かると、物語は戦闘シーンが多くなる。激しい動きにこっちも目を見張る。でも、彼女たちが作り上げた衣装は動きやすそうで役者と共に躍動しているように見えた。演劇部部長、久志雪哉先輩の満を持しての登場に場内からは「おおっ」と声が聞こえる。先輩の演技は、圧倒的に上手かった。完璧な役作りだったんだろうなと彼の言動を思い出していた。
やがて物語はクライマックスへと差し掛かる。
主人公と魔王の戦いは圧巻だった。素人目にみても鳥肌が立ち、息を飲む展開に会場にいる誰もがその戦いの行く末を魅入っている。
魔王のほんの一瞬をついた主人公の攻撃が、魔王を貫くと幻想的な照明に切り替わりBGMが掛かった。エピローグだった。
鼻を啜る音が聞こえ、ふと隣を見ると鳴海が涙や鼻水を拭うこともせず泣いている。
俺は黙ってハンカチを差し出そうと思ったがポケットには何も入っていなかった。
すると突然、鳴海に差し伸べられる手。その手にはハンカチ。栞菜だった。
「お前、大丈夫なのかよ?」
「ええ、もう治まったから。てか、めっちゃ泣いてるね」
小声で話す俺たち。鳴海はハンカチを受け取ると顔に当ててしくしくと物語を見つめ続けた。
最後に、壮大なBGMが流れフェードアウトしていくと、一転して明るい音楽が流れ出す。カーテンコールらしい。次々と登場してくるキャストたちに会場からはとめどない大きな拍手が送られた。俺たちも負けじと大きく手を叩く。
一番最後に登場したのは久志先輩だ。その表情は晴れやかでたった一回の公演に全てを出し尽くしたと自信に満ち溢れていた。拍手が鳴り止むと、久志先輩が地声で観客に対し礼を言う。追って部員たち全員が頭を下げて礼を言った。顔を上げ拍手が鳴り止むと、一瞬、先輩が俺たちの方向を見た気がした。いったいなんだろう・・・?
「それでは、この公演に関しまして尽力してくれたスタッフの紹介をさせていただきます!」
まず、俺がそっぽを向き、栞菜が照れたように下を向きながら頬を指で掻き、鳴海は椅子から降りた。
先輩は音響と照明の名前を読み上げて彼らもまた拍手を浴びた。
そして、
「我々が着ているこの素敵過ぎる衣装を作ってくれた裁縫部っ!!」
言いながら俺たちがいる体育館隅を示す。会場の視線が一気に俺たちへと向けられていた。会場を出ようにも通路が塞がり出られない・・・。
先輩がいい発声で続けた。
「部長の矢薙沢栞菜さん!!」
おおおーっ!!と歓声。栞菜は、「ど、ども」を片手を控えめに上げて応じる。
「そして・・・部員の、枝紡ふたばさんっ!!!」
部長は躊躇いを見せつつも言い切った。
こちらにも大きな拍手と歓声。今まで人混みで気がつかなかったが来賓の席には枝紡の両親も来ていた。2人ともこの状況に安堵の表情と涙を浮かべていた。
枝紡も驚いた様子だったが嬉しい嬉しいと連呼している。部長の心遣いに俺も嬉しくなった。・・・が、
「あと、式瀬くん!」
おいっ!俺はついでかよっ!!!拍手の音、小さくなってないか!?!?
俺、がんばったよ!かなり往復したよ!?漫画とCD燃やしちゃったんだよ!?
俺がオチなせいで盛り上がりが尻すぼみになりかけたようだが、久志先輩は咳払いをし次に呼ぶ名前がいかに重要なポジションなのかを場内に知らせる。
「次は、このお話を書いてくれた脚本家さんの紹介をさせていただきたいと思います。このお話が彼女から生まれていなければ今、ここに我々はありません。素敵な物語を書いてくれた彼女に拍手を送ってほしいです。脚本・晴日成美こと、鳴海磨瑠さんっ!!」
それは、この日一番の歓声だった。割れんばかりの拍手が鳴海だけに送られる。当の本人は慌てて隠れようとしたが栞菜がそれを許さない。「ほら、答えてあげなさい」
鳴海は顔を真っ赤にし、栞菜に促されて椅子の上へと上がる。ゆっくりと。
そして彼女は、大歓声を一心に受けた。きっとその景色は彼女にしか見ることはできない、感じることはできない。
鳴海が深くお辞儀をすると、また一段と大きくなった拍手。その場にいた誰もが、
鳴海磨瑠という、ちょっと地味で控えめで恥ずかしがり屋で何より本が大好きな女の子を温かい目で見ていた。
彼女の夢が動き出した瞬間だ。
だからこそ俺は、守ろう。彼女が見つけ、これから歩んでいく道を。
こうして、今年の「藤咲祭」は例年以上に盛大に幕を下ろしたのだった。
*****
「ふわああああ~~~、ねみぃ~~~~」
楽しい行事のあとは、眠気もぶり返す後片付けだった。
観客はほとんど帰ったが中にはボランティアで片づけを手伝ってくれる方も居て俺たち生徒としてはかなり助かっている。
グラウンドでは生徒たちの為の後夜祭のための準備が行われ、キャンプファイヤーや特設ステージで楽器のチューニングをする生徒の姿も見える。
「こら、リク。欠伸ばっかりしてないで手を動かしなさい!」
部室で外を眺めていると栞菜から厳しいお達しが。
空腹も相まって俺の集中力は限界である。
「なあ、腹が減ったんだが・・・」
「あ、そうだリク!後夜祭さ、一緒に踊ろうよ」
一瞬の静寂。それを切り裂く俺の腹の音。
「・・・は、あははははっ!!!何今の音っ!!リクお腹すいてるの!?」
「空いてるよっ!!・・・た、頼むからなんかくれ・・・・・」
力が抜けていくように語気が弱くなる。栞菜は机に置いてあったビニール袋を俺に差し出してきた。
「これ、椎菜がリクにあげてって。今の今まで忘れてたわ。せんべいじゃないわよ」
椎菜め・・・。あのツンデレめ・・・。なかなか可愛い事してくれるじゃねえか。
今の俺の顔、下卑ていないか心配だがとにかくお腹を満たしたい。俺は半ば奪い取るように栞菜からビニール袋を受け取り、中身のプラスチックパックを取り出した。
「うわあ、真っ赤だねえ。あれ?リクって、そんなに辛いもの好きだったっけ?」
一瞬思考が停止したあと、俺は息を止めて一心不乱にかき込んだ。
椎菜の悪巧みの顔と、なぜか円堂の亡骸が夕焼け空に浮かんで見えた。
*****
後片付けも終わり、後夜祭が始まる。グラウンドの中心で轟々と燃え盛る炎の周りで男女の生徒が手を取り合い、踊る。ステージではバンドや弾き語りが演奏され盛り上がりを見せていた。
基本、自由参加なので帰る生徒もいるが、残る生徒のほうが圧倒的に多い。ある者は教室からその様子を眺めたり、ある者は屋台の残り物を食べながら談笑したりと、落ち着いた時間を生徒たちが過ごす。俺はこの空気感が好きだった。
「ちょっと、どんだけ水飲んでんのよ」
栞菜に引っ張られてグラウンドへ向かう俺。いくら水を飲んでも辛さ、というより痛みが引かない。記憶に残る激辛だった。
「ひょ、ひょっとまっふぇふれ。ふひのなはは、ひりひりふんだお」
「なに、その語尾」
栞菜はそのままキャンプファイヤーの近くまで俺を連れて行くと俺の正面に向き直る。「さ、上手くリードしてよね。辛くても踊れるでしょ」
くるりと反対を向き、俺は栞菜の手を取る。正直、激辛のことで頭がいっぱいなのだが決してそれを口にすることはない。というか喋れない。栞菜もまた、黙ってステップを踏んでいた。
側で燃える炎が、なんだか心地よかった。
*****
手を取り合い踊る2人の姿を見ていると、わたしはなんだかほっとする。
先輩はあんな悲惨な事件に巻き込まれて怪我を負い、栞菜先輩は大切な親友を失い、元気がなくなった。傷を負った2人が今は、あんなにも楽しそうで、
幸せそうで。わたしは、ただただみつめているだけだ。
先輩が踊りながらみせる笑顔は、たまにわたしを痛くする。
先輩と出会ったあの日から、わたしは先輩を見てばかりだ。
先輩は、これからわたしのこと、見てくれるのかな。
炎の前で見つめあった2人。
その姿が羨ましくて、わたしは自分の気持ちが素直になっていくことを
ほんのちょっとだけ、嫌になった。
*****
帰り道。栞菜を送る。家で待っていた椎菜にはあっかんべーをされたがなぜにそこまで俺を嫌うんだ・・・。お前のオムツ替えてやったことあるんだぞ・・・。
しおりさんにも挨拶をして、俺は栞菜に別れを告げる。また、週明け、学校で。
ようやく一日が終わる。昨日の今頃は準備に奔走していたんだもんなぁ。
そう考えると、長い長い一日だった。帰ったら寝よう。今、俺に必要なものは睡眠だ。きっとそうに違いない。
だけど、今日もまた眠れなさそうな雰囲気だった。
『式瀬くん・・・』『ふたば、君にもわかるか?近いぞ』
俺に向けられているであろうその殺気は、イルヴァナが発していたものにも似ていてそれでいて、彼女より強いものだった。
俺たちは殺気が放たれている場所を見る。満月の方向だ。
その満月を背中に、電信柱の上に立つ人影。普通の人間ならばあんなところには立たないだろう。逆光でよく顔は見えないが左目を覆う長い前髪がまず見えると、こちらを睨む右目はイルヴァナのそれと同じ鋭さを秘めていた。
「あれが・・・、次の魔導師・・・」
『ウィード、だ。妹のほう。ウィズが見当たらないが・・・』
『式瀬くん、私はいつでも大丈夫だから』
しかし、ここは住宅街。人に見られる可能性と、被害を及ぼす可能性が高すぎる。
魔導師側には関係のないことかもしれないが。
ウィードという魔導師には携えている物体があった。傀儡だった。
「お前、器、容赦、しない」
冷たく、低い声。俺の背中に寒気が走る。明らかにイルヴァナとは違う狂気がある。
「・・・仕方ねえ、炎禍になったら一気にここから引き離そう」
『うん』『用心しろ、陸斗。傀儡を使う前にウィードを遠い場所まで連れて行くんだ。今、あれが1人なら勝機はあるはず』
俺たちはタイミングを見計らう。辺りは人がまったくいないかのように静まり返っていて不気味な様相を呈している。
そして。
ウィードは額に傀儡の額を当てた。
これが魔導師の正攻法だと言わんばかりに。
俺は枝紡を呼ぶ。
両者はほぼ同時に名を呼んでいた。
「〈ウィンカ〉、愛している」
「『炎禍』」!!
太陽の如く炎を纏った俺は、月に向けて真っ直ぐに飛んだ。
*****
「帰り、遅くなったなぁ」
さほど明るくもない夜道を1人で歩く。月明かりが頼もしい。
風で木々が揺れると、肌寒さを感じた。本格的な夏はまだまだみたいだ。
歩いていると、背後から足音。
段々近づいているのが分かる。わたしはこわくなって少し早足になった。お家まではまだ距離がある。いざとなったらご近所さんのお家に駆け込むしかない。
小走りに近い早足についてくる足音。よく聞くとそれは小さな足音だった。
――まるで子供のような・・・。
それならば、とわたしは思い切って振り向いてみようと思った。もしかしたら弟たちがわたしを怖がらせようといたずらしているかもしれない。そう思ったから。
(あの曲がり角を、曲がったら見てみよう)
すたすたと踏み込みを強めて、曲がり角を曲がる。家まではすぐそこ。
わたしは意を決して振り返った。
「だ、だれですか!」
しかし、そこには誰もいなかった。
しん、と静まり返る住宅街。
「き、気のせいか・・・。疲れてるのかな・・・」
そう思い、踵を返した。その瞬間、心臓が飛び跳ねる。体がビクッと一瞬だけ硬直した。
目の前には、ドレスのような服を着た小さな女の子が立っていた。
女の子は顔の半分を前髪で覆い、にこにこと笑っている。
「き、きみは・・・」
わたしは、早まる鼓動を鎮めながら女の子に話しかけてみる。
女の子はにこにこしながら言った。
「おいら、お前を探してたんだ!やっと見つけた!」
女の子は言いながら肩のほうへ両手を左右クロスさせてから伸ばし、そこに見える棒状のものを掴むと金属が擦れる音をたててから、2本の剣を取り出した。
わたしは、なにがなんだかわからないまま動けない。言葉も出ない。
「ウィードが時間稼ぎしているからね。とっとと終わらせちゃおう!」
女の子は笑顔のまま、わたしのもとへと飛び込んできた。
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