第6話〈炎禍ノ章〉「彼女は優しいを否定する」
枝紡ふたば。
彼女との出会いは高校の入学式。
新入生代表挨拶という大役に抜擢されていたらしく、登壇した際に彼女を初めて視認した。一言で言うと、可愛い女の子という印象を受けたのを覚えている。(それは今もなんだけど)
高校での目標を語る際の決意を秘めた目は中学卒業したての15歳とは思えないほど真剣に、そして真っ直ぐ前を見据えていた。かと思えば、高校では沢山友達を作って放課後にはハンバーガーショップなんかにも寄り道してみたいなどという今時の女子高生らしい願望を満面の笑みで言う。まさに15歳らしいあどけなさの残るその笑顔は先ほどの決意の表情とは違った魅力を醸し出し、見る者の心を掴んで離さなかった。俺もその一人だ。
彼女は一躍、学園のアイドルとなった。この場合のアイドルというのは歌を歌ったり踊ったりするアイドルではない。所謂、ファンなる者が出てきたのだ。それも男女関係無しに。なぜかサインを求められたり、なぜか握手を求められたり、彼女の周りにはなぜか人だかりができたりと、俺でも不思議に思う「なぜか」が多かった。
確かに枝紡は可愛いし、あの演説で見せたある種のカリスマ性はこの学園の教師、上級生、入学生、父兄たちに衝撃を与えたのだろう。
でも、疑問もあった。熱狂が過ぎるのだ。
可愛い子なら何人もいるし、その中には演説が得意な子だっているだろう。
もしも、枝紡ではなくその子らがあの日登壇していたらこの状況は有り得ただろうか?これは枝紡ふたばだから有り得る状況なのではないだろうかと。
枝紡は誰にだって一線を引かず、気兼ねなく接している。当然、サインだってするし握手にも応じていた。人を同等もしくはそれ以上と見ているのだろう。自分以下には絶対に見ない。そこには「平等」が垣間見える。
人は無意識にも「平等」を求めるのかもしれないなと思った。ましてやあのルックスだ。人を惹きつけ離さないのも頷ける。
だからこそ、俺は彼女の傍には近寄りがたかった。遠目で見ているだけでいいと思った。まるで太陽のような彼女は俺には眩しすぎて、熱すぎた。
きっと彼女に近づきすぎたら燃え尽きてしまうのではないかと思うほどに彼女の笑顔は輝きを放つ。
近すぎず、遠すぎず、まあそもそも会話すらしていないが、そんな関係性を望んだ。
それがアイドルとファンの距離感だろう。そう考えることにしたんだ。
俺と枝紡は同じクラスだったが本当に会話を交わすことなく一学期が終わり、色々あった夏休みが終わるとどういう訳か、栞菜が昼食時間に枝紡とともにお弁当を食べているのを目にした。それもほぼ毎日。栞菜は無邪気にも俺を誘ってくるが遠くの男子たちから刃物のような視線を感じたため、断った。その度に枝紡とは目が合い、ん?と首を傾げ見つめてくる表情に目線を逸らすことでしか逃げ道を得ることは出来なかった。
反則である、あの顔は。
俺が枝紡と話をしたのは、例の如く栞菜が立ち上げた裁縫部での一幕だ。
まず栞菜は俺を誘い、俺が躊躇している間に枝紡も誘っていて餌を撒いてきた。
「ふたばも入るみたいなんだけど」と。
枝紡をまず入部させることで俺が入るとでも思ったのか知らないが、
現に俺は入部している。
なぜか。
枝紡が俺に放った初めての言葉。
俺たちの最初の会話となる一言が俺を裁縫部への介入を止めなかったからだ。
「ねえ、式瀬くん。お裁縫って得意?私、苦手なんだ」
安定の上目使いである。頭の中では「裁縫なんてやったこともねえよっ!」と言っているつもりだったが、口では「もちろん。誰でも簡単にできるよ」と言っていた(らしい)
「じゃあ、決まりだねっ」
枝紡はそう言うと、俺の手を取り一目散に家庭科室へと連れて行った。
こうして俺は、裁縫部の一員となった。それから枝紡とはよく話すようになり結局俺が裁縫を全くできないこともすぐバレたが、「そんなのわかってたよー」と最初からそれすらもバレていたため、俺はとどのつまり枝紡ふたばという女の子に惹かれてたんだなと思った。それこそ本当に、「アイドル」的な意味で。
ちなみに枝紡は、めちゃくちゃ裁縫が上手かった。
*****
明けて金曜日。
俺は珍しくアラームが鳴る前に目を覚ました。というか殆ど寝られなかった。
原因は相変わらず枝紡の事と・・・
『おお、体の方も起きたか』
リロウスである。こいつは俺が眠りに落ちようとすると話をしようと持ちかけてくる。どうやら眠りに入るとリロウスと精神空間で会話が出来るようで面と向かって話が出来るそうなのだ。だったら昨日の朝に教えてくれよと俺が言うと、『私も初めての事だから知らなかったんだ』とすっとぼけたように言った。
改めてみるリロウスは、血まみれ傷だらけだったあの時に比べると綺麗になっていて大人の女性という印象を受けた。俺は眠たかったのだがひたすら話しかけてくるので寝かせてもらえず、夜中に何度も起きては寝て、起きては寝ての繰り返し。人が見る悪夢のメカニズムが分かったような気がした。
『で、今日はどうするのだ?』
「何が?」
『あの、女の事だ』
部屋の中で俺の独り言だけが響く。絶対に母さんには見られてはいけない、聞かれてはいけない。
「考えさせてくれ」
『考えている時間は無いのだぞ。いつイルヴァナや他の魔導師が来るか…』
分かってる。俺は叫んでいた。今のは下の階まで聞こえていたんじゃないか?
深いため息の後に深呼吸をして、落ち着くと今度は目を閉じてリロウスに語りかけるように言葉を発した。
「…時間が欲しい。枝紡は何も知らないんだ。俺だってまだ知っていることが少ない。お前らの都合と尺度で人間を図らないでくれ。頼む」
リロウスはしばらく黙ったまま何も言わなかったが、最終的には「わかった」と呟いた。何が分かったのか、そして本当に分かってくれたのか俺は聞くことはしなかった。
いつものように母さんに挨拶をして家を出ると、目の前には信じがたい光景が広がる…というか居た。
「やあ、式瀬くん。おはよ」
一旦俺は玄関に戻り、扉を閉める。母さんがまだいて「どうしたの?忘れ物?それともお母さんが恋しくなっちゃった?」とか言っているが右から左へ受け流す。
なぜだ。なぜ俺の家の前に枝紡ふたばが居るんだ…。枝紡の家は高校の反対側に位置しているはずだろ!少なくとも俺の家に途中で立ち寄るなんてことは不可能だし、そんなことしたら遠回りもいい所だ。あまりにも枝紡のことを考えすぎて幻覚を見てしまったのだろうか。これ、昨日栞菜にも同じこと思ったような気がするが…。
心配を寄せる母を背にして、俺は目を凝らしてから再び玄関を開けるとやはりそこには枝紡ふたばが居た。影もちゃんとある。決まったように首を右側に傾げどうしたの?と聞いてくる。
「いや…、なんでここに…?」
「たまには一緒に登校してみようかなとか思ってね」
理解しがたい彼女の思考についていけない…。たまにはってなんだ!そんなこと思いながら学校生活していたっていうのか!悔しいが、可愛い…。
「ま、別に深い意味なんてなんだけどさ」
ま、そうでしょうね。
「それにここからだと、栞菜ちゃんも近いみたいだし3人で登校しよっかなって」
俺と枝紡が一緒にバスに乗っていたら、栞菜はどんな顔するんだろうなという興味は沸いたがすぐさま恐ろしさが込み上げ、想像を仕舞い込むことにした。
ほらはやく!と彼女が手を引いてくる。さながらあの日のように。
高校に入って初めて、栞菜以外の女子と登校するに至った俺だった。
その後バスで合流した栞菜の表情は、爽やかすぎる、眩しすぎる笑顔だったがその目は笑っていなかったのを俺は見逃していない。
*****
「あっ、先輩、おはようございます」
靴を履き替えたところで声を掛けてきたのは鳴海だった。今日も変わらず丸眼鏡にボブ頭。カーディガンの色が青に変わっていてそれだけでも雰囲気の違った女の子に見えた。一昨日がほんわか系なら今日は控えめ系といった感じ。
「おはよう、鳴海。今朝も風紀委員会の仕事か?」
「はいです。挨拶当番です。でも少し遅れてしまったので会長にぶっ飛ばされるです・・・あっ、汚い言葉でした、すみません」
鳴海の「ぶっ飛ばされる」はどこか新鮮だった。あまり彼女の事は知らないけどいい子であることに違いない。昨日も反省文を書くのを手伝ってくれたし。
「鳴海が風紀委員だったのには驚いたよ」
「わ、わたしも先輩が裁縫部所属というのを聞いてたまげたです」
「たまげたのか」
「はいです、ひっくり返ったです」
とてもそんなことをしちゃう女の子には見えないんだけどな…。
鳴海は栞菜と枝紡にも礼儀正しく深くお辞儀をして挨拶するとそのまま校門の方へと駆けて行った。
「なになに、リク?ついに後輩に手を出したんだ~?」
にやけ顔で栞菜。俺は強めにデコピンをお見舞いした。
「あの子、鳴海ちゃんっていうの?」
お決まりの首を傾げながらに枝紡。名前ではなく苗字だと説明すると「そうなんだ」と言って鳴海が走って行った方を見た。「可愛い子だね」
「いい奴なんだよ」
それだけ言ってから鳴海から借りた本を思い出した。早く読まないとな…。
『陸斗っ』
突然、リロウスが俺の中で叫ぶ。
『気をつけろ、イルヴァナの気配を一瞬感じた』
今、いい感じで日常が進んでいたんだが…。どうもこのギャップに慣れない…。目の前には現実があり、俺の心理には魔導師が潜んでいるというこの状況はカオスである。他人から見て危険な思考であることに変わりはない。
俺はリロウスの忠告を受け止めて二人の後に続き、教室へと向かう。ちらちらと枝紡が俺の方を見てくるが、その光の無い眼を見ることは未だに躊躇してしまう。
*****
忠告を受けてしばらく気を付けていたが(今の俺が何かできるわけではないけど)授業は何事もなく進み、気がつけば放課後を迎えていて、俺はというと家庭科室で部活という名の労働に勤しんでいる。今日の俺の仕事は文化祭で使われる衣装の型番づくりである。針と糸は最初に持ったっきり触らせてもらえない。まるでラーメン屋の修行だ。一人前になるまで皿洗い。そんな気分。栞菜は言う「アンタの仕事は楽そうよね」
「楽じゃないぞ、俺の型番で全てが決まると言ってもいい」
「全てが終わるに言い換えなさい」
「じゃあやらせんなよっ!!」
「あんたそれくらいしかできないでしょ!!しかもアタシが書いたデザインに沿って切るだけじゃない!」
ひどい言われようだ。栞菜の人格スイッチはいったいどうなっているんだ。
俺はしぶしぶながらも丁寧に、ハサミを入れていく。
「式瀬くん、針に糸通せないもんね、うそつきくんだもんね」
さらに横やり。嘘をついたのは謝るが俺が意図したことではないことは信じてもらえないだろう。口走るって怖い。
型番がようやく一枚完成したころには一斉下校の時間になっていて俺たち裁縫部も片づけをする。ちなみに型番は10枚ある。終わる気がしない。栞菜のプレッシャーで指切ったし。(リロウスにも痛みが伝わるのが分かった。申し訳ないと思いながらもリロウスは怪我を瞬時に直してくれた)
「あっそうだ。アタシ、先生に夏休みの部活動申請書出さないといけないんだった」
思い出したように言う栞菜は、俺と枝紡の方を見たり、時計を見たり忙しくしている。「どうしよ…」
「行ってきなよ、片づけもすぐ終わるし、校門で待ってようか?」
「うーーん、いいよ、ふたば。リクも先帰ってて」
「本当に大丈夫か?最近物騒だって聞くぞ」
実際、物騒な現場に出くわしている俺の言葉だ。説き伏せることは出来るだろう。
「いや、大丈夫でしょ。むしろ犯人捕まえてやる」
…俺の言葉は響かなかった。ともあれ申請書の期限は今日までだったようで栞菜は堰を切ったように部室を出て行った。「また月曜日ねー!」
「あ、嵐のようだったな…」
取り残された俺と枝紡。片づけ、戸締りを終えて校門まで出る。俺と枝紡の両方の携帯に栞菜からメールが入っており、内容は「お母さんと食事に行くことになったから大丈夫だよー」というもの。
それなら安心だねと枝紡は俺が帰る道の反対の方向つまり自分の帰路を見たあと歩き出すかと思えば、俺の方に向き直る。ふわりと赤い、手入れが行き届いた髪が躍動する。「ねえ、式瀬くん」
「なんだ?」
「家まで送ってくれないかな?」
「なんでだ?」
「…話したいことがあるからさ」
どきっとした。この場合のどきっとは気持ちが悪い方だ。胃の中から何か込み上げてくるような感覚。背筋が凍りそうな感覚。リロウスが『今だ、行け!必ず行けっ!』と捲し立てている。うるさい。
「…だめかな?」
俺はもう何度目か分からない上目づかいに為す術もなくただ頷くロボットだ。
きっとそうだ。うん。
*****
「私のお家さ、すごいの」
2人、肩を並べて夕日が沈む方向へと歩く中、枝紡がとんでもない第一声から始める。
「どう言っても自慢になっちゃうみたいだから言わないようにしてるんだけどさ」
「お金持ち~とか、由緒正しき血統~とか、そんなんだろ?」
俺なりに助け船を出してみたつもりだったがどうやら当たりだったようだ。
「うん。生まれたときから運命や人生を決められているみたいな感じでね。ま、実際そうなんだけど。私、その息苦しさと生きづらさから逃げ出してる途中なの」
淡々と話す枝紡。
枝紡の家が有名なのは周知の事実だ。それが枝紡を今の格に押し上げている理由なのかもしれない。
あまり知ろうとしていなかった、彼女の家庭事情。
「ほんとはさ、高校も親が決めた国立の方を行かされる予定だったんだ」
「ならどうして藤咲に?」
「んー。歩いていける距離だからっていう理由じゃダメかな?」
いいと思う。と俺は笑った。とぼけたように言う枝紡が面白かったから。見てきたようで見ていない初めて見る彼女の表情だった。この際、本当の理由などどうでもいいんだな。
「普通がいいんだよね、私。普通の生活。それだけが手に入らなかった今までなの。だから、藤咲に行けば普通の日常が送れるかな~って」
「実際どうだったんだ?」
枝紡は少し考えた様子で夕陽の方を眺める。今日までの事を思い返しているのだろうか。
「別にね、いやじゃないんだけどね。みんなから注目されるのとかも、ちやほやされるのとかも。ただちょっと苦手な意識もあってさ…」
これも初めて見た枝紡の虚ろな表情。口角は上がっているが声も表情もどことなく寂しげでそれは自分が思っていた〈普通〉ではなかったことを物語る。
「すごく嬉しいし、学校の皆の事も大好きだし、楽しいんだけど、ね」
枝紡の言いたいことが分かってきたような気がした。
「お前さ、友達いなかったろ」
枝紡は立ち止まり、2,3歩先に出た俺を見ている。口を真一文字に結んでいたかと思ったらそれを開いた。
「…でも今は出来たよ。…二人も」
嬉しそうに言う。枝紡はずっと普通に憧れてきた。それは俺と同じで、普通の人生を歩んできた俺にとっては枝紡の人生が羨ましくも思うが、やはり普通や何気ない日常というのは得られそうで得られないものなんだ。それは当たり前にそこに存在する代わりに、失ってしまったり、見つけられない場合、永遠に手にすることは出来ない。俺はその事を身をもって体感したし、枝紡が普通を望むのも頷ける。
何気に枝紡の友達にカウントされているのは嬉しかった。
「式瀬くんや栞菜は、私に近づいてくれるんじゃなくて寄り添ってくれるから」
「俺だって枝紡のことをアイドル的に見ているぞ」
正直な気持ちを言う。友達宣言された以上、隠しているのも変だし。
「うん、そういうところ。言わなきゃわからないこともこうやって言ってくれる。そういう人が私は好きだな」
「・・・・・そうか」
再び歩き出す。俺と枝紡。もうすっかり夕陽が落ちている。青がかった空が広がり始め月が輝きを強めていく。
「式瀬くん」
「ん?」
「優しいってなんだと思う?何をどう定義するんだろ」
「お前、意外とネガティブなんだな」
「ネガティブがあるからポジティブもあるんだよね~」
優しいの定義か。確かに考えたことも無い。言葉の意味でしか使ってこなかったし。
こんなことを言わせるまでに彼女の身には何かあったのだろうか。
「私は、優しいって言葉を否定するよ。それに甘えていられないよね」
俺はしばらく何も言えなかった。きっと何か言っても今は解決できない。そう感じたから。枝紡は言う。「式瀬くんは優しすぎる」
枝紡の家の前に着いた。今まで歩いてきた道の塀はいつからか枝紡家のものだったらしくとてつもなく広大な土地だと想像に足る。
「ありがとね、遠回りさせちゃった」
「いいよ、この辺あまり来たことなかったし、それに明日は休みだし」
俺の言葉を聞いた後で枝紡はすこし俯いた様子でもじもじしだす。
薄暗かったが彼女の頬が赤くなっていくのが分かる。
「どうしたんだ?」
流石に何も言わず「んー」とか「えーと」とか言いづらそうにしているばかりだったので俺の方から聞いてみることに。枝紡は深呼吸した。
「明日さ…、私に付き合ってくれない…?」
・・・・・。
「へっ?」
「だからね、で、でーと・・・しない?」
・・・・・。
「えっ?俺と!?枝紡が!?」
「あっ、言おうと思ってたんだけど、ふたばでいいよ」
いや、今はそうじゃなくてだな…。それどころではなくてだな。
「ど、どうかな?」
多分、突然の事に俺の顔も赤くなっていることだろう。ばれないでくれ・・・。
しかしなぜ俺を誘うのか。デートなんてしたことないぞ、俺。
だが、意を決して誘ってくれた枝紡の面子のことも考えつつ、今日本当に言いたかったことはこれなのかなと多少の高揚感も持ちつつ、俺は返答をする。
「まぁ、特に予定も無かったから、どっか行くか」
「…うんっ。ありがと!!それじゃっ!!!」
…。あっという間に枝紡は巨大な門に飲まれていった。そしてあっという間に見えなくなった。一度も振り返らずに。
おいおい、待ち合わせとか決めてないだろ…。
すると、息を上がらせた枝紡が戻ってきて、電話番号が書かれた紙を渡された。
ついに電話番号をゲットした瞬間である。
「電話、して!それじゃあね!今日はありがと!!」
ひゅううぅっと風が俺の前を通り過ぎる。
しばらく枝紡を飲みこんだ門から目を離せずにいた。
「電話って、俺からしないといけないのか…」
今日も今日とて、長い一日。
そして、明日がやってくる。
「リロウスの[器]、みーーーーっけ」
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