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捲る巡る

作者: 無仁之力

僕は幸せなんだ

しあわせそうな家族たちを見ていることが




外は寒いのにぽかぽかした家族の団欒


舞う桜の花びら一枚一枚に反射する家族の話し声


夜鈴虫の鳴き声とともに響きあう家族で花火


家の隅々まで家族で大掃除




一枚一枚の思い出が重なっていく

一枚一枚の思い出が捲られていく


ぼくは知っているそのことを

届きそうで届かないということも


でもいい

家族が

その団欒が僕のことを必要としていたという事実さえあれば


僕も最後までわすれない

最後の一枚が捲られるその一瞬まで

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