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顔のない女「3」

夕闇の中を漂う人の群れ

誰もが闇を抱きながら歩いていく

瞳に映らない真実

単調な文字で説明された情報が伝える悲劇

曖昧な矛盾点が交差するように人の運命を決めていく

誰もが光を求めて生きる

でも、その光は手に触れる事なく闇に溶けていく心


様々な想いが込み上げて

無情なほど響く声は、誰にも聞こえず伝わらず

消えていく傷だらけ魂の灯火


俺は、如月と事務所の部屋に居た。

三鷹ゆいが、壮絶な死に方をしたのを知って

如月は、涙を流しながら呟く


「陽さん…これは、現実な出来事ですよね。」


「残念ながら現実だよ」


如月は、三鷹ゆいと死亡する前に話をしていて

違和感を感じているらしい

電話で話している時は、明るく笑いながら話していたという

俺は、あの状況を見てるから

どことなく如月の話を聞いているうちにある事を思い出していた。


憑き物

何かに憑かれ為に、精神バランスがとれなくなったか

または、現実的に考えて…何かの出来事に精神にショックを受けてヒステリックな性格になったのかもしれない

如月が警察に事情聴取もされないまま

茜の事務所に居る事は、何気なく違和感を感じているらしく如月は、何が起きているかを理解できないままにいるようだ。


「私、警察に事情聴取とかされないんですか?テレビドラマだと…こゆう事件が起きると関係者に事情聴取とかするの観た事あるのだけど…」


「俺にもよく分からないけど、事件性もなく自殺の可能性が高いから…おそらく自殺だと何も調査しないまま終わると思うよ…。」


「そうなんですか…陽さんどう思いますか?」


「俺にも、こんな体験始めてだから何とも言いようもないし…よく分からないだよね…どうすればいいのかを…。」


「そうなんですか…」


「如月先輩、明日俺の知り合いの霊媒師の人に相談してみるかい?」


「はい、確か…白蛇の池の村に行く時に相談した方ですよね。」


しばらくの間 如月と話をしているうちに事務所の扉が開くと茜と槇が入ってきた。


「あれ?!夕美ちゃん来てたの?」


「はい、陽さんからゆいちゃんの事を聞いて…」


茜は、如月の涙目を見ながら優しく抱き締めながら


「大丈夫、夕美ちゃんが何も悪くないんだから…」


「でも…私がもっと相談に乗ってあげてたらこんな事にならなかったじゃないかなっと思って…」


如月涙を流しながらそう呟く

茜は、如月を優しく抱き締めながら優しく微笑みかけながら


「ほら、泣かないの…大丈夫だから…」


「茜先輩、これ以上この事件に足を踏み入れない方がいいですよ」


「私は、足を踏み入れていくわよ真実を知る為に…」


茜は、真剣な表情で槇を見つめる

槇は、俺の肩を軽く触ると


「助手君、茜先輩は昔から無茶苦茶する人だから何かあれば連絡をくれないか?」


「えっ?はい!分かりました。」


槇は、名刺を俺に渡すと茜を真剣な瞳で見た。


「さっき上役の方に、茜先輩との接近を禁止されたので、一切連絡が監視状態になってしまったんで…助手君と連絡しても大丈夫だと思うんで、これから俺に連絡する時は助手君に頼んでください。」


「分かったわ槇くん…ありがとう」


「茜先輩の頼み断ると祟られそうなんで…」


「祟りはしないけど…怨むだけだから心配しなくていいわよ!!」


「どっちも嫌ですよ」


茜は、三鷹ゆいの部屋の物が入ったカバンを手に取ると机の上に置く


「三鷹ゆいさんの死因を探る前に…陽くん、夕美ちゃん、本当に知りたい秘密を?」


「私は、知りたいです。ゆいちゃんが何故死んだのかを…」


「俺も真実を知りたいです…あの異様な光景を見て、どうしても違和感を感じるんでるから…。」


俺と如月は、真剣に茜の瞳を見つめていた。

槇は、そのカバンを開けると


「俺も知りたいですよ…真実を…。」


「槇くん…。」


無言の流れていく時間

模索するように思考が駆け巡り

盲点と真実と嘘を暴くように会話は続いていく

行き先のない旅路を行く旅人のように

光のない暗闇の世界を歩き続けていく

やがて光が見えてくる世界に、どんな真実があるのだろうか?

やがて訪れる物語の結末は、誰も予想もできずに模索し続けていく事になるだろう


暗闇の世界で…。



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