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【 帰宅 】


 その日の放課後、帰り支度をしていると七塚先輩は何やら携え教室へと入って来た。

「さて、帰るわよ」

 うわぁ、何か持ってるよ

「えぇ~と、それは何ですか?」

「これ?見てわからない?」

(何だろう?見た感じ、薄っぺらく何だか手作り感がする)

「わからないですね」

 まぁ、知りたくはないけど

「しょうがないわね。これはカレンダーよ」

「はい?」

 もっと過激な物が出てくるのかと思っていたのだけれど

「……か、カレンダーですか?」

「作るのに苦労したのよ」

「なんでわざわざカレンダーを?これがとっておきですか?」

「これは普通のカレンダーとは訳が違うの。だって『桐崎君の為』に作ったのだから」

 あぁ、笑っている。笑っているよこの人

(だけど気になる。見たくないけど、カレンダーの中が凄く気になる)

 見た目は普通の日めくりカレンダーっぽいんだけど?

「じゃぁ、見せてあげる」

「普通のカレンダーじゃ?……ん?」


(なんだこれ?)


 そこには七塚先輩の字で今日の日付が書かれている、そこまではいいのだけれども日付の下には見たくないと思いたくなる事が書いてあった。なになに?『今日のお題』

 これは、どういうことなのでしょうかね?何ですかこの、本日の献立はみたいな感じは……

 ようするにこの間みたいに暇をしない様にあらかじめ、することを決めておこうと言う事でしょうか?

 しかも、ご丁寧にカレンダーは一ヶ月分。

 七塚先輩、流石にこれはどうかと思うのですが……


「どう?」

「ぃや、どうって……」

 そんなドヤ顔で言われても

「これで毎日、楽しいわね♪」

 やっぱり、そういうことか

「さっそく、今日は――」

「いやいや、僕はまだ何も……」

「なに?嫌なの?」

「嫌というか……僕の立場は?」

「立場?そんなのペットなんだから聞くまでも無いじゃない?」


(ですよねぇ……)


 わかってはいるけれど、僕が何を言ったところで話など通るはずもない。

 さっそくだが、今日のお題は……『桐崎君と買い物に行こう』

 僕は、もう少し無茶振りされるのかと思っていたのだけれど意外と普通な事が書いてあったことに安心する。

 七塚先輩と二人で買い物、これはデート?と思うのだが、そう思うのは僕だけなのだろう。


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