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ダンジョンがありふれる世界で最強の固有能力に目覚め組織を作ったら助けた子供の愛が重いんだけど  作者: アルプス


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8/11

卒業

春の空はやけに高く、校舎の屋根が少し遠く見えた。


ついに、卒業の日がやってきた。


式は静かに進んでいく。

先生の話はいつもより少し長くて、でもどこか優しかった。


これからのこと。未来のこと。

背中を押すような言葉が、教室にゆっくりと落ちていく。


やがて名前が呼ばれ、一人ずつ前に出る。

卒業証書を受け取るその一瞬だけ、世界が少しだけ重くなる。


――そして、すべてが終わった。


最後の言葉も終わり、ざわめきが広がる中、俺たちは校舎を出た。


外に出た瞬間、現実が待っていた。


校門の前にはスーツ姿のスカウトマンたち。

まるで獲物を待つ狩人みたいに並んでいる。


「卒業おめでとうございます!ぜひうちの学校へ!十分なリソースを――」


一人が俺に声をかけてくる。


迷いは、もうない。


「すいません。お断りします」


まっすぐ目を見て、はっきりと言う。


「卒業後のことは、もう決めているので」


一瞬だけ空気が止まる。

けれど、それ以上何も言わせず、その場を離れた。


少し歩いた先で、二人の姿を見つける。


「2人とも、卒業おめでとう」


「あぁ、お前もな」


剣河が軽く手を上げる。


「えぇ、貴方もおめでとう」


雷華も、いつも通りの調子で微笑む。


「ありがとう、2人とも」


短い言葉。でも、それで十分だった。


少しの沈黙のあと、俺は口を開く。


「なぁ、2人とも」


風が一瞬だけ強く吹いた。


「俺の目的は、一刻も早く強くなって、困ってる人を少しでも減らすことだ」


言葉を噛みしめるように続ける。


「そのために、いずれは組織を作りたいと思ってる」


二人の目を見る。


「だから、危険でもダンジョンに入る。強くなるために」


そして、もう一度。


「改めて言うよ」


ほんの少しだけ、息を吸う。


「――俺と一緒に来てくれるか?」


間髪入れずに、声が返ってくる。


「あぁ、当たり前だ!!」


剣河が笑う。


「えぇ、もちろん」


雷華も迷いなく頷く。


胸の奥が、じんわりと熱くなる。


「ありがとう」


静かに、でも確かに言う。


「俺は明日、探索協会に行って冒険者登録する」


二人を見る。


「2人はどうする?」


「なら俺も一緒に行くよ」


剣河が即答する。


「私も」


雷華も続く。


思わず、少し笑ってしまう。


「じゃあ、明日だな」


そう言って、その日はそれぞれの帰路についた

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