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Prosthetic War Online  作者: FURU
1章 孤高()の傭兵

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7/15

Mission5:悪巧み(?)

主人公の初期義体が判明!?

※ほぼゲームシステムの話です


 高度1万フィート手前までは、何とかドロップカプセルの残骸にしがみついていた俺であったが、いよいよ強風に煽られて敢えなく落下。

 高度1万フィート以上からの、パラシュート無しスカイダイブ。

 その結果は果たして?


ヒュゥー…ウウゥッ!

「…ぁぁあああっ!」

ズドーンッ!


 舞い上がった土煙の中、片膝と装備を持っていない側の拳を着いた三点着地─いわゆる「ヒーロー着地」を奇跡的に決めた俺。

 しかし─


『脚部に重大な損傷、ダメージコントロール適用外。

 最高速度がフルスペックの1%となります。』


 ─さすがにノーダメージな筈も無く、元より速さは捨てていたとはいえ、ただでさえ遅い速度が、まさかの100分の1にまで落ちてしまった。

 

(まぁ、落下死しなかっただけマシか。)


 大衆向けのゲームだと無い場合もあるが、採用しているゲームの多くで、「落下ダメージ」というものは最大のダメージソースとなっている。

 特に、【 prosthetic war 】以前に【 game form 】が発売した【 Dark Borne 】は「落としゲー」としてあまりにも有名だ。


「…〈チェリハーパ〉でなければ死んでいた。」


 見た目からして重装甲である〈チェリハーパ〉であるが、【 prosthetic war 】は物理エンジンがしっかりしているようで、高耐久かつ見た目に違わぬ空気抵抗の大きさにより、耐久値の半分と脚の犠牲で済んだのだ。


(てか、普通即死な高度から落下して、〈ゴリアテ〉の耐久値フルが残る〈チェリハーパ〉の頑丈さよ。)


『お見事です、マスター。

 これで緊急脱出はバッチリですね。』


 不本意ながら判明した自機の不可解なまでの頑丈さに黄昏る俺に、ツクヨミがそんな言葉を掛けてきた─


「…って、ちょい待ち!」


 ─のだが、聞き捨てならない言葉に、俺はツクヨミに事実確認を急ぐことにした。


「「緊急脱出」って、これが普通じゃ無いのか!?」


『マスター…。

 義体を安全に地表に送る為の〈ドロップカプセル〉ですよ?』


 呆れたようなツクヨミにそう言われた俺は、「そりゃそうか」と納得するとともに─


「じゃあ何であんな表示が出るんだよ!」


 ─とツクヨミにツッコミながらも、メタ的な視点でいえばあれは、【 form 】社製ゲームにはよく仕組まれている“罠”の一つである…と俺は思った。


『初回である今回は、私が十分に配慮し安全に降下可能なポイントを選択いたしましたが、今後はマスターが降下地点を選択することが可能です。

 その際マスターが選択したポイントが全て、安全に降下可能とは限らないということです。』


「あー…、なる。」


 【 prosthetic war 】はプレイヤー視点だと〈マザー〉から地球を奪還するのが主な目的であるが、〈マザー〉視点だとせっかく地球から追い出した人類による侵攻だ。

 当然重要地点─例えば〈マザー〉の本体がある場所などは防備が厚く、人類の尖兵たる義体を載んで降下してくるドロップカプセルなど、そう都合良く見逃される筈が無い。

 

 しかし地球全域に全てのドロップカプセルを撃墜出来る防空網を作るのは…理論上可能だとしても、そこはさすがにゲーム的な都合で“穴”があるのだろう。

 もちろん人類の侵攻が進むにつれ、安全に降下可能なポイントは増える…筈。


 少し話が逸れたが、〈マザー〉がドロップカプセルを素通りさせないように、人類も何とかして義体を送り込みたい。

 おそらく本来なら〈マザー〉戦で判明するような機能─ドロップカプセルからの緊急脱出コマンドを、俺はうっかり作動させてしまったというわけだ。


(いや…、これ場合によっちゃ普段から使えるぞ。)


 パッと思い浮かぶのは〈ポラリス〉での活用方法で、そこそこの高度でドロップカプセルから脱出すれば、そのまま空中戦が出来そうだ。

 とはいえ、〈ポラリス〉以外を選んだプレイヤーには落下以外の何ものでも無い。


 善の俺は掲示板で注意喚起を促そうとしたが、これを知ればスピード信者達が調子付いてしまう、と悪の俺が「待った!」をかけた。

 …それに良く考えれば〈ポラリス〉以外でも活用方法がある筈だし、それはそのまま俺のアドバンテージとなる。

 仮に俺以外が見つけたとして、それは俺以外にパラシュート無しダイビングの犠牲者が出たことに他ならないだろう。


(………よしっ、黙ってよう!)


 願わくは、犠牲者は〈チェリハーパ〉を「チェリー君」などと馬鹿にした奴であらんことを。

 ………、誰がDTだ!


『マスター、すみません。』


「ん?ツクヨミには怒って無いぞ?」


 俺が内心で掲示板の住人に憤慨していると、ツクヨミが俺に謝ってきたので、俺はツクヨミには怒っていないことを伝えた。


『それは何よりです。』


 …この切り替えの早さ、ツクヨミさんマジAI。


『では戦闘準備を、マスター。』


「…え?」


 何か話が食い違ってないデスカ?


『安全に配慮したと言いましたが、どうやら先ほどの騒音を感知されたようです。』

『ピピ!』


 ツクヨミが言い訳?のようなことを言い終えると、通知音と共に視界にマーカーが表示される。

 その四角い枠の中では、捻れた一本角を生やした?機械のウサギが1体、こちらへ向かって飛び跳ねて来ていた。


「敵かっ…!」


 見た印象からして、ファンタジー系の雑魚敵お馴染みのホーンラビット的な奴だろう。


『はい、あれは正真正銘の〈AIM〉。

 ファーストエネミー、エンカウント。』


 どんなゲームでも初戦闘は心が踊る。


「よっしゃっ…!」


 俺は気合いの声を発し、ホーンラビット(仮)に〈トルバーⅠ〉の砲口を向けるのであった。


次回、いよいよ初戦闘か…!?



いつも読んでいただきありがとうございます。


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