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 ああ、もう。お前のそれは見飽きたよ。本当に学習能力が皆無な子だねぇ。手が出ないだけマシとだけ思っておこうか。

 さて前置きが長すぎたが、話の初めに戻ろう。お前がここにいる理由だよ。

 さっき賠償金の話をしただろう? あれは婚約関係の貴族間での話だったのは気づいたかい?

 ……そうかい。ならこれも一から教えなければならないってわけかい。

 お前は五人の令息と関係を結んだ。そのうち貴族令息の四家とその婚約家四家の婚約を破断させた。そこまではいいね?

 王子には婚約者はいないが、国としての価値が落ちてしまったことで、他国への婿入りも有力貴族への婿入りもなくなった。

 幽閉は決まったものの、その損害は計り知れない。他国へ婿に入れば国として有益だったから尚更だ。

 そしてその損害は、賠償という形でお前の家に伸しかかった。

 当たり前だろう? 元々の元凶はお前なのだから。そしてそれは王家だけではないよ。令嬢たちの家も損害の賠償を求めてきた。

 お前さえいなければ、いやお前が動かなければ破断などしなかった婚約だったのだから。

 幸いというべきなのか、令息たちの家は尽く爵位返上の上、奴隷の身分へ落ちたために賠償義務はなくなってしまったが、存続していれば王家含め九家からの賠償金を迫られていただろうねぇ。

 まあ私としては、令息たちの家も賠償金を請求する権利があると思ってはいるがね。

 考えても見てくれないかい? 破談させた原因はお前でも、それを良してして自ら侍ることを選んだのは令息たちだ。

 家族に一切の責任がないとは言えないとはいえ、元を辿ればたった一人の人間によって引き起こされた。つまり令息を除いた家族たちは被害者なのだから。

 だからねぇ、その被害たちはお前に賠償させる権利はあると思っているのさ。

 まあ、考えても無駄な話だけどねぇ。

 さてここまでで、バカなお前でも理解できただろう?

 お前は婚約を破談させたために、賠償をしなければならなくなった。

 当然お前の家もその対象で、既に賠償金を払えず奴隷の身分へと落とされている。お前の家族は賠償金返済のため働き始めているらしいね。

 あとはお前の手続きが終われば、今回の騒動による賠償請求は一通り終わりということになる。

 なんだい? いまさら青い顔をして。ここがどこか知らなかったなんて言わないだろうねぇ。

 おやおや、本当に知らなかったのかい。王家も酷な事をするものだ。

 いいかい。ここは娼館。いわゆる男性の相手をする店だよ。

 でもここは最高級と名のつく店さ。ここの娼婦は教養もあり容姿も優れている。ただし訳ありの者を雇っている隠れ家的な店さ。


 そう、お前のような訳ありの者をね。






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