魔王様(ロリ)がおもてなし
魔物と人類は仲良くできないのか?
人類と仲良くなりたい130歳(外見13歳)の魔王様と、異世界召喚された勇者のギャグ。
『人類と仲良くしたい!』
そう思った、魔王のわたし。
『お菓子会をしよう!』
部下たちから色々なお菓子と、その作り方を教えてもらった。
そりゃ、人類の知っているお菓子とは違うかもしれない。見た目も、おかしいかもしれない。
でも、味覚は同じのはずだ。人類と魔物、感じる味は同じの、はず。
魔王のわたしが、がんばって作れば。
人類の国の偉い人たちに招待状を、部下の『姿の見えない魔物』に送ってもらえば。
来るはずだ。
きっと、楽しい会になるはずだ!
そう思って、わくわくしていたのに。
「ロリの作るお菓子、神に感謝します」
「なんで変な男の子1人だけなのだー!」
「失礼ですね。俺は勇者ですよ、勇者。この世界唯一の勇者。元々は高校生でしたが、召喚されちゃいまして。
うん、美味しい。神に感謝します」
ぱくぱく、と勇者の子は食べる。
何種類か、わたしはお菓子を作った。
皿は、1つだけじゃない。何個かある。それぞれ、1つの皿に1種類のお菓子。
「と言っても、男の子はないのではありませんか? 魔王様の方が年下のはずですが。そうですね、小6、かな。いや、ギリ中1。ロリ」
「わたしは130歳だ」
「130歳、わお」
「人類が短命なだけだ」
「なるほど。
けど、ロリに間違いはない」
なんだろう。ロリ、というのはよくわからないが、嫌な気持ちになる。嫌、悲しい、じゃなく、怒り。
なぜ、こんな子を召喚した…?
体も、弱そうだ。人類はただでさえ弱いのに、この子は、産まれたばかりの魔物でも余裕で殺せそうだ。
大きい訳でもないし。いや、わたしよりかは少し大きいけど、少しだけ。少しだけな?
「ああ、これはクッキーみたいなものですね。ですが、元の世界のクッキーとは少し違う。
ふむふむ、確かに、クッキーみたいだが、クッキーではない。だが、美味しい」
「なんで勇者1人だけが来たのだ」
「今は話なんていいじゃないですか。お菓子を食べましょうよ、貴女が頑張って作ったお菓子たちを。
これは、初めて見るお菓子だ。
ふむふむ、コーヒーみたいな味ですね、どちらかというと。食感は、ザクザク、かな」
「なんでお前だけなのだ!」
わたしはテーブルを強く叩く。壊さないように、力は抑えるが。
しかし、勇者は驚くことなく「ロリロリ」と言いながら食べる。
ロリってなんだろう…じゃなくて!
「わたしを殺すつもりで来たのか!? 勇者をわざわざ召喚して! それとも、そのロリにするつもりか!? ロリとは奴隷の呼び方か!?」
わたしは、人類と仲良くなりたいだけなのに! 父上が作った『魔物の国は怖い、そこに住む魔物も怖い』というのを変えたいだけなのに!
すると、勇者は微笑み、
「ロリとは、可愛い女の子のことです。
紳士よ、ロリに親切であれ。
泣き顔は可愛くない、皆悲しむだけです」
嬉しいような、もっと怒りたいような、複雑な気持ちになった。
「あなたは、絶対安全! こっちへおいで! すごい楽しいよ! 入って!と書かれている看板がある沼がいきなり現れて、どう思いますか?」
勇者が聞いてくる。
「入りたくなりますか?」
「そんなもの誰が入るか、なぜ入る。いきなり現れたのも怪しい」
しかも沼とは。
「そうですね。
魔王様のしたことは、それです」
「なんだと」
勇者は腕を組むと、
「怪しすぎるんですよ。
俺は、楽しいです。だけど、国に帰って、楽しかったといくら言っても、信じてはくれないでしょう。それくらい怪しい。
魔物は怖い。そんな印象が、俺たち人類にはあります。何もしてこない、侵略も、奪略も。でも、怖い」
父上が作ったやつか。戦いは昔からしていないらしいが。そもそも、魔物の国に戦いを仕掛けようなんて国、ある訳ないけど。差があるから、すごく。
「アナタのしようとしていることは、そういうことですよ。
簡単に変わる、とでも?」
真面目な顔で、聞かれる。
「怪しすぎる沼に簡単に入る、とでも?」
…。
「けど」
「まあ、俺は信じますけどね。
ロリコンなので」
笑顔で、勇者は言う。
「ロリコンの紳士ですから、信じます。魔王様が、世界の常識を変えること。
紳士が可愛い女の子を信じなくてどうします。
お菓子たちも愛がこもっていて、美味しいですし」
そして、勇者は再び食べはじめる。
「ロリロリ」
「その食べ方はやめない!?」
「紳士の食べ方です。
ロリロリ」
「うわあ…」
「さて、お菓子を全て食べましたし、帰りましょうか」
「本当に全部食べた…」
「紳士ですから。
ああ、おかわりはありますか? 全て食べたらまた出てくるとか」
「ないぞ」
「俺の世界には食べきったらまた出てくるという国がありましてね」
「ないぞ!」
「ふむ、残念。もっと食べたかったのですが、紳士ですから」
「もう帰れ」
「そうそう、ちなみに、俺が召喚された理由、強いからではありませんよ? 」
「は? じゃ、なぜ」
「紳士だから、かな」
「じんるいおかしい」
「そして、疑い深い。魔物よりも、ずっと」
「かもしれないけど…」
「ま。
これから、変えていってください。諦めず。平和を目指して。
魔物と人類、肩を組み楽しくお菓子会ができるような、そんな世界を目指して。
諦めなければ夢は叶う、です」
「わ、わかっている」
「そして、紳士が常識な世界に」
「絶対嫌だ、増えるなよ」
「およよよよ、ハンカチハンカチ、異世界だからないのか?」
読んでいただき、ありがとうございました。
魔王ちゃんの作ったお菓子、わくわくが止まんねえぜ!




