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魔王様(ロリ)がおもてなし

作者: ナベノヂ
掲載日:2025/10/22

魔物と人類は仲良くできないのか?


人類と仲良くなりたい130歳(外見13歳)の魔王様と、異世界召喚された勇者(ロリコン)のギャグ。

『人類と仲良くしたい!』


そう思った、魔王のわたし。

『お菓子会をしよう!』

部下たちから色々なお菓子と、その作り方を教えてもらった。

そりゃ、人類の知っているお菓子とは違うかもしれない。見た目も、おかしいかもしれない。

でも、味覚は同じのはずだ。人類と魔物、感じる味は同じの、はず。

魔王のわたしが、がんばって作れば。

人類の国の偉い人たちに招待状を、部下の『姿の見えない魔物』に送ってもらえば。

来るはずだ。


きっと、楽しい会になるはずだ!


そう思って、わくわくしていたのに。


「ロリの作るお菓子、神に感謝します」


「なんで変な男の子1人だけなのだー!」




「失礼ですね。俺は勇者ですよ、勇者。この世界唯一の勇者。元々は高校生でしたが、召喚されちゃいまして。

うん、美味しい。神に感謝します」

ぱくぱく、と勇者の子は食べる。

何種類か、わたしはお菓子を作った。

皿は、1つだけじゃない。何個かある。それぞれ、1つの皿に1種類のお菓子。

「と言っても、男の子はないのではありませんか? 魔王様の方が年下のはずですが。そうですね、小6、かな。いや、ギリ中1。ロリ」

「わたしは130歳だ」

「130歳、わお」

「人類が短命なだけだ」

「なるほど。

けど、ロリに間違いはない」

なんだろう。ロリ、というのはよくわからないが、嫌な気持ちになる。嫌、悲しい、じゃなく、怒り。


なぜ、こんな子を召喚した…?


体も、弱そうだ。人類はただでさえ弱いのに、この子は、産まれたばかりの魔物でも余裕で殺せそうだ。

大きい訳でもないし。いや、わたしよりかは少し大きいけど、少しだけ。少しだけな?

「ああ、これはクッキーみたいなものですね。ですが、元の世界のクッキーとは少し違う。

ふむふむ、確かに、クッキーみたいだが、クッキーではない。だが、美味しい」

「なんで勇者1人だけが来たのだ」

「今は話なんていいじゃないですか。お菓子を食べましょうよ、貴女が頑張って作ったお菓子たちを。

これは、初めて見るお菓子だ。

ふむふむ、コーヒーみたいな味ですね、どちらかというと。食感は、ザクザク、かな」

「なんでお前だけなのだ!」

わたしはテーブルを強く叩く。壊さないように、力は抑えるが。

しかし、勇者は驚くことなく「ロリロリ」と言いながら食べる。

ロリってなんだろう…じゃなくて!

「わたしを殺すつもりで来たのか!? 勇者をわざわざ召喚して! それとも、そのロリにするつもりか!? ロリとは奴隷の呼び方か!?」

わたしは、人類と仲良くなりたいだけなのに! 父上が作った『魔物の国は怖い、そこに住む魔物も怖い』というのを変えたいだけなのに!

すると、勇者は微笑み、


「ロリとは、可愛い女の子のことです。

紳士よ、ロリに親切であれ。

泣き顔は可愛くない、皆悲しむだけです」


嬉しいような、もっと怒りたいような、複雑な気持ちになった。


「あなたは、絶対安全! こっちへおいで! すごい楽しいよ! 入って!と書かれている看板がある沼がいきなり現れて、どう思いますか?」

勇者が聞いてくる。


「入りたくなりますか?」

「そんなもの誰が入るか、なぜ入る。いきなり現れたのも怪しい」

しかも沼とは。

「そうですね。

魔王様のしたことは、それです」

「なんだと」

勇者は腕を組むと、

「怪しすぎるんですよ。

俺は、楽しいです。だけど、国に帰って、楽しかったといくら言っても、信じてはくれないでしょう。それくらい怪しい。

魔物は怖い。そんな印象が、俺たち人類にはあります。何もしてこない、侵略も、奪略も。でも、怖い」

父上が作ったやつか。戦いは昔からしていないらしいが。そもそも、魔物の国に戦いを仕掛けようなんて国、ある訳ないけど。差があるから、すごく。

「アナタのしようとしていることは、そういうことですよ。

簡単に変わる、とでも?」

真面目な顔で、聞かれる。

「怪しすぎる沼に簡単に入る、とでも?」

…。

「けど」

「まあ、俺は信じますけどね。

ロリコンなので」

笑顔で、勇者は言う。

「ロリコンの紳士ですから、信じます。魔王様が、世界の常識を変えること。

紳士が可愛い女の子を信じなくてどうします。

お菓子たちも愛がこもっていて、美味しいですし」

そして、勇者は再び食べはじめる。

「ロリロリ」

「その食べ方はやめない!?」

「紳士の食べ方です。

ロリロリ」

「うわあ…」




「さて、お菓子を全て食べましたし、帰りましょうか」

「本当に全部食べた…」

「紳士ですから。

ああ、おかわりはありますか? 全て食べたらまた出てくるとか」

「ないぞ」

「俺の世界には食べきったらまた出てくるという国がありましてね」

「ないぞ!」

「ふむ、残念。もっと食べたかったのですが、紳士ですから」

「もう帰れ」

「そうそう、ちなみに、俺が召喚された理由、強いからではありませんよ? 」

「は? じゃ、なぜ」

「紳士だから、かな」

「じんるいおかしい」

「そして、疑い深い。魔物よりも、ずっと」

「かもしれないけど…」

「ま。

これから、変えていってください。諦めず。平和を目指して。

魔物と人類、肩を組み楽しくお菓子会ができるような、そんな世界を目指して。

諦めなければ夢は叶う、です」

「わ、わかっている」

「そして、紳士が常識な世界に」

「絶対嫌だ、増えるなよ」

「およよよよ、ハンカチハンカチ、異世界だからないのか?」



読んでいただき、ありがとうございました。


魔王ちゃんの作ったお菓子、わくわくが止まんねえぜ!

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