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最果ての先で~異星間武勇伝~  作者: 団栗山 玄狐
第五章 消えた銀河雲系
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act88 急襲再び、お前が言うか?



研修1週間後、本来の研修生たちは順調そのもの。

適正により異動等は何件かあるがそれでも大きな問題もなく進んでいた。


件の問題児たちは、乗り心地最強?の練習機でボロボロになっていた。

だが・・・・それでも元気な奴はいた。


出来ればその無駄な元気が擦り切れてくれれば助かったのだが、・・・・・・できなんだ。


いや、出来かけていたのだ。つい先日まで。

息を吹き返すネタが発生した。


ノンドゥの新型が現れたという一報が入ったのだ。

もちろん、その知らせはオレたちの所にも届いた。


辺境軍でもその対策を考えてほしい、とのことだ。

実際、その対策はすでに提案済みであり、現在進行形である。


ちなみにそれが、GTXMT-001 アルテキューズと新造戦艦 月弓つくゆみだ。

運用方法も今までとは異なるので検討しないといけないのだが、それは戦略情報室に丸投げだ。


さて、話はそれたが息を吹き返した問題児がオレの執務室に乗り込んで来た。


シリウス星系第七惑星 白きともしび星軍の問題児であるノーグ・コチイハ准尉。

貴族であり典型的な差別主義者。


ヘロヘロなのに無理してなだれ込んできた。

無理せんでもいいのに、無駄に頑張り屋さんだ。


その熱意を別の方向に向けて謙虚にできんもんか、と考えてしまう。


「篠森一佐、今すぐ奴らの新型を駆逐するための方法を教えたまえ。」

とオレが仕事をしている机に両掌を叩きつけて来た。


「勝手に入ってきてえらい言い方だな、ノーグ・コチイハ准尉。

前回も言ったのだが、私は君の上司に当たる。理解できていないのか。」

と冷ややかな視線を送る。


「そんな些細なことを言っている場合ではない。火急なのだ、早く教えたまえ。」

オレの嫌味も聞いていないらしく彼の口調は変わらない。

学習しないのか、それともできないのか。

失敗から学んでほしい所だ。


「もう一度言う。私は君の部下ではないし、君の貴族階級などここでは無意味だ。

再び言うぞ、私は君の上司に当たる。君の命令に従う必要性はない。」

バッサリと切り捨てる。


ここで二度言った。

これは警告だ、さすがにこれに気づかないほどのバカではないだろう。


「だから、そんな些細なことなど知らん。貴様ら平民は貴族である私に奉仕するためだけの存在なのだ。

キミこそ理解したまえ!」


馬鹿?莫迦?バカ?


どうして、聞く耳を持っていない?


理解できない?


頭にカビが生えてるの?理解できないの?

こっちは結構丁寧に教えてきたつもりだけど

未だになぜに上から目線?


やっぱり、シバいとくか?

この脳みそお花畑身勝手野郎が・・・・。


オレは、頭を抱えてしまった。

なのでオレは警報を鳴らした。


これでオレの執務室に辺境軍に警備隊がやってくる。

一応オレは一佐である。


アニメとかで使われる階級でわかりやすく言えば大佐だ。

赤くないし、3倍速いわけでもないが・・重要ポストでもある。


なのにこいつは理解できていない。

しかもこいつの上司に問題を起こせばこちらで対処してもいいと言われている。

本人にも伝えたのに都合の悪いことは忘れるタイプなのか?

理解できん。


そこに警備隊が6名なだれ込んできた。

「篠森一佐、ご無事ですか?」

警備隊の一人が訊ねて来た。


「君たち失礼だな。私の話の邪魔をするなど、貴族である私に対する不敬に値するぞ!」

ノーグ・コチイハ准尉は未だに偉そうである。


「このバカをしばらく、独房に入れといてくれるか。

ちなみにこいつ准尉だから、大丈夫。気にしなくていい。」

とオレが言うと

警備隊は安心したらしく

ノーグ・コチイハ准尉を取り押さえる。


もちろん、こいつは高圧的な態度と言分で抵抗する。

実力は大したことがないが・・・学習してくれよ(涙)



そして、警備隊の一人が確認してくる。

「本当に大丈夫ですか?こいつ貴族とか言ってましたが・・・」


「大丈夫だよ、こいつの軍の上司である将軍から許可が出てる。問題ない、ぶち込んでくれ。」


「なるほど、了解しました。連れて行きます。」

と言うと警備隊が馬鹿を連れて執務室を出る。


その際いろいろと喚いていたが知らん。

と言うか、いい加減学習してほしい所だ。


無駄に疲れる。


そこに資料を抱えたレクリアル・クレード准尉が入ってきた。

「またですか。」

引きずれれていくノーグ・コチイハ准尉を見て呆れ気味に言う。


「そんなんだよ。話を聞かない聞かん坊だ。あいつのプライドの元を引きはがしてやりたくなる。」

オレは頬杖をつく。


「そうなると、奴はウチの部隊に配属ですか。」

と申し訳なさそうな顔を浮かべてきた。

自分がそうだったからだろう。


でも今は立派に更生しているのだから問題ない。

アレがこの子みたいになるとは思えない。


配属は断ろうと思います、さすがに疲れます。


「その可能性は考えてなかったな。お前さんのように頼れる人間に更生してくれるならいいんだが・・・・

オレの勘だがアレは無理だ。根本的に聞かん坊だ、もし押し付けられても断るつもりだ。」


「そうですか、それよりも異動してくるメンバーの情報が届きました。」

と言いながらオレに情報メモリを手渡してきた。


「意外と遅かったな。」

とオレは情報メモリを端末につないだ。


「まあ、この頃ゴタゴタ続きですからね。皆さん手が回らないんですよ。」

と答えて来た。


「ほんと、お前いい子になったな。おじさんはうれしいよ。」

と言って目頭を押さえる。


「突然、親戚のおじさんにならないでくださいよ。」


「いいじゃないか、こんな掛け合いできるなんて嬉しいしな。

それにそれだけ信頼できるとオレは思ってんだけど、ダメか?」


「いや、ダメではないですが・・・早めに仕事終わらせないと斃れますよ。」


「そうなんだけどさ、仕事が次から次に来るからな。片付けんと終わらん。」


「もっと他のメンバーに振ってはどうですか。」

と呆れ気味に言われた。


「これでも半分はみんなに丸投げしてんだけどね。」


「これで半分ですか!えらい量ですね。」


「これもゴタゴタの影響だよ、仕方がない。

司令たちの仕事も少し回ってきてるからな。人手不足極まれりだよ。

でもな、今回の研修生たちの中には幹部候補も混じってるからな。」


「そうなんですか、そんな事までするんですか?ウチの部隊?」


「山木司令からの依頼だよ。200人中40名ほどは、幹部候補生になってる。

これは、ウチの副長はみんな知ってるからな。君らに話しても問題ない。」

オレは渡された資料見ながら答える。


「じゃあ、ウチの部隊に実際配属される人間ってどうなるんですか?」

と疑問を投げかけて来た。


ごもっともだと思う。

整備班や船の搭乗員にほとんど取られる中、大体残るのは40名ほど。

それがすべて幹部候補生だと、ウチの部隊に配属される人間がいないことになる。


「そこで、だ。お前さんが持ってきた資料が効果を出す。」

とオレが言うと


「じゃあ、その情報がウチの部隊に移動してくるメンバーの情報になるんですか。」

いい反応だ。


「そうなるね、なかなかな曲者ぞろいだけど大丈夫だろ。

もともとウチも曲者ぞろいだし・・・」

と気楽なことを行くと、


大きくため息をつき、

「端山小隊長が泣きそうなお言葉ですね。ほんと同情します。」

苦虫をかみつぶしたような顔でオレを見て来た。


しかたないでしょ、たとえ奇人変人でもいい。

そう呼ばれる人種は、ただ周りに理解されないだけで有能な人間が多い。


それは、その人間の能力に周囲がついていけてないだけだ。

でもそいつらを認めてやれば・・・どうなるかなんてわかるでしょうが。


「そういうなよ、今度来た連中がものになればウチの人手不足は大いに解消するよ。」


「なんか、もう隊長って将補クラスですよね。考え方が・・・」

とレクリアル・クレード准尉が不吉なことを言う。


「言うな、結構気にしてんだから。」

オレは耳をふさぐ。


「もう理解されてるじゃないですか。それが嫌ならデネブの貴族にでもなりますか?この間スカウトされていたでしょう。」


「それも嫌だ。貴族何て肩こりそうで。」


「じゃあ、辺境軍での出世コースまっしぐらですね。」

やめて、考えないようにしてきたのに。

どこぞのペッフードのキャッチコピーみたいに言わないで。


ねこまっしぐら、みたいな。


「それも嫌だ。オレはゆるゆるとしていたいんだ。」


「でも戦争終わらせたいんですよね。」


「そうだ、こんな殺伐とした状況なんて耐えられないからな。

オタクとしては十二分にプラモとロボアニメに浸りたい。」


「なら隊長が取れる道筋なんて限られてるじゃないですか。

出世コースまっしぐらか、どこぞの星系の貴族になるか、の二択ですね。」

ともうオレに選択肢がないことを告げる。








わかってはいたよ、確かにそうなるよな。









あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、










自覚したくなかったのに、なぜゆえに。

身内からクリティカルヒットがさく裂!!









よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。









オレにとっての一番効果的な口撃を食らってしまった。


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