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最果ての先で~異星間武勇伝~  作者: 団栗山 玄狐
第二章 回想編01 異邦の地、暗雲なり
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act25 回想編17 身勝手に与えられるもの



「こちら旗艦レカツカ。現在戦闘中の各機及び各貴艦に緊急連絡。

 本艦に対しX9-3379-01より電子攻撃が行われ、現状の戦線の維持が不可能となった。

 X9-3379-01からの敵対行動とみなし、これよりX9-3379-01の味方識別コードを破棄し、

 サポート行動の停止を行った。

 これから艦隊による一斉射撃を行う。射線上より各機退避し

 一斉射撃後に指定時間内に指定ポイントから退却するように命令する。

 その後ヘクトネットを展開、奴らを足止めしている間に全機戦艦に帰還後撤退。

 その後、敵対者と敵勢力をコロナポイント弾で殲滅する。繰り返す・・・」


という内容の連絡が旗艦レカツカのオペレーターから伝えられた。要は撤退しろってことか。

それにしてもあいつは、ところかまわずケンカを売り過ぎだ。

身勝手で自己中にもほどがある。


まるで自分以外はすべて自分のためにいるみたいな行動と言動だ。

今まではごまかしが通用していた。

でもこれはだめだ。度を越えている。


戦艦、それも旗艦にケンカ売った。

正確には敵対行動だ。それに対する命令だ。


今はいろいろ考えている場合じゃない。

まず、撤退だ。

指定時間内に指定ポイントを超えないといけないようだ。

何かをするつもりらしいが何をするのかわからない。


「ねえ、どうなってんの。変な警報が鳴ってシステムの再起動後にこの連絡って」

不安そうな声でリオが通信をしてきた。


確かにその通りだ。だが今は時間がない。

「とにかく一斉射撃後に急いで撤退することに集中しよう。

 指定ポイントからの逃げることができないとさらに面倒になるかもしれない。

 今は命令を確実に実行しよう。いいか」


「うん、わかった。」

リオは、納得できていないという感じで返事をしてきた。


わかるが何分時間がない。

とにかく今は三十六計逃げるに限る。


オレは、迫りくる敵機をかわしながら又は撃墜しながらその時を待つ。

その時、少し油断したのだ。右上のデブリシェルに敵機が激突しシールドが崩壊した。

すぐに再構築を開始したのだがその後、自分の機体がうまく動かせなかった。

まっすぐ進んでいても斜めに移動していたのだ。

何事かと思たのだが原因はすぐにわかった。


デブリシェルを再構築する際、まだ完全に停止していなかった敵機を取り込んでしまったのだ。

だが、その敵機も変な動きをしていたオレの機体に突っ込んできた別の機体に突撃され完全停止した。


少し慌てたが、何とかなった。このまま変な動きのまま撤退できるか不安だったのだがもう大丈夫だろう。

まったく何がどうなってるのか。

と、悩んでいると艦隊による一斉射撃が始まった。

これにより敵機が撃墜されていく。

その後、味方機の撤退が始まる。


ちなみにあのアホの状況はわからない。

実際それどころではないからだ。

みんながみんな指定ポイントからの脱出で手一杯だからだ。もちろんオレにも余裕がない。


指定ポイントの最終地点に何か大きいものが設置されていることがわかる。それも大量に。

つまりこのポイント通過できればひとまず安心ということになるのかなと思った。

通過後、オレはチームメイトの安否確認をする。


X9-3379-01は味方識別を削除されているのでわからん。

02は撃墜されたようだ。他の機体の確認を急ぐ。

03、05、06の機体マーカーを確認できた。しかも指定ポイントの最終地点を通過している。

胸をなでおろす。


しばらくして、

指定ポイントの最終地点に設置されていた何か大きいものから光の線が出る。

それは、いくつも重なり大きな光の網と化す。

つまりこれで敵勢力を抑え込もうということだろう。


でもこれだけでは意味がない。いずれ突破されてしまうからだ。

オレがそんなことを考えながら戦艦しまかぜに帰還するとオレは急いで食堂に向かう。

そこは、唯一窓があり宙域を見ることができるからだ。


オレが食堂についた時にことは起こった。

旗艦レカツカから二発ほどミサイルが発射され、しばらくしてまぶしい光が今までいた宙域を染め上げる。

あまりのまぶしさに目を背ける。

その後、爆音と衝撃が戦艦まで届く。


光が収まってもう一度宙域を見るとそこには雷の嵐が起きているのが遠目にもわかる。

見る限りあそこに行くことはできないだろうと理解できた。

近くに行ってもあの雷に機体が粉々にされると思ったからだ。


オレは、ほっとしていた。

初陣は終了した。生き残れたのだ。

それと同時に自分無力感にも苛まれていた。


みんなで生き残るために必死に考えた。でも、できなかった。


正確にはたすけることができなかった。

わかっていいる。そんな状況じゃなかった。


それにわかっていたこの考えが思い上がりだってことは。


でも、理屈じゃない。


自分ができることには限界がある。それもわかっている。

理解できている。考えがあまいのもわかる。


甘かったのだ。何もかも。


時には割り切ることも必要なのだ。わかっているわかっているのだ。

これは仕方がなかったのだと、オレは自分に言い聞かせながら今までいた宙域を見つめていた。

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