表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

ロボットの少女と

「誰、ですか?」


その少女は、驚いた表情で界を見る。


「あ、俺は乃波羅 界。こんなとこに人間がいるなんて信じられないんだけど……。どうしてこんなとこにいるんだ?」


界は自己紹介した後、どうしてここにいるのかを訊いてみた。

こんなところにいるはずもない『人』がいるのだ。奇妙で仕方がない。


だがその答えは、界の予想を超えるものだった。


「私は、このデパートの整備、管理を任されているAIロボット、ユウナです。なので、人間ではありません」


「AIロボット、なのか。俺、見たことなかったな。こんなに人間に近いのか。どうやってできているかが気になる……」


「私のような種類のロボットの皮膚は、本物の人間の細胞をもとに形成されているので、より人に近く見えるのです」


「すごいな。全然知らなかった……。じゃあお前……じゃなくユウナさんは、ずっとここに居るのか? ロボットって電力とかいると思うけど、そっちのほうは大丈夫なのか? いま電気は通ってないはずだけど……」


「私は発条(ぜんまい)で、動いているんです。戻り終わりそうな時に、自分で発条を巻くんです。だから私は、今もこうして動いているんです」


ユウナは、ここです、と発条を見せてくる。今も少しずつ戻っているようだ。

界が感心していると、ユウナは突然何かを思い出したかのように、界に質問してきた。



「ところで、どうして貴方はこんなところに、いらしているのですか? もしや、このデパートに、いらしてくれたのですか?」


「いや、俺はここに来たというかなんというか……」


デパートにいたのかと訊かれて、どうこたえようか迷う。

ここに来たというのはあながち間違いではないが、買い物をしに来たわけではないので、反応が難しい。

どうしようか界が慌てていると、ユウナは少し考える素振りを見せてから、話し始めた。


「――…これは私の想像なのですが、もしやここで夜明けを待とうとされたのではないでしょうか?」


「そう、だけど……。なんで、わかったんだ? やっぱり、そういうのはダメだとかか?」


「そうではありません。ただ、今の外はとても人が住めるようなところではないので。ここなら、一晩くらいは過ごせますし」


「……ダメじゃないのか。じゃあ、ここで泊まらせてもらう。俺は入り口付近で寝てるから」


界はそれだけ告げて、すぐにそこから離れた。

今ここがどうして綺麗に整理されているかが分かったので、もうユウナと話す必要もない。どうして外がどうなっているのか知っているのに、未だ整理し続けるのか、そこは謎のままだが、特に必要のない考えだと界は思い、そのまま入り口付近へ向かった。


向かう途中、ユウナのことを思い出しながら、界はつぶやく。



「あの顔、幸せそうでイライラする……」

ここまでお読みいただきありがとうございました! 誤字脱字があったら教えていただけると嬉しいです! アドバイスや感想も送って下さったら幸いです! 次回も読んでいただけるともっと嬉しいです!(≧▽≦)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 段落つけた方が読みやすいと思うので、そこのところを気にした方がいいと思います。 あと「発条」は、ルビふった方がいいと思います。 [一言] 時間をかけて、ゆっくり読ませてもらいます。 こ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ