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再会のベルが鳴る

そうやってしどろもどろしている間にも、時は進んでいる。

ユウナが、デパートに向かって歩いていった。


「ユウナさん!」


とにかく今は止めなくちゃと、めいいっぱいの大声で叫んだ。

するとこちらに気付いたのか、ユウナが界の方を向く。

そして、憂いを孕んだ笑みを向け、もう一度前を向いて進みだした。


でも、この音量ならユウナさんに届くのか!


界は決心する。この思いを、届かせることを。そんなもので止まってくれるかなんて保証はない。でも、少しでも可能性があるのなら、言おうと界は思う。

大きく息を吸い、さっき以上の声で叫んだ。


「ユウナさん! 俺もユウナさんが好きだ! さっきの好きとは違う! 本当の『好き』だ! だから、だから戻ってきてくれ!」


最後の頼みの綱。届いてくれと、戻ってきてくれと、そればかりを願う。

恐る恐るユウナに目を向ける界。その視線先には――






――この数日間、見たことないほどの笑顔があった。



界に向かって一歩ずつ歩いてくるユウナ。

その時間が、とても長く感じられる。

そして、ユウナは界のもとにたどり着き、笑顔で言った。


「ありがとうございます!」


「こちらこそ、ありがとう」


「で、でも界さん……。今のは、本当の気持ちなのでしょうか」


少し頬を赤らめるユウナ。今はもうその姿こそ、愛おしく思えてくる。


「ああ、本当だ。今の気持ちに、偽りはない。気づいてなかっただけだったんだよ」


その時――ドカン! と音を立てながら、デパートが全て、崩れ落ちた。


「ユウアちゃん……」


悲しそうな表情で、ユウナはその光景を見ている。ユウアという名前は、界にも聞き覚えのある名前だった。確か、地下の方を管理していた子。ユウナが最初に壊してしまった子。そしてユウナの大切な、友の名前。


界はずっと、ユウナを見ていた。涙がにじんだような、その顔を。

どうすればいいかなんてわからない。寄りそい方なんてわからない。

それでも界は、できる限りのことをしようと思った。


「ねえ、ユウナさん。俺はそのユウアって子を知らないから、こんなことが言えるのかもしれない。でも、聞いてほしい」


「なんでしょうか、界さん」


「壊れてしまったものは、もう二度と戻らない。それはロボットでも人間でも同じこと。それは誰かが悪いわけでも、誰が良いわけでもない。悔やんだって、恨んだって、何も始まらないのなら、また目先に新しく増えた幸せを、取りに行ってもいいんじゃないか? そのユウアって子も、ユウナさんに幸せになってほしいと思ってるはずだ。それともユウアって子は、ユウナさんをそんな風に苦しめたり恨んだりする子だったのか?」


こんなことを言っても、自分のエゴだと界は思っている。それは、きれい事だと。

界の言葉を聞いたユウナは、少し柔らだ表情になった。どう転ぶか分からなかったので、心なしかとても嬉しく感じる。


「そうかもしれませんね。曇り空が、晴れ空になった気分です」


「それならよかった」

ここまでお読みいただきありがとうございました! 誤字脱字があったら教えていただけると嬉しいです! アドバイスや感想も送って下さったら幸いです! 次回も読んでいただけるともっと嬉しいです! 次回最終話! アンドとっても短いです!(≧▽≦)

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