異文化交流
だいぶ此処での暮らしにも慣れてきた。毎日木を切ってロンと遊んでライムさんと勉強をして、後は暗くなるまで村や近辺の探索。此処はとても居心地が良いが、そろそろ次へ行かねばならないだろう。目的を達成させないと……。
「ふふ、顔が怖くなってますよぉ、客人さぁん」
「む。すまん。ちょっと……な」
正面でお茶を飲むライムさんがからかう様に言う。ライムさんとこうしてお茶を飲むのも後数回なんだろう。そう考えると、寂しさが来てしまう。が、
「……そろそろ、飲める茶を淹れてくれないか。こうも薬
が仕込まれていると……な」
お茶やお菓子、食べ物にまで得体の知れない薬を仕込まれては何も飲み食い出来ない。とても困る。この癖さえ無ければ本当に……いや、野暮な事は思わないでおこう。
「ふふふぅ~今日のお薬は痺れ薬だったんですよぉ~残念ですぅ」
「ライムさんは全く……此処を出て行くにしても、また来ますよ。信じられないなら、それで良いけどな」
ライムさんは俺の言葉を聞くと、少し目を見開いて、懐かしそうに微笑むと、「嘘ついたら優しい人リストにインしちゃいますからぁ」と、苦しそうに微笑んだ。きっと過去に何かあったんだろうな。俺が介入すべき事ではないけど。