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冒険記  作者: あるむ
13/23

子天使族

と、いう訳で子天使族の里、である。あの後の事は筆舌に尽くし難く、もう言うのを憚られる程である。

「イヤな……事件でしたねぇ」

「そうだな……」

子天使族の居る場所へ続く洞窟を、リクと俺とライムさんとロン様で歩いていた。洞窟は恐ろしいくらいに冷たく、薄暗い。今にも幽霊が出そうな雰囲気だ。まあ適当に進むか、という空気の中進んでいると、突然目の前が真っ白になり、意識が遠退いた。



「…き……ださ……起きて……」

「……おぉうおはようございますこんにちは」

デジャブを感じる起き方である。目の前には空のように青い瞳を持ち、キラキラと輝く金色の巻き毛を一つに纏めている。服は全体的に白く、中性的な顔立ちだ。

「わぁ、おはようございます人間さん。あなたで最後ですよ」

子天使族の方と思われる相手に手を差し出されて起き上がると、普通に元気そうなライムさんとロンさまとリクが、子天使族の方々とお茶をしていた。

「まじか……」

ちょっと損した気分になった。


子天使族の人々はとても温厚で臆病な性質らしい。今まで巡って来たどんな場所より俺たちに優しい。とても浄化される。

「……ほう。色々あったんですね」

俺を起こしてくれたシンネリアシュネッヒンさんこと、シンさんと俺たちは対話を楽しんでいた。シンさんは見た目こそ幼いものの悪魔討伐隊の隊長をしており、一人前の子天使族だ。

「そうなんですよ……っと、ここいらで本題に入っても?」

もっとシンさんと話したい気持ちしかないが、そろそろライムさんとロンさまを薔薇族の元に送り届けなければ。

「ええ、勿論。私に出来る事であれば」

「……薔薇族の住む森に、この獣人親子が住み移りたいらしいんだ。案内して欲しい」

シンさんの言葉が止まった。

「あのぅ……ダメなら、大丈夫なのでぇ……あのぅ……」

チキンのライムさんはロン君の手を握り、おずおずとした様子で熟考しているシンさんに言った。

「…………いや、ダメではないです。ただ、一つだけ。守って欲しい条件があるのです」

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