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最後は私の側にいて  作者: 15me
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6話 空園ビル



空園(そらその)ビルの中に入った、

大きなホールのようなフロントだ、

天井には星空の中を走る電車の絵が描かれている。



自分が知っていた頃の田舎町から

見違えるような発展に思わず唸る、



「すごいなぁ、立派なビルだ」



「この街で1番大きくて有名な建物だからね、

って悠人、空園ビルも知らないって

言ってたってことはきっと、

旧人類の人たちも知らないんだよね…。」



「旧人類の人たち?」



「やっぱり、

旧人類の人たちが天井電車で現れて、

最初に降り立ったのがこの駅なの。」



「な、なるほど…?」



急展開すぎる話に頭がついて行かない。



光莉が話を続ける、


「しかも、驚くなかれ、この空園ビル、

旧人類の人たちが3ヶ月で建てたの、」



「さ、3ヶ月?どんな技術だよ…。」



「ね、私達も彼らが来て半年くらいだから

まだ完全にはよくわかってないんだよね」



「半年…、そんな期間とは思えない

適応っぷりだね」



「旧人類を名乗るくらいだから、

きっとこの世界のことわかってたのかもね」



やっぱり、僕が生きてた世界と

似てるようで、実は全然関係ない

異世界にでも飛ばされてしまったのだろうか…。



そんなことをふと考えたが

いますぐ答えが出るわけでもない。



「なぁ光莉?」


「なに悠人?」


「ちょっとトイレ行ってくる。」


「えー、早くしてよね、

あーでも私も行っておこうかな。

じゃあ、またここで集合ね」



「わかった〜」






×××××××××××××××





用を足しながら考える、



あの時自分が死んだことは間違いない、

つまり、あの世界に戻る方法はない、

まぁ戻りたいとも戻る理由もないけど、



だったらこのいま幸せな状況を

受け入れて幸せに生きることが

自分にとっての最善なのではないのか?



記憶が戻るかはわからない、

そもそも記憶喪失というより

今まで生きていたことは覚えてるのに

別の人生を生きてる自分がいる、

でも光莉は自分のためにこんなに

色んなことをしてくれる。



いま思うこと光莉を悲しませたくない。

失いたくない、もうあんな思いは…。



何が2人にとって1番良いことかを考える。





×××××××××××××××





集合場所に戻ると光莉が俯いて座り込んでいる。



「どうした?大丈夫?」


光莉が顔を上げると、

大きな瞳に涙がたまっている、

溢れた涙が頬をつたって、

スカートを濡らしている。



「………っ!?」



僕は驚きのあまり一瞬言葉に詰まる、



「何があった!?」



服の袖で涙を拭って光莉は応える、



「何でもないよ、気にしないで」


「なんでもないことないだろ、ちゃんと答えて」


「ごめんね、悠人。」


「何で謝るの?」



光莉は少し黙って応える。



「私、悠人に嘘つきたくない、正直にありたい、

だから、いまは待って、

いまはただ、悠人と2人した約束を叶えたい。」



涙はまだ止まらず、

その瞳から流れ続けている。



でも真っ直ぐその瞳が僕見つめて訴えている。



「わかった、信じるよ」



僕は言葉を続ける。



「じゃあ、行こうか、

涙はしばらくは止まらないでしょう?

いつも光莉は泣いたらすぐに泣き止まないからね」



「「えっ」」



その言葉に僕も光莉も驚く。


「思い出したの!?」



「いや…、俺も驚いてる。

何でそんな言葉が出たのか、

そのことを知ってるのかも

よくわからない、でもなんか覚えてる、

少し思い出した…?のかな?」



「すごい!思い出してきたんだ!

嬉しい!この調子でどんどん思い出そう!」



戸惑う僕に対して光莉は

すごく嬉しそうだ、

わかりやすいくらい身体の揺れているのが可愛らしい。



でも記憶が混同してる…?

いままでの悠人の記憶が僕の中に?

いくら考えても推測の範囲を抜けない。



光莉が小さく飛び跳ねながら

僕の袖を掴む。



「早く行こう!また思い出せるかもしれない!」



「そうだね、行こう」



パーソナルクロークの方はこちら

と書かれた看板の方へ向かう、





×××××××××××××××





パーソナルクローク用と書かれた

エレベーターは自動運転となっていて

しばらくすると勝手にドアが開き、

押した階だけ止まるようだ、



エレベーターのドアが開く、



記憶が少し戻ったことが相当嬉しかったようで

光莉は少し鼻歌交じりだ。

繋いでいた手もいつの間にか肩を触れ合いながら

一緒に歩く距離にいる。



「このエレベーターの1番上の階は…280階だね。」



「280!?ブルジュハリファより全然高いじゃん…」



「まぁ…、旧人類の人たち様々ってことだね。

空壺駅は310階だからもっと上だね。」



「本当に30階分の階段を登るのか…。」



「ねー、私も、最初はまさかなって思ってた、

でもきっと話しながら登っちゃえばすぐだよ!

頑張ろう?」



「そうだね、諦める気なんてさらさらないよ、

流星群に天の川なんてきっとすごい景色だろうな」



「悠人が見たがってる景色、私も早く見たいな」



そうこう話してる間にエレベーターのドアが開いた。




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