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最後は私の側にいて  作者: 15me
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5話 名前を呼んで




大きな、大きなビルがある、

窓から見える景色とは方向が違っていたせいか、

こんなビルがあることすら知らなかった、



「やっと空園(そらその)ビルに着いた!

ここの1番上に空壺(そらつぼ)駅があるの

まぁここからが長いんだけどね…。」



「この1番上…?流石にエレベーターとか

あるでしょ…?階段だとしたら

誰も登らない気がするような高さだけど…?」



「エレベーターはあるよ、

でも確か最上階までのエレベーターは

パーソナルクローク(personal cloak)なしじゃないと行けないから、

無理だと思うよ、

パーソナルクロークありで1番高いところまで

行けるエレベーターでもそこから

30階は階段かな…。」



そこでやっと僕は思い出す。



「そうだよ!ここまで誰ともすれ違わないどころか、

病院の中でさえ出会わなかったのは

やっぱりパーソナルクロークだったのか!」






×××××××××××××××



パーソナルクローク(personal cloak)は

悠人が生きた時代の最大の発明であり、

最優の発明であり最悪の発明でもある。



これを使うと

自分が選んだ人しか自分を認識出来なくなる、

つまり完全にプライバシーが守られる。

しかも認識出来なくなった人に

触れることが出来なくなる。



しかし、このパーソナルクロークを

めぐって社会問題となった、

認識されないのだから

盗みし放題、犯罪し放題

などが問題となった、



今では買い物する場所はもちろん娯楽施設や

公共の場では使用出来なくなる、

もしくは使用制限の装置が設置され

この諸問題は解決された。



学校や会社などでは使用が禁止されてる。

さらに基本的に認識出来なくなる相手に

家族は選べないようになっている。



大半の人間は友達だけが認識出来るモードと

恋人と家族だけが認識出来るモードを

使い分けていた。




×××××××××××××××






「まさかなぁ…。

パーソナルクロークがまだあったとは…、

流行り廃りのレベルで、

とっくになくなったものと…。」



光莉が呆れた顔で言う。



「こんな便利な文明の利器が

簡単になくなるわけないじゃない。

どんな記憶が残ってたら

そんな台詞が出てくるの。」



そんなことを言いながらも

さりげなく僕をビルの中へ

エスコートしながら進んで行く。




「星見線のクローク制限は

認識したもの以外の接触不可だから

流星群と天の川見るだけなら全然問題ないよ」



「そっか、それならよかった、

いまさら誰かに会うの少し怖いし

知ってる人がいても困る」



「大変だと思うけど頑張ろう!

頑張った後に見る星を想像するだけで

ワクワクしてくる!」



「そうだね、僕が光莉と見たかった星空、

見てみたいな」



そういうと光莉が驚いた顔でこっちを見る、



「いま、私の名前で呼んだ?

光莉っていった?」



「え、言ったけど…。

ごめん、気悪くした?」



「もう一回いって」



「ごめん、気わる」


「そっちじゃない。名前呼んで」



「光莉」


「もう一回」


「光莉」


「もう一回」


「光莉!」


「もう一回!」


「もういいでしょ!」


「ダメ、もう一回だけ」



光莉の大きな目がこちらを見つめている。

僕も負けじと見つめ返す。



「光莉。」


「ありがとう悠人、あのね…。」


「…………?」




「やっぱりまた後で!一緒に

流星群見た時にとっておく!」


「何だよそれ〜、気になるじゃんー。」


「後で絶対言うから、楽しみにしてて。」


「わかった、楽しみに待ってる。」



光莉がニコニコと笑う、



「ほら、行こう。

空園ビルの中綺麗だよ、

あの綺麗なフロント見たら思い出すかも。」



手招く光莉に導かれて僕は

空園ビルの中へ向かう。




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