24話 手を繋ぐこと
少し色違いの連星を2人は見つめる。
「あっ!星の名前!」
光は思い出したように言う。
「そうだった、星の名前、付けないとね。
どんな名前にしよう?」
光莉は考え込む。
「うーん…。打ち上げた時は
普通に2人の名前にしようと思ってたんだよねぇ。
光莉と悠人。」
「それなら、2人の連星の名前、いいの考えた。」
モニターを見つめていた光莉がこっちを向く。
「本当?どんな名前?」
「光莉の光の字と、悠人の悠の字で
光悠連星っていうのはどう?」
「光悠連星…。」
どんな反応するか不安になったが
光莉は瞳を輝かせていた。
「素敵。流石悠人。」
今日だけで何回、その真っ直ぐな瞳に
見つめられただろう。
「そんな真っ直ぐに褒められると…。
ちょっと恥ずかしい。」
僕は嬉しいのに目を逸らしてしまう。
「光莉は何か思いついた?」
「連星の名前なら…。悠人のそれを聞いてから
それしかないって感じなって、
他にいいの思いつかなくなっちゃったよ。」
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心にくすぶる想いがある
伝えたい言葉がある。
これもまた僕の覚悟だ。
たった1人、大切な君への想いだ。
でも、これは僕のエゴだろうか。
この言葉を伝えることが僕のワガママなのだろうか。
答えが出そうにない疑問がまた浮かぶ。
それでも僕は
勝手に何かに背突かれて進む。
それは自分の手だったり、
好きな曲、ラブソングであったり。
そうやっていままで来た。
そして、これからもずっと。
×××××××××××××××
僕は決心する。
「光莉、話がある。」
「ん?」
光莉がいつも通り、でも少し違和感のある返事をする。
「大事な話なんだ。」
「そっか…。」
光莉が辺りを見渡す。
「座れるところ、探そうか。」
「うん。」
僕らはいつもそうだった。
ちゃんと伝えたいことがあったら
お互い気持ちをちゃんと聞くために。
その環境を整えようとする。
しかも環境が整うまでは
その話の内容は聞かない。
特に相談で決めたわけではないが、
暗黙の了解みたいになっている。
光莉が伝えたいことがあれば
僕も同じことをしてる。
光莉の話を、言葉をちゃんと聴きたいから。
「上の屋上にテラスがあるみたい。
そこに行かない?。」
「うん、そうしよう。
きっとこっちも星が綺麗に見えるよ。」
階段を上る。
今日の事を思い出す。
今日だけで何回階段を上っただろう。
いま立っているこの場所は、
いつも居る場所の何千メートルも上の場所。
まるで実感がない。
いや、いまこの瞬間でさえ、
まだ、確かな確信を持ててない。
醒めないで欲しい夢の中のようで。
「光莉。」
「なーに?」
「手繋いで。」
「もちろん。」
光莉は少しやれやれ、という顔しながらも、
嬉しそうに手を差し出す。
僕は間を置かず、すぐに手を繋ぐ。
そうでもしないと、
心がバラバラに砕け散ってしまいそうで。
君が繋いで居ないと、壊れてしまいそうで。
いつも(光莉曰く勝手に)
頭の中の考えだけで、
自分自身を殺してしまいそうなる。
そんな僕を知ってるから、
きっと僕がまたこんな事になってる知りながら
繋いだ手で助けてくれる。
壊れぬようにと抱きしめてくれる。
お互い、知らぬところなどほとんどない。
あるとすれば、相手のためを思って
隠していることぐらいだろう。
少なからず、僕はそうだ。
光莉ことは光莉にしかわからない。
それでも僕は信じてる。
無意識にのうちに
繋いだ手の力が強くなる。
光莉も強く握り返す。
2人は。屋上にあるテラスに向かった。




