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最後は私の側にいて  作者: 15me
25/32

20話 お揃いのスニーカー




鯨波展望台の目の前に来た。


近くで見ると、

とてつもなく巨大な望遠鏡だ。


どこまで先の景色まで見えてしまうのだろう。



いまの段階でこの技術力なら、


僕の生きてるうちには関係のないことだが、

いつか地球が滅んでしまう時までには


代わりになる星を見つけて

そこまで移動する術を見つけられそうだ。


地球の未来も安泰だな。

なんて考えていた。




「近くで見ると大きいね!」


光莉も同じ感想のようだ。



「ね、これだけ大きな装置なら、

きっと2人の星も探し出せる。」




この世界の悠人のもしもの時の

怖い気持ちもわかる。



でもいまの光莉となら、

もしも、2人の星がどうにかなっても、

越えて行ける。


光莉が泣くなら、一緒に泣いて、

励ますのが僕でありたい。


光莉が無理に笑ったなら、

そんな君を肩に抱き寄せたい。


心から面白くて、笑ったのなら、

涙が出るくらい一緒に笑いたい。




やっと、互いの願いが叶ったのだ。


いまの僕らに怖いものは、

心から信じれなくなった時の、疑う心だけだ。




「そうだね。少しだけ不安だけど、

どんな結果でも、怖くないよ。」




「8年経って初めて確認するんだもんね。」



「8年前かぁ…。

あの頃はまだ、色々初々しかったなぁ。」



「中学の時、塾が一緒で俺が光莉に

一目惚れしたんだ。

まさか同じ高校に合格するとは思わなかったよ。」



「 ね、あの時は変な人が話しかけてくるなぁ、

って思ってたよ。

でも、好きになった。

悠人くん、やり手だねぇ〜。」



「茶化すなよ〜、本当に一目惚れで、

あの日から今日まで、ずっと好きで、

嫌いになったことなんてないよ。」


「ありがとう。

悠人は行動が伴ってるから、

疑いようがないよ。敵わない。」



「光莉だって、こうして行動で

示せたんだから。誇っていいんだよ。」



「そうだね、悠人は優しいね。ありがとう。」



ふと、地面に目をやる、

2人のテンポの違う歩幅が

同じペースで進むように歩いてる。


お互いよく散歩するからという理由で

記念日に買ったお揃いのスニーカー。


大切すぎて

2人で出かける時しか履けていないが

1年以上は経ったから少し汚れている。


でもこの汚れが君と刻んだ足跡のようで

とても嬉しい。


そしてなにより、光莉が生前と同じ人生を

歩む努力に脱帽だ。





光莉が話し出す。


「あの時はお互いのこと

ちゃんとはわからないまま付き合ったから

探り探りだったよね。

お互い部活に忙しかったし、

私の方が部活終わるの遅かったから。

一緒に帰れなかったし。

学校で話す暇、ほとんどなかったよね。」



「ね、あの時からたくさん話せたらよかったけど、

お互い、部活も大事だったからね。

高校だからサボりも辞めることも出来ないし。」



僕は言葉を続ける。



「でもすごいよね、そんな中でも2人を繋いでいたものって、

きっと、お互いを思う気持ちとか、

一緒に居たい気持ちとか。

好きって気持ちだけが繋いでと思うと。

相思相愛って言葉がぴったりだね。」




光莉が答えに戸惑う、


僕が不思議に思って覗き込む、


「ど、どうしたの?大丈夫?」




「相思相愛って…。

悠人があまりに恥ずかしがらずに言うから

私、焦っちゃったよ。」



「え、なんか変?俺?」



「何でそう言うところだけ鈍感かなぁ。ずるいよ。」



理解知りきれない僕に光莉が肩を軽く叩く。





×××××××××××××××





そうこう話してる間に展望台の入り口に着いた。




空園ビルの入り口を思わせる綺麗さだ。


「やっと着いたね。」



光莉が応える。


「本当にやっとだよ。

今日、悠人が起きてから、

いままで時間の密度がありすぎて、

時間感覚が変だよ…。」



「ごめんね、でももう全部解決した…かな?」



光莉が少し考え込む。


「うん、悠人が言い忘れてることがなければ。」


「ないはず…。多分。

思い出そうとするあたりでない気もする。」


「確かに。」


僕も光莉も少しニヤニヤする。





「にしても、近くで見るとさらに大きく見えるなぁ。」



鯨波展望台、旧人類という人たちによって作られた、

遥か未来の技術と言っても過言ではない

大きな望遠鏡。



どこまで見えるのだろう。


想像するだけで高鳴る気持ちも止められない。




「あんなに大きい望遠鏡だと、

どこまで見えるんだろうね。

近くの月だったら、地表の小石まで見えちゃいそう。」



「確かに…!

早く見たい!行こう!」



光莉の手を取る。


その時改めて光莉の腕をよく見た。


程よく細く、滑らかで、

綺麗な腕だ、あの時と何もわからない、

いや、時間的にも同じなのだろう。


2人きりの部屋で、

よく、すべすべの腕をさすっていたなと思い出した。


実際のところ、

光莉の嫌いなところなどなかったのだが。




最初の頃より手を引かれるより

引くことが増えた、

2人は鯨波展望台の中に入った。





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