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最後は私の側にいて  作者: 15me
16/32

14話 鯨波展望台駅




鯨波展望台駅に着いた。


駅に降りた最初の印象は

比較的現代的な駅ということだ、



空壺駅のようなボロボロの駅舎じゃなくて

いまのちょっと田舎くらいの駅と

なんら変わらないくらいの普通の駅だ。



「鯨波展望台駅は空壺駅と違って

ちゃんとしてるなぁ。少しは。」


「ね、止まってた駅の感じ見てたけど、

空の天井超えたあたり、ってか

空壺駅以外は全部、現代的か未来的な発展だったよ

旧人類の人たちの住んでる場所は

その恩恵が多いのかもね。」


「そういうものだよなぁ。」




光莉が周りを見渡す。



「それにしても暗いね…、街灯も必要最低限だし…。」



「よく考えられてるよ。

天体観測しやすいように考えられてる。」



光莉が少し考えこむ。



「天の川と月と同じ原理ってこと?」


「そう、星は街の明かりでも、

綺麗に見えにくくなるんだよ。

月くらいの明るさまであれば

そこまで関係ないとは思うけど。」


「そうなんだ! よく考えてみれば

そうだよなって感じ!

また一つ頭良くなっちゃったなー。」



嬉しそうに鼻をこする。




「光莉が言ってた星見公園って

ここから遠いの?」



「私もここに来たのは初めてだから

調べてないとわからないなぁ…。」



話しながら駅の改札を出ると

目の前に星見公園800mと書かれた看板があった。



「……………調べるまでもなかったね。」


「流石、旧人類の人たち様々だな、

本当に何から何まで気が利いてる。」


「皮肉っぽく聞こえるけど?」


「2人で調べる手間とか。意外と好きなんだよね。」



看板に従って歩き出す。



「アナログなこと好きだもんね。

時代に追いつきたいってよりも、

自分のやりたいようにやる、悠人らしいね」


「悪く言うと頑固者ってやつだよ。」


「知ってる、ずっと思ってた、悠人は頑固者だよ。」


「えっ、」


「でもね、その頑固者の

何があっても必要で守りたい人に

なれたことが嬉しいよ。」



思い出す

死ぬ前の幸せな頃の記憶。

同時に痛む

癒えることのない傷。



いままでずっと嬉しかった言葉に、

痛い気持ちが加わってしまう。


心が叫ぶ、身が裂かれるように痛い。

耐えられない。



「ありがとう。

もう、光莉じゃないとダメなんだ。

こんな頑固者の側にいてくれて、

支えてくれて、感謝してもし尽くせないよ。」



あぁ、いま僕はきっと無理して笑ってる。


光莉、気づかないでくれ。



歩みは止めない。


顔を見られないように、

さりげなく、光莉の顔が見えない方を向く。



光莉の視線を感じる。



「悠人?」


「どうした?」


「ごめんね。」


「なんで謝るの?光莉何もしてないどころか

何も起こってないのに。」



「何も起こってないは言い過ぎでしょ。

まだ悠人の知りたいこと話してないし。」


「そうだけど…。」



一瞬、沈黙する。



「私ね、ずっと悠人居るからわかるの。

何でも、とは言えないけど、

こんなこと考えてるんだろうなぁとか、

またそんなことしてる、とか。」


光莉が僕の肩をトントンと叩く、

僕は光莉と向き合う。


「だから、そんな無理して笑わなくていいよ。

星見公園までもう少しだから、

話すこと頭の中でまとめててもいいし、

頑張って話すことないよ。」



「光莉…。」


光莉が僕の顔をつまむ。




「ほら!そんな変な顔しない!」


「全部お見通しなんだな…。」


「何年の付き合いだと思ってるの!

バレバレだよ!」



光莉が手を取った、

ゆっくりと歩き出す。



大丈夫。


きっと全部大丈夫になる。



心に言い聞かせる。


僕が手を強く握ると

光莉も強く握り返した。





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