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2周目 3 傷

 



「どうして死んでくださらなかったのですか?」




 その言葉は、思っていたよりもずっとラステッドの深い所を抉った。

 大して好きで一緒になったわけではないが、相手から請われ、家の為に必要だと思って結婚した。

 その事はお互いに理解できていると思っていた。

 貴族として生まれた義務であったからだ。

 好いた惚れたとは縁遠い関係だとは思っていたが、それでも利害という縁だったとしても、『家族』だと思っていた。


「貴方様が死んでくださったのなら、私は何の後ろ暗い所もないまま、あの方の元にいけましたのに。・・・・本当に、最後まで嫌な方。」


 そこまで私を悪役にしたいのですね・・・。


 家族だった・・・いや、今となっては『よく分からない女』は、そう言い残し、家を出た。



 貴族同士の離婚は容易いものではないが、特に女を引き留める気もなかった。

 幸い長男に恵まれていたので、どうでもいいかと放って置いたら、長男や副官やら友人やらが手を回してくれていて、いつの間にか良い形で離婚が成立していた。


 だがしかし、やはり自分には大して興味がなかった。


 自分の明日(みらい)の事などどうでもよく、出来の良い息子がいたので、家の将来についてもう考えなくてもよいと思いホッとした。



 アレコレ求められ、責められる煩わしさが減ったので、楽になった。


 決して、あの女が好きだったわけではない。


 だというのに、その言葉の()だけが、いつまでもいつまでも心のどこかで疼くのだ。



 ――――「どうして死んでくださらなかったのですか?」





 ・・・ああ、どうして俺はいつもいつも、生き恥を晒しているのだろうか。





 ※


 嫌な夢にも慣れたもので、目が覚めると平然とラステッドは起床し、準備をする。


 別に死にたいわけでもないし、『ああ、確かに今日も生き恥を晒しているな』と、その程度に淡々と受け止める。



 生きていれば、それはそれでそれなりに楽しい。



 息子の成長は楽しみだ。

 最近、自分に力でかなわないと思ったのか、益々勉学と口舌に磨きがかかってきた。

 何やらラステッドなら3分で寝そうな小難しい分厚い本も読んでいる。

 自分とは違うタイプだが、自分の道を切り開く息子が誇らしい。


 飯は旨いし、娼館の女たちはきちんと金を払えば優しくしてくれる。

 たまに友人と飲む酒も旨い。


 メイドに支度を手伝ってもらい、階下に降りると息子が待っている。

 最近では背が伸び、すくすくと成長している。

 自分とは異なり、王子の様なすらりとした、美しい所作だ。

 あの女の血なのだろうが、どうして自分の子供が()()なるのかがラステッドにとっては不思議でならない。


「遅いですよ!」


 何となくあの女が出て行ってから、息子と朝食を取る事が日課になっていた。

 それが嬉しいやら、くすぐったい様な気持ちではあるけれども。


「すまん。」


 遅くなった自覚があったので一言詫びると、特に息子は気にした様子もなく、ラステッドが席に着くと食事が始まる。

 二人で黙々と朝食をとりながら、ふと言っておかなければいけなかったと気づく。


「しばらく、帰らん。」

「・・・そうですか。」


 しばらく帰れないことなどいつもの事なので、息子には軽く流される。

 これでいいのかな?とラステッドは考え、そして、もう一つ気づく。



 あの聖女が言っていた話が、()だとするならば。




 最悪の事態になった場合、1万の魔物に囲まれ、それを白の団のみで抑える羽目になる。


 それは、いかにもありそうな話だ。

 1万もの魔物が現れれば赤も青も怖気づき、きっと当てにならず、現状なら間違いなく白に出動命令が出るだろう。腰の重い昼行燈たちが出てくるまでに、多くの人間が殺され尽すくらいなら、白のみで抑えたほうがマシである。

 人的損耗率が50%以上など笑えないが、1万の魔物と相対したと考えるなら、決して不思議でもない。


 仲間の半数が死ぬのは団長として忸怩(じくじ)たる思いがあるが、反面武人なので仕方ないという気もする。

 ラステッド自身、死んだらそれはそれ。詫びに行きたい人間が何人もいるが、まだ率先して死にたいとまでは思わない。

 ラヴィ-シャが言うには、予言の中では最悪の事態でも自分は生き残ったらしい。

 だとすれば、また息子に会えるだろうとは思うが・・・。


 ―――いや、条件が違いすぎる。

 簡単に聞いたところによれば、予言では魔物発見から総攻撃まで僅かな時間しかなかったはず。

 爆破したと言っていたし、最も可能性が高いのは白の団が間引きと殲滅を最前線で受け持ち時間を稼ぎ、最終的に魔導士隊による高火力かつ超長距離からの爆破を行ったのだと思う。

 何とも自分らしい荒っぽい手段だとも思うし、それしか手段が残っていなかったのだと思うとゾッとする。恐らく魔物に殺され多くの団員が亡くなっただけではあるまい。その手段がとられたのならば、身内の魔導士隊の火力でも相当の死者数を出したのだと想像がつく。

 その様な地獄の状況の中、殿(しんがり)に居て生き残る自分もどうかとは思うが、別の手段を取った場合、生き残るとも限らない。

 熊と戦って勝った次の日に、小石に躓き頭を打って死んだ男をラステッドは知っている。




 結局の所、自分が聖女に言った様に、生きるも死ぬもその時の運次第なのだ。




 少し、考えてラステッドは食事の手を止める。

 息子と会うのもこれが最後の可能性もあるのだ。

 今のうちに何か言っておかねばならないだろう。


「・・・何と言っていいか分からんが、今度こそ俺は死ぬかもしれん。」


 結局、何の捻りもなく、ド・ストレートに言ってしまう。

 息子はぽかーんと口を開けて、そのまま口に運びかけたサラダをテーブルの上に落とした。

 この息子にしては珍しい無作法である。

 ついでに、それを咎めるべき執事が銀の盆をガシャーンと床に落としたので、誰も何も言わなくなった。


「お前を信じている。”俺”を目指すな。お前自身を磨け。」


 その言葉にますます息子は口を開けて、そのまま固まる。


 何か外したかな?などとラステッドは思いながらも、まぁいっかと食事を再開する。


 分からないものは分からないのだ。

 考えるだけ無駄だ。


 ラステッドその人は、実に竹を割った様な性格だった。

 そして、戦闘以外で頭を使う事は大層苦手である。

 戦闘については天才と言われるラステッドであるが、ほぼ本能で動いているだけである。


 息子はその後しばらく経って、ハッっと立ち直り食事を再開した。

 そして、その日は珍しくラステッドを玄関先まで見送りに来てくれた。


「御武運を。」


 真剣な眼差しで家を出る時、そう一言、言ってくれた。



「行ってくる。」

 フッと笑みが自然に零れ、ラステッドは息子と使用人に見送られ、自分の家を後にした。







 ※


<運命の日 1か月前>


 メルベク卿と会談後からすぐラヴィ-シャは白の団に通い、1か月近く様々な対策案を講じた。

 神殿の業務からは完全に離れ、完全にこれ一つに集中させてもらう。聖女として人気が高いラヴィ-シャが神殿業務から抜けることは、神殿としてはかなりの痛手だろうが、フォルトゥーナ卿ならうまく回してくれると思う。

 正直、この事のみに集中できるのはありがたかった。


 魔物への対策案は主にラヴィ-シャの被害の記憶を元に、巡回すべき範囲を決め、おおよその魔物の死体の場所を予測し、それに基づいて兵の配置などをメルベク卿達白の団上層部が決めた。後は現場の見回りや実情から組み立てようと、メルベク卿や白の団員たちと共に、現場を見回る事が多くなった。

 残り1か月となった折に前線基地が設けられ、そこに宿泊する事も次第に増えていく。


 始めはラヴィ-シャの存在に戸惑い気味だった白の団員たちであったが、元々前世でラヴィ-シャは白の団の雰囲気に馴染んでいる。完全に白の団に気を許しているラヴィ-シャに、あっという間に団員達も陥落した。普段下に見られがちな白の団に対し、笑顔で親し気に接してくれる巷で有名な聖女は、白の団員の間で大層人気がでた。元より神殿でラヴィ-シャの治癒に世話になった者も多い。


 白の団の、所謂アイドル状態である。


 ラヴィ-シャが行くところ、雰囲気が明るくなる。ラヴィ-シャが笑顔だと団の団員も元気になる。男とは大変現金なものである。


 そして、初めはそんなラヴィ-シャに対し、団の奥方達は不信気であった。自分の亭主が若い女にメロメロであれば面白くないのは当然である。

 だが、()()()()調()()()ラヴィーシャは女性陣にも交じり、気さくに炊き出しなどの手伝ううちに、奥方達ともあっという間に仲良くなってしまった。元々白の団の裏方の流れがラヴィ-シャには分かっており、手馴れていた事もある。

 それはラヴィ-シャにとって前の人生で当たり前ではあったが、外から見た時はまた違う。御大層な聖女様が、裏の仕事も笑顔でこなし、気さくに分け隔てなく接してくれることが大事だった。こうしてラヴィ-シャは本人が意図せずに味方を増やしていく。その事が、ラヴィ-シャの意図とは別に、事態をより円滑に進ませていった。


 そして、メルベク卿との距離も近くなった。


 距離が近くなって知ったが、未来で『英雄』と呼ばれた武人であるメルベク卿は、良くも悪くも大雑把だ。魔物や戦争や兵のことなどには細かいが、実際の兵站の細かい動かし方や王城への申請の出し方など、部下に丸投げである。部下に対する指示も抽象的でふわっとしていることも多かった。必然的に、メルベク卿に心酔している、気が利く細かい性格の人間がメルベク卿の懐刀になっているのだとラヴィーシャは気づく。

 そして、メルベク卿に心酔してるが故に、メルベク卿が信じると決めたラヴィ-シャの予言は、特に何も反発を持たれず白の団の上層部に受け入れられた。

 これにはいささかラヴィ-シャも意外だったが、長く上層部と時間や会議を共にすると分かってくる。要は白の団はメルベク卿を王として擁した団なのだ。メルベク卿に心酔し、敬い、軽口を叩きながらもお互い助け合う。魔物と戦闘でも士気高く戦え、強いと言わしめるのはこのメルベク卿の求心力とカリスマ性によるものだと理解した。


 だがしかし、いくらそんな敬うべき白の団長とはいえ、やはり大雑把で自然体のメルベク卿だったので、ラヴィ-シャは段々遠慮しなくなる。

 元よりメルベク卿がラヴィ-シャに対して『聖女』という扱いをせずにその辺の近所の子供みたいな扱いをしていたので、ラヴィ-シャにはその距離感がとても気持ちよかった。1週間もすればメルベク卿と親しい知人の様に喋り、1か月経つ頃には名前を呼び合う、仲の良い男友達の様な関係になっていた。


 そして、より遠慮の無くなったメルベク卿――――ラステッドは、偶にとんでもない事も平気でラヴィ-シャに口走る。



「ところで、うちの息子の嫁にならんか?」


「は?」


 突然のラステッドの言葉に、ラヴィ-シャや周りはフリーズしてしまう。

 何を言い出すのだろう、この朴念仁は。


「お前の様な明け透けな女なら、アイツも上手くやっていけると思うのだが・・・」

「嫌ですよ、あんな腹黒金髪詐欺師。冗談じゃありません。それに・・・」


 息子に対する、あまりに酷く、あまりに的確な評価に、爆笑してしまうラステッド。

 卿の息子は白の団にも出入りをしているので、リュケイオンの事もよく知る何人かの部下は、笑わぬように必死に顔をそむけた者が何人もいた。

 これだからこの女は面白いのだ、とラステッドは思う。


「それに?」

 笑いながら自らが遮ってしまった言葉の続きを、ラステッドはラヴィーシャに促す。


「あの方は好いた方がいらっしゃるじゃないですか。嫌ですよあの中に割って入るのは。」

「誠か!?」

「・・・ああ、ごめんなさい、未来の話でした・・・。」

「予言と言えど、あの息子が女子(おなご)を好いた・・・!??」


 全く想像がつかないラステッドは戦慄を覚えるほどである。『女なんて虚栄心が強く自分の幸せと化粧と食い物と美容の事しか考えてないクソ』と平気で笑顔で言い切る女嫌いを拗らせたアホな息子が、好いた女子が出来る!?

 そんな彼をしり目に、勿体ぶる素振(そぶ)りも見せず、さらっとネタ晴らしをするラヴィ-シャ。


「ディーラネスト侯爵令嬢です。私はその後亡くなったので間接的にしか聞いてないですが、ゲロ甘って聞きましたよ。」

 悪女と呼ばれたラヴィ-シャを悔しがらせたかったのか、わざわざ二人の動向を報告してくれる変り者が何人かいたのだ。学園で何回かチューをかました位の事は、追放されたラヴィーシャですら聞き及んでいる。


「想像がつかん・・・。」

「ホントですよ・・・。」

 一体何がどうなってそうなったのか、未来に生きたラヴィ-シャでも全く想像がつかない。あの腹黒金髪女嫌い詐欺師が、ひとりの女を溺愛するだと?


 だが、一方でラヴィ-シャに分かる気持ちもある。


「まぁきっと、彼は第二王子の様な純粋な方が好きなんでしょうね。」


 裏切られてきた人生だったからこそ、腹に一物がない、純粋な人間の側にいたくなる。人間はまだ捨てたものではないと、美しいものが見たくなるのだろう。その気持ちはラヴィ-シャには痛い程よく分かる。


 自分が第二王子に魅力を感じた様に、またディーラネスト侯爵令嬢に反発したように。

 自分の黒さを浄化して、人間に戻してくれるような、そんな光を求めたくなるのだろう。

 彼も、私も。

 ・・・自分は金髪腹黒詐欺師(アレ)と似ているのかと思うと腹がたつのだが。


「ふむ。」


 分かったのか、わかってないのか。そう、ラステッドはつぶやく。

「まぁいい。うちのアホは何とかなるだろう。この山が終わったらディーラネスト家に行くとして、お前はどうするんだ?」


「は?」

 何を言ってるんだろうこのバカはという目で10歳の幼女が、厳つい白の団の団長を見る。


「団長、レディーに対して失礼では・・・?」

 思わず側近が苦言を呈してくれるが、馬鹿にはやはり分からないらしい。


「だって、お前。こんないい女。変な貴族に手籠めにされたら可哀想だろう。」


 そういうことでもないし、実際、1周目の自分は手籠めにされたも同然だけれども。


「・・・卿は一つお忘れです。私はただの、平民。そして号は聖女。この仕事が終われば人を癒すだけのただの機械。この先の予言はほぼないので、私の生は神殿に奉公して終わる事でしょう。」


「いや、お前、今幾つよ。」

「10歳ですが。」

 それが何か?

「いや、たかだか10歳でそこまで達観するのか?」


「私はすでに夢の中で1回死んでおりますので。この山を越えれば老後です。」

 そう、明るくラヴィ-シャは言い募る。

 酢を飲んだような表情をしたラステッドを、ラヴィーシャは無視する。


 否。

 この先、老後にできるのなら、まだいい。

 何も。まだ何も報われてはいないのだから。


 運命の日まで、あと1か月に迫っていた。







 時間が経つにつれ、ラステッドの側近たち、そしてラヴィ-シャは、どちらかといえばピリピリしていた。

 いや、一番神経質になっていたのはラヴィ-シャで、その焦りにつられてラステッドの側近たちも少し神経質になっている様だった。

 何故なら日が迫っている事と、目に見える成果、これだと思う様な事もなく、ただ可能性の芽をつぶすだけで日が経過していくからである。


 だがしかし、ラステッドただ一人は、いつもと変わらず泰然としているように見えた。それがラヴィ-シャには何故かより苛立ちを感じさせる。



 ある日、つい冗談めかし、


「ラステッド卿はどうしてそんなにドンと構えてられるのでしょう?私も見習いたいものです。」


 と、本人にこぼしてしまった。

 聞くものが聞いたら嫌味に思える。

 しかし、ラステッドはラヴィ-シャのそんな言葉を特に気にした風もなく、


「構えても、構えなくても人は死ぬ。ならば、自然体の方がより動ける。」

 そう、一言だけ答えた。


 特に何という事もない、その問答が。

 その時はラヴィ-シャには分からなかったが、心の内のどこかに刺さり、しくしくと痛む。



 1日が経ち、2日が経ち、3日が経って就寝する段階になって、ふとラヴィ-シャは急に気がついた。



 ――――構えていた時も、構えてなかった時も(ラステッド)にも存在していて、そしてどちらでも人が死んだのか。



 そして、『自然体の方がより動ける』と悟り、実際動けるまでに、彼にはどれほどの苦しみがあったのだろう。

 そして、どれほどの人が彼の周りで亡くなったのだろう。



 ラヴィ-シャはずっと今回の魔物災害しか見てこなかったが、ここ30年、王国では戦争を3回経験している。他にも魔物災害も小規模ながらあったはずだ。


 ラヴィ-シャの精神年齢はおそらく彼と同じくらいだろう。前世の生と合わせてラヴィ-シャは25歳。ラステッドは今年30になると聞いた。


 どれほど目の前で人が死ねば、どれほど無力感を味わえば、人は自然体になれるのだろう。

 自分が生き残ったのは偶々だと悟り、手から零れる命の絶望感に慣れる事ができるのだろうか。

 いや、どうしたら、まだ人を救う事を思い続けることができるのだろうか。


 ――――自分にはとても無理だ。


 きっと、今回多くの人が亡くなったら、自分は立ち直れない。

 5歳から寂しさを我慢して、家族とも会えず、それでも頑張ってきたのは、大事なものを”救いたい”からだ。

 そのラヴィ-シャの願いが、精神をいらだたせる。

 そのラヴィ-シャの恐れが、結末を恐れさせる。



 このまま逃げてしまいたい。



 初めてラヴィ-シャは、そう思った。


 何を馬鹿な事を――――と、自嘲し、頭を切り替えようと野営テントの外に出る。

 見張りの団員に挨拶をし、『眠れないので、空気を吸いに外に出ました。目の届くところに居て、短時間で戻るから気にしないで欲しい。』と伝える。

 団員は困った顔をしながらも了承し、ラヴィ-シャは約束通りすぐ近くで、空を仰ぎ見る。


 外の空気は何処までも冷たく、ピリリとしている。

 反面、星は綺麗で、街中と違ってよく見える。



 ああ、・・・と思う。

 自分は前の人生も含め、星など見た事があっただろうか。

 きっと、見た事が無かった。その事に今更ラヴィ-シャは気づく。


「眠れないのか?」


 星を見上げていたラヴィ-シャに、いつの間に側にいたのかラステッドが声をかけてきた。

 流石武人ともいうべきだろうか。気配をまるで感じさせなかった。

 そんなラステッドに、反抗心がむくむくと湧く。



「私、初めて逃げたいと思いました。」


「そうか。」


 この男がどういう反応をするか知りたくて、ラヴィ-シャは直球を投げつけたつもりだったが簡単にかわされた。

 何てこともない風に答えられたので、ラヴィ-シャの中に不満が募る。


「卿はズルイです。」

 思わずラヴィ-シャがふくれっ面で言うと、ラステッドが声を出して笑う。


「一体今の何がずるいのだ。」

 と、ラヴィ-シャに質問してくる。


「だって、卿は辛い事があって、それでも前を向いて立っているではないですか。私にその強さがないんです。これでも私、今まで凄く頑張ったんですよ。神様は不公平です!」


 ラヴィ-シャは他人より不幸だと思った事はないけれど、前の人生の記憶がある分、人より頑張った自負がある。なのに、この男はそんなラヴィ-シャよりも強いという事を思い知らされた。この男は()()1()()()()()()に、神はなんと不公平なのか!


 真剣に拗ねているラヴィ-シャを見て、ラステッドは今度こそ爆笑する。


「笑うなんてひどい!」


 口ではそういったが、ラヴィ-シャはラステッドにつられて既に笑ってしまっていた。久しぶりに笑った気がする。笑うだけで、人は簡単にリラックスできるものなのか。初めてラヴィ-シャはその事に気づく。ああ、前の生でも、こんな風にもう少し笑ったらもっと結末が違っただろうか。


「お前は、いいな。」

 笑いながらラステッドに突然そう言われ、ラヴィ-シャは思考が停止する。

 この男は、今何と言ったのか。


「俺は、”人は死ぬもの、救えるも救えぬも運次第。どうにもならん事だ”と思っている。・・・他人の命も、そして自分の命も。」


 そう笑いながら、なんてこともない風にラステッドは言う。

 多くの人間はそう思っている・・・と、ラヴィーシャは思う。

 だが、軍人で死地を駆け抜けてきたラステッドが言うと、重みがまるで違う。

 その言葉は、予期せぬ死に多く遭遇してきた者の言葉に他ならない。




 ―――『どうして、俺だけが生き残ったのだ!!!』




 不意に、ラステッドの叫びが、ラヴィ-シャには聞こえた気がした。

 まるで、彼が嘆いているその時、その場所に行って聞いた様な。


 幻聴なのに、その声はまるで魂が抉られるかの様な悲痛な叫びだった。

 それは、きっと言葉にならないラステッドの魂の叫びだ。

 そしてきっと間違っていないだろう。


「何でお前が泣くんだ?」


 心底不思議そうに、ラステッドがそう尋ねるので、ラヴィ-シャは自分が泣いていることに気づく。


 そして、理解をした。


 ああ、きっと彼は誰かと一緒に、死にたかったのだと。

 そういう戦友を多く戦場で亡くしてきたのだ、と。


 そして一人でも多く友を助けるために、()()()()()()を選んだのだ。



 理解してしまった。



 何故わかってしまったのだろう。

 分かりたくなどなかった。

 他人など、心の中にいれたくはなかったのに。

 涙があとからあとから溢れ、言葉を紡ぐことができない。


 だが、どうしてもラヴィ-シャには言わなければならない事がある。


 齢10の子供に泣かれて、理由も分からぬので慌てる無頼漢に、ラヴィ-シャは何とか言葉を紡ぐ。



「貴方様が、生きていてくれて、私は、嬉しい。」



 そして、この優しく不器用な男だけは絶対死なせたくない。

 英雄でも、団長でもなく、貴族でも――――恩人としてでもなく。

 ただ、一人の人間として。

 生きることが彼にとって苦しみだとしても。

 それでも、生きていてくれて有難うと言ってあげたい。




 そこまで考えて、ラヴィ-シャはもう一つの事に気づいてしまった。



「それだけ!!!寝ます!おやすみなさい!!!!!!」


 大慌てで与えられたテントに、ラヴィ-シャは駆け込んだ。

 簡易ベッドに飛び込み、毛布をかぶる。


 夜で良かった。

 自分の顔はおそらく赤くなっているだろう。



 言えるものか。


 英雄とまで言われた男が、可愛いと思ってしまったなんて。

 その心を守ってあげたいなんて。


 それは、まるで・・・


 まるで、恋の様ではないか―――――






※※





「貴方様が、生きていてくれて、私は、嬉しい。」



 何故か、聖女がそんな事を突然ラステッドに言った。

 全然関係ない話をしていたと思ったのだけれども、おかしな話である。


 そもそも夜中に突然彼女がテントから出てきたのを見かけたので、危ないと思ってラステッドは声をかけただけなのだけれども。


 女子供の考えていることは、さっぱりわからん。


 訳の分からない事を言って、聖女はさっさとテントに戻ってしまった。

 なぜ突然テントに戻ってしまったか、それもラステッドには意味が分からない。


 さっぱりわからんのだが。



「貴方様が、生きていてくれて、私は、嬉しい。」



 聖女が言い残したその言葉は、何故か心の中に響くものを感じる。

 優しく響きながら、どこか染み渡っていくような。




――――今日は久しぶりに良く寝られそうだな。



 そんな事をラステッドは思った。


 それは彼が戦場に出てからは、久しく無くした感覚であった。







<運命の日 2週間前>


 翌日からラヴィ-シャは今まで以上に精力的に調査に関わりだした。

 運命の日まで残り二週間。


 進展の見えない調査に現場も少し疲弊気味だったが、ラヴィ-シャのやる気が伝わりモチベーションが徐々に回復していった。


「やっぱ、お前いいな。」

 と、なにやらラステッドは笑っていたが、ラヴィ-シャは極力何も考えない様にしていた。

 そういう時は、あの日の凄惨な現場を思い出すように努める。


 いや、あの運命の日はもうすぐそこまで迫っている。

 ここからが正念場である。

 兄も父も、弟も、・・・そしてラステッドも白の団員も、決してあそこに、あの様に躯として並べない。


 そう、ラヴィ-シャは腹をくくる。くくるしかなかった。






「私が見たのは、2週間後に王都に大量の魔物が押し寄せるという事だけ。白の団舎で出陣する団員の方々を見送っただけ。ここまで魔物が全然いないのに、魔物とはそう簡単に繁殖するのでしょうか?」


 そうラヴィ-シャが会議で自らの疑問を口にする。


「場合によっては、するな。」

「餌によってはあるいは。」

 そう、ラステッドと側近の一人がそう述べる。


「そもそも、魔物とは自然の理の外にいる生き物。完全な解明はできてはおりませんが、高位魔物を倒し、それを少しばかり放置したばかりに数千の魔物が生まれて殺された、ある冒険者の逸話が残ってますね。」

「”マグネティの愚か者”だろ?その前の高位魔物を倒した件くらいは評価してやればいいのにな。」

「人とは得てして悪い面ばかり見るもので。」

「あーあ。俺のも悪い面を見ればいいのに。」

 と、ラステッドが言う。

 きっと貴族社会の事を言っているのだろう。

 数々の武勲を上げ、軍神ともいわれるラステッドは、粗野と嘲られながらも決して手放されることが無い。その名と存在が、国防において牽制に大きく役立つからだ。


「大丈夫ですよ、私には団長の悪い面がたんまりと見えております。」

「そこは部下なんだから、お世辞を言っておけよ。」

「残念ながら、出来の悪い団長の下なもので、部下も出来が悪いのです。」

 ラステッドと側近との漫才に、周囲の笑いが漏れる。

 思わず笑いながらも、ではどういう事だろうか?とラヴィ-シャは考える。


「・・・つまり、魔物の発生時期が短ければ短いほど、より高位の餌が来る可能性が高いという事ですか?」

 そう、確認する。


「そうなるな。」

「はぁ。本当ならホント厄介ですよ。」

 そう零す副官に、ラステッドは尋ねる。

「ちなみに、リュージュ。グリーンドラゴン級の餌が突然そこに墜落したとして、どれくらいの時間で1万匹魔物が繁殖する?」


 シン・・・


 ラステッドの問いに、先ほどまで笑いが漏れてた会議室が静まり返る。

 リュージュと呼ばれた先ほど毒を吐いていた副官が、口を開く。


「・・・恐れながら、推測だけでしかありませんが、マグネティの愚か者の件や過去の逸話が正しいのならば、恐らく、3日もあれば・・・。」


「たった3日・・・。」

 誰かのつぶやきがやけに耳に届く。


「ばーか。」

 そんな空気を一蹴するかのように、ラステッドが獰猛に笑う。

 その顔は、歴戦の戦士の顔だ。


「時期が狭まれば狭まるほど、範囲が狭まりより特定できるはずだ。まさか先導者がおらずに魔物が長距離をピンポイントにせめては来るまい。ならば、狭まったほうが俺たちには勝機がある。」

 それはやせ我慢と言った類の物の気もするけれど、長く戦場を生き残ってきたラステッドが言うと、本当の様に感じてしまう。


「これから”()”が忙しくなるぞ。目が無い物は特に夜間の巡回を増やさせろ。ここが踏ん張り時だ。俺たち白の団が王都を守っている。誰に評価されるわけでもないが、自分たちの大事なもんくらい、自分たちの手で守るチャンスだ。そう団員に伝えろ。」

「御意。」

 珍しく、軽口の多い側近たちが殊勝だ。

 いや、はじめから彼は白の団の王だった。絶対の王に対する忠誠をここの団員は捧げている。

 だからこそ、白の団は烏合の衆でありながら、王国最強を誇るのだ。


「ラヴィ-シャ。」

「何でございましょう?」

 自然とラヴィ-シャの言葉も改まる。


「お前は、良く寝ろ。」

「私も・・・。」

「お前の出番は本番だ。良く寝ろ。お前が倒れたら誰が団員を癒すのだ。」

「・・・分かりました。」

 切ったはったの後で団員を沢山癒せと言いたいのだろう。


「ですが、休むには流石にまだ早すぎます。魔物の発見の報告もないし、怠けない程度に活動させてもらいます。」

「好きにしろ。」

 軽く笑いながらラステッドの許可が下りた。

 逆に言えば期限まで2週間もある。

 その間に、ラヴィ-シャの体調一つで、誰かの命が失われるかもしれない。

 そんな危険性を目の前に提示されたのだ。

 ラヴィーシャはもとより体調には気を使っていたが、いつも以上に気を付けることにした。

 尤も、気分が昂ぶり、なかなか寝れなかったのだが。




 ※


<運命の日 3日前>



「見つかったか。」

「はい。」

 事態が突然動いたのは運命の日の3日前、日付が変わった深夜だった。


「ランパラ山脈の方から上空を抜けてくる巨大な飛行物体を”目”が捕捉しました。こちらです。ここからこう・・・このように。」

 馴染みの地図を見ながら副官が説明をする。


「王国領に入ったか。」

「本日は雲も多く、月も出ておりませんので確かな事は言えませんが、飛行の仕方を見るに恐らく高位の魔物、しかも弱っている可能性が高いとの事です。」

「進行先はこちらか。」

「はい。このまま行くと、このキャンプ上空を通過します。・・・このまま問題なく飛行できれば、ですが。」

「・・・墜落しそうか。」

「”目”が言うところ、7割でキャンプを越えられぬだろう、との事です。」

 この場に呼ばれた全員がじっと地図を見る。


 誰も口を挟まぬが、魔物が現れた事よりも、恐らく心に占めていたのは”聖女の予言が当たった”事だろう。

 信じたつもりで動いていたが、まさか本当に当たるとは思わなかった。


 否。

 当たった事に、ここまで動揺するとは思わなかった。


 そして同時に覚える聖女への畏怖と、恐れ。

 聖女を遣わされた神への畏敬の念を覚える。それは同時に神殿への権威の上昇だ。


 そんな中、ラヴィ―シャはまるで自身の予言の当たりはずれなど興味ないとばかりに、しきりに真剣に考え込む。ラヴィ-シャの心に占めるのは、自身の事ではなく、この山をどうやって乗り切るかしかなかった。ここで事をし損じれば長年の苦労が水泡に帰してしまう。


「魔物が落ちる場所によって、対応が変わりますね?」

「そうだな。」

 鷹揚にラステッドが頷く。

 ラステッドもまた、相も変わらず自然体だった。長年の軍人生活で培われた胆力は、こんな事位では揺るがない。

 まさに、聖女と言う名の化け物と軍神と呼ばれる化け物が、この場に圧倒的存在感として君臨していた。


 ひたり、と地図上を指指し、ラステッドは自身の副官を見据える。


「・・・手前に堕ちた場合はどうする?」

「・・・はい!1,2,3の隊を動かし、魔物の範囲100M外周を取り囲み、魔物本体及び魔物を捕食に来た魔物を掃討します!飛行中の高位魔物が暴れた場合は4~6も投入せざるを得ません。」

「・・・そうだな。次、丁度この真上に堕ちた場合。」

「無理です!全力で逃げて、潰されたら諦めてください!」

 ドッと会議室に笑いが漏れる。


「それはそうだな。次、王都とキャンプの間では?」

「王都からの増援を待ちつつ、やはり1,2,3の隊をもって包囲でしょう。」

「では、王都に堕ちた場合。」

「嫌いな奴の真上に堕ちる様に祈ってましょう!」

 再びドッと笑いが漏れる。


「どちらにしても、1,2,3の隊で囲うしかない。伝令は飛ばしたな?」

「王都には既に3機飛ばしております。念のため、4,5の隊からも2基ずつ地上からも行っております。何事もなければ1基は神殿に向かわせます。」

「王城のやつら、まだかまだかとせっついていたからな。期限が過ぎてもいないのに、予言は外れたなどと吹聴していたから、今頃真っ青になっているだろう。いい気味だ。」

「いくら本当の事でも、政敵に揚げ足を取られかねないので、多少自重してください。」

 副官が苦笑しながらラステッドに言う。

 現場に流れていた重苦しい空気や緊張感は洗い流され、自然体のラステッドにのまれていた。


「まぁいい。予言の様子だと恐らくキャンプの前に落ちると目算は立ててあるが、どんな影響で状況がひっくり返るか分からん。戦場と一緒だ。何が起こるか分からんと思い、心してかかれ。」

「はっ。」


「ラヴィ-シャ。」

「はい。」

「お前は休んでろ。」

「あら。」

 うっそりとラヴィ-シャが右手を頬にあて、笑う。

 だが、その目は笑っておらず、剣呑な光を湛えている。

 その目が如実に言っていた。

『ここにきて、そう言うのか』と。

 もう1か月にも及ぶ付き合いのある白の団のメンバーは理解した。

 完全に彼女は怒っていると――――――。

 だが、あくまで彼女は今更、本当に今更聖女の仮面を被り、あでやかに笑う。

 それが余計に不気味さを覚える。


「私、見せ場を取られるのかしら?」

「あとは、泥臭い仕事だ。軍人の出番だろう?」

 そう言うラステッドを無視し、副官の方をラヴィ-シャは見る。


「魔物の大きさは?」

「・・・・翼を広げた状態で20M程と聞き及んでいます。」

「まだ生きているのでしょう?魔導士隊は結界を維持できるのかしら?」

「現在の所、宮廷魔導士などからの支援はございません。」

「つまり、結界が張れて、維持できるほどの魔導士は現状居ないという認識で合っております?」

「現在の段階では間違いございません。」

「いいえ違います。何故か都合の良い事に、丁度ここに100Mほどの普通の結界どころか聖結界を張れ、かつ長時間維持できるトップクラスの聖法師が偶々ここにおりますの。不思議ですわね?」


 にっこり、とラヴィ-シャがラステッドに微笑む。

 クソッ!とラステッドが悪態をつく。

 いつでも自然体だった男が、ここに来て初めて動揺していた。


「今更、女みたいな事を言いやがって!」

「あら、私は女ですわ?」

「戦場に女子供を連れて行くわけにはいかないだろうが!それに聖女は癒すのが仕事だろう!」

「確かに私は女子供ですが、その前に一人の聖法師ですわ?従軍義務もございますの。」

 ホホホホホと今更お淑やかに、しかし嘘くさく聖女の様に笑うという高等技能をラヴィ-シャは発揮する。

 まるで狐と狸が化かしあってる最中に、剣で殴り合いを始めたような、うすら寒さを周りの団員たちは覚える。大変居心地が悪かった。


「先に女子供だからと言って除け者にしようとしたのは、卿ではございませんか?」


 ぐぎぎぎぎぎぎとなってるラステッドに、副官がため息をつく。


「団長が仰りたいことはよく分かりますし、自分もさすがに10歳の女児をグリーンドラゴン級が予想される最前線に連れて行くのはどうかと思います。後で神殿から大変なお叱りを受けるとは思いますが、ここで聖女殿を連れて行かなかった場合、全力で破門をされ一族郎党墓にすら入れてもらえぬような気がするのは自分だけでしょうか。」


「あら、良い事を伺いました。今度からその言い回しも(脅し文句)使わせていただきますね。」

「おい、馬鹿止めろ。」

 聖女テロがさらに進化を遂げたら、たまったものではない。



「率直に言いますと、今私を出した方が被害が減る公算が高いのでしょう?いい加減に自分の見てくれに捕らわれず、現実を見てみたらどうです?白の団には女性団員だっているじゃあありませんか。」

「さすがに10歳なら男でも出さん!常識を無視して言うな!」

「非常識が服を着て歩いてる卿に言われたくないですわ~。」

「守り切れるか分からんだろうが!」

「あら。何を仰っているのかしら?」


 勿論、私が全てを守るのですわ、と凄絶な笑顔でラヴィーシャは言う。

 結局の所、むさ苦しい男所帯では女の口(ラヴィーシャ)には誰一人勝てなかった。




大変時間が空いてしまい申し訳ございませんでした。


そして、思っていたより3倍くらい長くなりました()


完璧といった感じではないのですが、時間をおいても出てこないという事が分かったので、まぁ不完全ですが話の筋は変わらないので2周目の7辺りまではアップしていこうかなぁと。

2周目ー8は連載の休みの間に仕上げが間に合わなかったので、オチだけ時間が空いてしまいそうな気がします。


主人公を容易に切り替えられない私です。

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