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戸惑い
「えっ…?」
私と相手との間に異様なまでの緊張感が走る。
「何か?」
慌てて鞄から何かを取り出す相手。
「用がないなら帰らせて。時間が勿体無いから」
ぶつかってきた上に時間まで浪費させられるとなるとこの後の予定が狂う。
「待って、これ…っ!」
鞄から取り出した平たく白い四角い何か。
「…これは?」
手紙のようなもの…。
表紙には律儀に『受け取って下さい!』なんて。
大真面目な表情で手渡してくる。
「これを、私に?」
俯くようにして頷く。渡す手は小刻みに震えていた。
「…目は通しておくけど返信は期待しないで。」
手紙をコートのポケットに押し込んで相手の身なりを確かめる。怪我はなし。二年の制服。
「襟、曲がってる。」
「えっ? あ…、ほんとだ。ありがと…。」
襟を整えたのを確認して正門に向かう。
電気の止まった街は信じられない程に静まり返っていた。
大した展開も無いまま3話まで
流れてしまいました。
次の次辺りくらいまでどうか辛抱して頂ければ
幸いです…。