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う、うん。

起きました。

朝ですから起きました。




意外に良く眠れたみたいでスッキリしてます。




さて、ルミナスにきて2日目です。


ベットの上に1人でした。

1人ですよ、寂しすぎません?


あ、…。

私、独り寝には慣れてるはずなのに。


ああ、人の肌って魔物です。

怖いです。

 

「起きたか?」 


デュークさんはもう既に身支度を整えてます。

何度見てもいい男です。

今日は薄い緑のシャツですか?


お似合いですよ。 


「あ、すみません、寝坊ですよね?」

「そうでもない、俺は今日は早く行かなくてはいけない」

「そうですか…、良かった」

「カナコ。あの電話は好きに使え。お前がリリフィーヌを名乗る限りおまえの願いは叶う。遠慮はるすな」

「ありがとうございます」


デュークさんは苦笑いだ。 

 

「1人で寂しいか?」


相変わらず意地悪だ。


「別に…」


どこかの女優みたいに思いっきり無愛想になった。

別にいいでしょ?ふん。

けど、苦笑いも様になるなんて美形に生まれたら人生勝ちですよね。


「後でジョゼと言う侍女がくる」

「ジョゼさん、ですか?」

「ジョゼと呼べ。あいつはこの事情を知ってる。俺と違って優しいからなんでも聞いていい。早くここの生活に慣れるんだ。リリのふりが出来るようになったら外に出てもいいぞ」

「え?外出してもいいんですか?」

「ああ、いい」

「やったぁ!ありがとうございます!」


また苦笑い。

けど、ちょっと、優しさが増した気がする。

気のせいか?そうだろうな。


「あのな…」

「なんでしょうか?」

「何度も言うが、おまえは一応は俺の妻なんだ。そのつもりで行動してくれ。いいな?」

「あ、…すみません。気をつけます」

「大丈夫か?」


あ、そうだね、自信はないよ。


「頑張ります…」

「頑張ってくれ」

「はい」


デュークさんは定番の苦笑いだ。


「じゃな」


そう言ってドアの向こうに消えた。



1人だ。



ジョゼが来るまでには時間がありそうだな。

何をすべきか…。




あ、風呂に入りたい。




そうかここで魔法だ。

魔法を使うんだ。


風呂上りの爽やかさ、プリーズ!ヒョイ!



サラーーーン!



凄いね。

気のせいか石鹸の匂いもするよ。

そうそう髪も艶々のサラサラにしてね?


ツヤ、サラーン!



後は着替えか?

リリさん、服貸してね。


服よ、来い来い、プリーズ!プリーズ!




服が来た。



って、リリさん、あなたは可愛い服がお好き?

こんなフリフリのドレス。

これしかないのか?




…仕方ないか。




着替えます。



ごそごそ…。



脱いだ服はあの籠に入れておくそうです。

みたいです。


一度、彼女のクローゼットを点検しないといけません。

いつまでもこんなフリフリのドレスなんて着たくないです。


けどね、鏡を見ると似合ってるんだこれが。


そうだよね、天使にはフリルが似合うよね。


ああ、憂鬱です。

この状態って無駄に美人っていうのかなぁ?

慣れない、外見に慣れない。




しかし、腹が減った。

結局、昨日は朝食しか食べてないんだよ?

こんな生活耐えられない、です。


電話使って良いっていったよね?

使っちゃう、よ?

受話器を取るとどこかに繋がったよ、おい、どこに繋がっているんだ?


「はい」

「あの、…」

「はい、リリフィーヌ様、どうされましたか?」


頑張れ!頑張るんだ、私!


「朝食を部屋に、お願い」

「かしこまりました」

「よろしくね」


それだけいって電話を切った。



やった!私やり遂げました!

これで、ここで生きていけそうです。



朝食が来るまでの時間、正直暇です。


えっと、なんでここに来たんだっけ?

雷に打たれてここに来たんだ。

…。


あ、魔法だ。


雷出せるか?

雷って言えばサンダー?


やってみるか…。




サンダー、だよ!



バリーーーン!!




目の前にあった鏡が割れた。


指から雷が出たよ、ゲームかよ。

何度やっても馴染めない。


軽く指を振っただけだよ?

別に鏡を狙って振ったんじゃないよ…、けど高そうな鏡だよ、うーん。

壊したって知ったらデュークさん、怒るだろうなぁ、弱ったなぁ。


あ、あああ、!

そうだった。直せるんだった。

直しちゃおっと。


鏡、直れよ!



カチャパッーーン!



直った。

アンビリーバボーだな。



ちなみにここまで無言です。

唱和しないで魔法が出せるって小説では凄い設定になってたなぁ。


「私、無唱和で魔法つかえま~~す!」


鏡に向かってセーラーなんとかポーズ!

…って、ザックが言ってたじゃないか、ここでは普通だって。



馬鹿だ。



いや、しかし…。ほんと、誰だ、これ?


マジマジと鏡を見ました。


鏡の中に写っているのは日本人ではありません。

腰まである金髪はいい感じでウエーブかかっております。

不思議な顔してこちらを見ている瞳が、これが濃銀なのか。


しかっし細いなぁ。

霞しか食べていないのかなぁ。

いやー困ったぞ。

食べることが大好きな私としてはリリさんの体を太らせてしまったら…。




そうか。




今の私は私じゃないんですね。

リリフィーヌという名のデュークさんの妻なんですね。



リリさん、あなたはなんて儚い女性なんでしょうか。

リリさん、もし、あなたが私の体に入ったとしたら、きっとガッカリしていることでしょう。

ごめんなさいね、全然いけてなくて。

まったく普通で。男の人も振り向いてくれませんね。

もの凄く戸惑っていることでしょう…。


けど、ね、日本での暮らしも慣れれば楽しいよ、きっと。


ってか、私はこの暮らしが慣れません。

リリさんは平気だったのですか?

私は平気じゃないですよ。



なんで入れ替わったのかな?

けど、本当に入れ替わったのかな?そうじゃないとしたら?

そうじゃないって、どういうこと?



あああ!もう!

誰に聞いていいのかわからないことなんか考えるな!





けど、さ。






戻ったら私の体が無くなっているなんてことは、なし、でお願いします。







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