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その夜も私はマリ姉ちゃんと寝た。

ここの所、毎晩だな。




「フィー、おきてる?」

「うん、おきてる」

「ねぇ、私に魔法をかけて?」

「どんな魔法?」


なぜか自慢げな顔。

そして、自慢げに言う。


「フィーの居所がわかる魔法よ」

「なんで?」

「守りに行けないじゃない!」


姉ちゃん、熱血だな?

けど、その通りだ。

えーと、そんなのあったかな?


「うーん、すぐには思い浮かばないよぁ」

「そうなの?」

「だって、そんなのお姉ちゃんのためのオリジナルだから、いろんな魔法を組み合わせないと無理なんだ」

「そうか…」


落ち込むなよ、姉ちゃん、可愛いじゃんか。

妹、頑張る。


「けど、考える、絶対にあると思う」

「そう?」

「うん、大丈夫!」 

「じゃ、任せたね?」

「うん、任せて!」


私たちは寝た。







10歳になりました。



ようやく、私もマリ姉ちゃんと一緒のルミナス学園に入学です。

ここは魔法が使えない子供達が通う学園。

ここでは、お下げ髪が定番。

みんな、殆どそうする。

だから、私も、三つ編みをしていくんだ。


まぁ、学園に入学するには、厳しい審査がありまして…。

金持ちじゃないと入学できません。

貴族だろうが、商人だろうが、地下に住んでようが、関係ない。

ハッキリしてます。



あ、サー姉ちゃんが学院を主席で卒業しました。

そのまま、ザックの、いや、学院長の研究チームに在籍することが決まりました。

カッコいいなぁ。

サー姉ちゃんは私の自慢だ。



そして、私は、マリ姉ちゃんが私の居所を把握できるような魔法を考えました。




早速効力を発揮してます。


てか、マリ姉ちゃん。ハイヒット3兄弟の身内だって知られれば敵なしだったんじゃないか?

あれは嘘だよ?


なんでだよ?


あいつのせいだ。

ダンスの教室から始まって、言語、そして、学園。

私の後をストーカーしている、ガキ。


オラクル・ジャヴォット


気に入らないぜ。

上着は隠されるし、筆箱はなくなるし、ノート、ノートもね、水に濡れているんだよ?


けど、その度に、マリ姉ちゃんと取り巻きが飛んできて、5倍返ししてくれてる。


何故分かるのか?

だって、私が泣いたときに、マリ姉ちゃんにはヒョコンヒョコンとまるでウルトラマンのタイマーの様に感じる設計にしたから。


けどさ、毎週1回って、頻度高くない??




あいつ、既に人格が歪んでるな。





それでも、初めて、仲のいい友達ができた。


ミルちゃんて、いうんだ。

彼女は地下の住民。

昔から、地下のことは不思議だった。

興味があるからついつい話しかけてしまうんだ。


「ミルちゃんは、どうやって学園まで来るの?」

「あのね、お兄ちゃんと友達に送ってもらってるの」

「へー、じゃ、お兄ちゃん達も学園にいるんだ?」

「…」


時々、ミルちゃんは返事をしない。

そして、話を逸らす。


「今日のお昼は何食べるの?一緒に食べよう?」

「ごめんね、お昼はお姉ちゃんと一緒に食べることに決めてるの」

「えー、そんなの、つまんないよ?私と一緒に食べよう?」

「ごめんね、きっと、そのウチにね?」

「絶対だよ?」

「うん」


そんな感じで日々が過ぎていく。

勉強は、そこそこ、です。

頭は悪い方ではないと、思います。



そんな学園生活も、半年も経つと、慣れてくる。


「ねえ、マリ姉ちゃん?」

「なに?」

「明日、お昼、友達と食べていい?」

「どんな子?」

「ミルちゃんていう女の子」


地下の子ってのをいわなかった。

いったら駄目って、いわれるから。

なんでか知らないけど、家では地下の子と仲良くしてはいけないっていわれた。

けど、学園の担当教師は「そんな事はない。そんな差別はいけない事。だから、みんな仲良くしましょうね」っていう。

それに、クラスの子なら、大丈夫だよ、きっと。


しばし、考えたお姉ちゃんは、頷いた。


「明日だけね?」

「うん!ありがとう!」


その日、私はミルちゃんに報告した。


「明日ね、一緒にお昼食べていいって、お姉ちゃんが許してくれたから、食べよう?」

「嬉しい!」


私たちはお弁当を作って持ち寄ることにした。

地下の人たちの料理って、どんなのだろう?

楽しみだ。






次の日、お昼時間。


ウキウキだ。

楽しみだ。


「ねえぇ、こっちで食べよう!」

「けど、ミルちゃん、そこはベンチがないよ?」

「大丈夫だよ。敷物も持ってきたから」


そうか?

まぁ、ピクニック気分で、楽しそうだな。


私達は仲良く敷物に座って、お互いのお弁当を開けた。


「わぁ、綺麗!」


ミルちゃんは私のお弁当をみて、思わずいった。

そうだよ、今日は侍女のメイとサー姉ちゃんが作ってくれたんだ。

特別なんだよ。ケチなことはいわないから、わけてあげるね?


「そうなんだ、お姉ちゃん達が作ってくれたの」

「お姉ちゃん?」

「うん、優しくで強くて、カッコいいの」

「いいなぁ…」


ミルちゃんはお姉ちゃんいないのか…。


「けど、ミルちゃんにはお兄ちゃんがいるんでしょう?」

「うん、けど、」

「なに?」

「怖いから、きらい」

「怖い?」


お兄ちゃんが怖いのか、地下の人達って、そんなのが多いのか?

けど、突っ込むのはやめよう。


「ふーん、ね、食べよう?」

「うん!」


私達はお互いのオカズを取替えっこしたりした。

ミルちゃんの味は結構独特だ。

辛くて甘い、けど、出汁が利いてない。


それは美味しいとはいわないな。

これは、辛い。


ノドが乾く、お茶飲もうっと。

私が自分で持ってきた水筒を手にすると、ミルちゃんが食いついてきた。


「ノド乾いた?これ飲んでいいよ?」

「いいよ、自分のがあるから、」

「これ、美味しいよ?」


ミルちゃん、あなたは美味しいかもしれないけど、私には無理だと、そう思う。


「ありがとう、でも、いい」

「そういわないで、飲んで!」


うん?

変じゃないか?


私はこっそり、魔法でその飲み物を調べる。

『暗殺されないための生活魔法』お父様の本、読んでおいてよかった。

やっぱ、物騒なんだな、ここは。


ってか、これって、痺れ薬????

こんなものが入った飲み物を、1年生に持たせるなんて、なんだ?






目的は、私??????





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