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2歳も半年を過ぎました。



この頃になると、色々と理解できる。


まず、自分のこと。

私はエリフィーヌ・ハイヒット。2歳。

エリフィーヌだって、なんで、リリさんと一文字違いの名前つけるかな…。

知った時は落ち込んだよ。

いや、落ち込むこともなんだろうけど、ねぇ。


髪は緑、そして、目は紫、紫紺色らしい。

ルミナスにはない色だそうだ。

だって、赤紅と群青と濃銀しかいない筈なんだもんね。

けど、紫って赤と青を混ぜた色だよね?

どんな意味があるんだろうか?


そこんとこは、あの神もどきに聞かないとわかんないので、放っておく。

今度会った時に聞けばいいもの。


時々愚図るが大人しい子供、です。

だって、父や母の苦労がわかるもん。

大人の苦労がね。




家族のこともわかったよ。



お父さん、いや、お父様は商人だ。ダニエル・ハイヒット。

手広く商売を広げて、いまやお城にも出入りしてる。

もちろん、緑の髪に、赤紅。

大きくって、強くって、優しい。

時々、髭をジョリジョリと私の頬に当ててくるけど、それは痛いからやめて!と言うとやめてくれる。

へへへ、大好き。


お母様はヴィクトリア・ハイヒット。

貴族の家からお父様に嫁いできたんだって。

恋愛結婚なんだろうな。

控えめで優しい。良い人だよ、大好き。

緑の髪に薄い赤紅。あまり魔法が使えないみたい。

いつも抱きしめてくれると、良い匂いがする。大好き。


一番上のお姉様は、サーシャ・ハイヒット。

お母様に良く似て、一見控えめに見えるけど、怒らすと怖い。

でも一番面倒を見てくれるから、好き。

緑の髪に濃い赤紅。

魔法は使える。時々、サラサラにしてくれるから、ほんと、好き。


大きいお兄様は、アンリ・ハイヒット。

緑の髪に赤紅。

ハイヒット家の跡取りなんで、結構厳しく躾けられている。

その辺りはお父様、しっかりしてる。

責任感が強い、けど、時々空周りしてる。

でも、下のお兄ちゃんとお姉ちゃんが苛めたときに助けてくれるから、好き。


下の兄ちゃんは、ジャック・ハイヒット。

緑の髪に赤紅。

次男だから、かなりいい加減。

お父様はアンリお兄様と同じに怒ったり叱ったりしてるけど、利いていない。

直ぐに、喧嘩仕掛けてくる。

でも、お姉ちゃんが苛める時に助けてくれたり、お菓子を分けてくれるから、好き。


下のお姉ちゃんは、マリー・ハイヒット。

直ぐ上のマリ姉ちゃんとは双子みたいだと、言われる。

マリ姉ちゃんは年が近いせいもあって、意地悪だ。

直ぐに私のお菓子を奪う。今日も喧嘩した。

けどね、いつも手を繋いで遊びに連れて行ってくれる。

私が他の家の子に苛められてると、飛んできて、喧嘩してくれる。

マリ姉ちゃんも、好き。

あ、マリ姉ちゃんは緑の髪に群青。

魔法は使えない。


私は、自分が魔法を使えることを皆に隠している。

だって、目が赤紅ではないから。

なんとなく、黙っていた方がいいと思ったんだ。




3歳です。


歩くどころか、走り回ってます。



そして、あの広い庭に、念願の秘密基地を作りました!



といっても、昔に使われたいた庭師さんの小屋を勝手に拝借しただけ。

用心のために、小屋の周りに自分で幕を張って、誰かが来たらわかるようにしてます。


で、何をしてるかといえば、木で標的を作り、魔法を吸収する魔法をかけてセット。

そこに、次々に魔法を飛ばしてます。

限界にチャレンジというよりも、通路を太くするためです。



説明しよう!魔量と体の関係を。


なんで、リリさんの体が壊れたのか?それを赤ん坊の時からズッと考えてみた。

その時の結論が、魔量は風船みたいに丸く膨らんで体に繋がっている、だ。

必要に応じて、魔量を風船が吐き出す。

その時の通路は魔量の多さによって細かったり太かったりするに違いない。

魔量の少ない人は細く、多い人は太く。


で、私の桁外れに多い魔量を一度に吐き出そうとしたリリさんの通路は細かった。

だから、通路が壊れてしまって、体が壊れたに違いない。


あの神もどきも、赤ん坊の時からなら壊れないと言ったし。


だから、通路を太くするために、日々魔法を吐き出すようにしよう、と決めたのです。

それが合ってるかどうかは、わからないけどね。

でも、誰にも相談できないんだから、自分で決めるんだ。 


15回超えた。


止めとこ。


膨大な魔量の筈なのに、子供だからか、少ない気がする。

けど、気にしない。

そのうちに増えるよ、きっと。


この間は、途中で力尽きて寝てしまって、風邪引いたんだ。

寝込みそうになっけど、サー姉ちゃんに治療魔法を掛けて貰ったから大丈夫だった。

サー姉ちゃんは優秀だ。



ルミナスでは魔法が使える子供は問答無用で魔法学院に入れられる。

学長は誰だろう?まだ、ザックなのかな?



なので、サー姉ちゃんは、魔法学院に入学した。

1年生で、優秀な子しか入れない選抜クラスにいるらしい。

3つの魔法を使える子達のクラスだ。


で、家に帰ってくると、教わったことを見せてくれる。

攻撃魔法は、まだ、だそうだ。


今は生活魔法を習っている。

これが、私にはありがたい。

基礎というか、理屈がわかってないから、誰でも使える簡単な魔法を思いつかないでいた。


寒いときには周りの空気を暖める魔法を使えばいいんだ、とか。

汚い道を歩きたくないときは浮遊するんだ、とか。


魔法って凄い。

本当に感心する。




そして、こっそり秘密基地に行って、練習する。



ありがとう、サー姉ちゃん。

私はお姉ちゃんのお陰で、魔法が勉強できます!





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