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まだ、カフェ・マリーにいる。




今の状況は、うん。


マリウス君は帰って行った。

例の外からは見えにくい私達専用の部屋で、私とセーラとマリ姉ちゃんがいるんだ。


私とマリ姉ちゃんの尋問はちょっとハードだよ。

ごめんね、セーラ。


「子供だと思っていたのに、セーラも恋する乙女になってしまったのね…」

「なに言ってるのよ。フィーは4歳の頃から陛下に恋してたじゃない?」

「え、お母様って、そんなに子供の頃から?」


あ、私達の馴れ初めなんて、言ってなかったわぁ。


「セーラは聞いてないの?」

「うん、マリー伯母様。教えてくれないもの」


説明しづらいんだよ。

入れ替わりに生まれ変わりだよ?

オカルト過ぎて現実味がないんだから。


「じゃ、ね。今度話してあげるから」

「ほんと!マリー伯母様?」

「ええ!」

「お姉ちゃん…」


話をずらすなよ。


「ところで、マリウス君とは、何処まで進んでるの?」

「どこまで、って、あの、お母様…」

「フィー、貴女、直接過ぎよ?」

「けど、大切なことよ?」


マリ姉ちゃんは、ジンジャージュースを一口飲んでから言葉を発した。


「セーラは貴女と違って、慎重よ。ね、セーラそうでしょう?」

「ちょっと、何でも私を引き合いに出すのは止めてよね?」

「あら、だって、今でも仲が良いんだもの。出会った時から仲が良かっただけじゃない?」

「そうだけど…、もう、マリ姉ちゃん。今はセーラの話でしょ?」

「まぁそうね…」


セーラは大きく目を開けて、黙っている。


「お母様、お母様って、情熱的だったの?」

「え、っと、ね…」


諦めよう。

ちゃんと、私の口から言おうっと。


「そうね、傍から見たら、そう写ると思うわ。小さい頃からお父様のことだけ考えて、お父様と会えることを夢に見てた。色々とあって、諦めた時期もあったのよ。けどね、気持ちは変わらなかった。結局、事件があって、会わないで避けてきた自分に腹が立って、マリー姉様に助けてもらって、ね?そうだったよね?」

「そうだったわね」

「マリー伯母様が?お母様を助けたの?」

「そうよ、お姉様がいなかったから、今もまだ、あのガナッシュに囚われたまま、だったわ。きっと」

「それは、違うわ」

「え?」

「陛下なら、必ず助け出したもの。私が気づいて早くなっただけで、陛下ならば、必ずフィーを助け出した。セーラ、貴女のお父様はね、生涯を掛けて貴女のお母様を探していたの。その為ならば、ルミナスさえ顧みないでね」

「良く分からないわ。だって、一度も会ったこと無いのに?どうしてお互いに知っていたの?」


私とマリ姉ちゃんは顔を見合わせた。


「セーラ、貴女のお母様は信じられない体験をして、お父様に出会ったのよ。そうよね?」

「ええ、そうね、そうなるわ。セーラ、リリフィーヌ様を知ってるかしら?」

「お父様の前のお妃様、でしょ?」

「そう、お母様はね、ある日突然、リリフィーヌ様の体の中に入ってしまったの。信じてくれるかしら?」

「入れ替わり?お母様が?」

「そうよ。最初は戸惑ったわ。それにお父様も信じられないから、何度も喧嘩したの。仲直りする事もなく、何度もね」

「お父様は前のお妃様を愛してらしたの?」

「愛してらしたわ。深くね、本当に大切にしていらした。けどね、お母様の事も愛して下さるようになったのよ」

「嬉しかったの?お母様?」

「もちろんよ。とっても嬉しかったの。だって、気づいた時には、お母様はお父様を愛してたから。けどね、お母様には時間が無かったの。誰も知らなかったんだけど、時間が無くてね、死んだのよ」

「死んだの?けど、お母様は生きてるわ!」

「貴女のお母様はね、生まれ変わったの。もう一度、陛下にお会いして愛されるためにね」


マリ姉ちゃんは自信たっぷりに言ってくれた。

けど、本当にそうなんだもの。


「すごい…」

「だから、あんなに仲が良いのよ。セーラ、分かる?」

「うん、分かる…。だから、会ってなくてもお互いを知ってたのね?」

「そうよ、知ってたの。待っていたのよ」


セーラの瞳は輝いていた。

私と同じ紫紺の瞳。

私がエリフィーヌに生まれ変わって、デュークさんに出会った年齢まであと2年なんだ。


そりゃ、恋もするよね。


「お母様、素敵!私の両親は運命の愛に導かれて出会ったんだわ!」


おいおい、そんなに大げさなものでは、ないよ…。

思わずマリ姉ちゃんを見た。

互いに苦笑いだ。


「まぁ、ね。だから、周りが呆れるくらいに仲が良いのよ。分かったかしら?」

「うん、ずっとね不思議だったの。なんであんなに仲が良いんだろうって。お友達の所を見ても、あんなに人前で仲がいいのはお父様とお母様くらいだったから」

「そうよね、周りの事なんかね、目に入ってないのよ、この2人は」

「マリー伯母様も思うでしょ?」

「思うわよ」


ちょっと、本題は何処にいったんだ…。


「もう、この話はこの位にしましょうよ!」


熱い、冷や汗となんか悪い気が流れて気がする。

まさか、こんな話の展開になるなんてね。

思いっ切り引き戻す。


「で、セーラ。マリウス君とは、何処までの関係なの?」

「言わなきゃ駄目?」

「当たり前じゃないの」


ちょっと渋ったセーラだったけど、大分この雰囲気に呑まれたようだ。

キラキラな顔をして、勢い良く喋り出すんだよ。


「あのね、マリウス先輩とね。キスしたの」

「キス!」

「まぁ、」


デュークさんが知ったら、泡吹いて倒れそうだ。


「初恋のキスか…」

「マリ姉ちゃん、カルロス義兄様とのキスがそうだったものね?」

「なに?今度は私を血祭りに上げる気?」

「いや、そうではないんだけど…」


キラキラした瞳が参戦する。


「マリー伯母様は、カルロス伯父様とは初恋だったの?」

「そうよ、セーラ。アンリ兄様の紹介で出会ってね、直ぐに恋に落ちたのよ」

「わぁー!王道だわ!」

「「え?王道?」」


セーラが得意げに言った。


「兄の紹介で兄の友人と付き合って結婚するなんて、恋愛小説の王道ストーリーよ!伯母様も凄い!」


一体、どんな本を読んでいるんだ…。

いかん、こんな話をしてると時間が足りなくなる。


「私の事はいいのよ。それよりも、セーラ。それ以上は駄目よ?」

「そうよ、マリー伯母様の仰る通りよ。まだ、早いわ」

「分かってます」

「なら、いいのよ」

「うん…」


セーラは、ちょっとショボンとしちゃった。

けどね、立場ってものがあるからね。

厳しいかもしれないけど、守って欲しい。


「けどね、セーラ。マリウス君ならお母様も応援してあげられるわ」

「本当?」

「もちろんよ。けど、貴女はルミナスの姫だから相応の恋愛をして欲しいの。そこは譲れないわ。分かってもらえるかしら?」

「うん、大丈夫、だと、思う」


私よりしっかりしてるから、大丈夫だろう。

マリ姉ちゃんも頷いている。


「ゆっくりと進んでいきなさい。セーラの恋愛相談所の所長に就任したお母様が言うんだから、その方がいいのよ?」

「あら、面白そうね。じゃ私は恋愛相談所の顧問に就任するわ」

「もう、お母様もマリー伯母様も。そんなに私の恋愛で遊んで…、楽しいのかしら?」

「楽しいわよ。いい、セーラ。恋バナはね楽しいものって、決まってるの」

「こい、ばな?」

「恋してる事を、人に話してキャッキャすることよ」

「楽しそうでしょ?」

「うん!」


それから、私達はセーラから色々と聞きだした。


マリウス君とはキスまで進んだこと。

真剣に結婚までを考えていること。

周りには内緒にしてること。

週に1度は学院の道を歩いて話をして帰ること。


青春の王道だね。

恋愛相談所の所長と顧問が付いてるからね。

お任せ下さい。




娘が恋したんだ、素敵だな。






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