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176 あなざーさいど34

デュークとポポロの大反省会。

中継はアンリ。








「陛下…」

「ああ、ポポロ。終ったな」

「終りました」


ようやく、落ち着いた頃だ。

陛下とポポロさんは執務室で、互いに安堵していた。


「大変な事件に巻き込まれて…」


今回は同行しなくて、本当に良かった…。

心の底から、そう思う。

その心中を読まれたのか、陛下が仰る。


「アンリ、トリミダへの視察は、今後一切なしだ。いいな?」

「はい、陛下」

「もう、二度と御免です。どれだけ妻に気を使っているか…」

「言うな、ポポロ。こっちも大変なんだ」

「大変といいますと?」

「正直に言わされた挙句に、あ、まったく、だ。相手をしてくれないんだ」


あ、それは。

やりすぎではないか、フィーよ…。

とばっちりはこっちに来るんだぞ。


「妃殿下は隣で、寝てらっしゃるのに、ですか?」

「ああ、後、何日続くんだろうか…」


まぁ、仕方がないか…。

フィーが怒るのも分かる。


「当分は続くでしょうね、あいつはシツコイですから」


陛下とポポロさんは目を見合わせ、ため息を零した。






結局、トリミダの首謀者達は捕らえられ牢にぶち込まれた。


王妃を毒殺しようとしたのだ。

当然だ。






あの女から、ポポロ殿に連絡が来たのは舞踏会の3日前の事。







私は執務室に呼ばれた。


「アンリ、奴等が動く」

「はい、」

「今回は王妃を毒殺する計画を持って陛下にお目に掛かりたいと、手紙を寄越しました」

「毒殺…」

「はい、これです」


私は手紙を読んだ。

舞踏会の人混みに紛れて、王妃の飲み物に毒を入れる。

単純だが、意外に犯人が分かりづらいやり方だ。


「これで、罰せられるか?」

「大丈夫です」

「ええ、重罰に出来ます」

「なら、直ぐに動け」


私はシュウに連絡した。


トリミダから女の父親がやってくる。

舞踏会に参加するために。

王妃を殺す毒を持って。


そいつ等に近づき、父親とそれ以外の人間を引き離すようにと。

とにかく、父親はギリギリまで泳がす。


女はその日の内に誰にも気づかれないように、城の地下へ移された。


そこは牢ではないが、人を隔離したい時に代々使われてきた部屋だ。

王位継承者の争いの際に、敗れた者を密かにここで死ぬまで隔離したり。

側室同士の喧嘩に嫌気のさした王が両方をここに隔離したという話もある。

さぞかし居心地は…、良くないだろうね。


一行が城に到着したのは舞踏会当日。


すぐさま娘に会いたいと言い張る父親を、なんとかポポロさんが説得して、舞踏会へと引きずり出した。

奴の部下が配置についたのを確認して、父親が安堵するの確認した。

その後、部下達を捕らえ城の牢へ入れる。


父親は自分が1人になった事にも気づいていない。


そして、あいつは、王妃に暴言を吐いた。


「いつも同じ菓子ばかりで飽きたと伺いましたが、違う菓子の味は、如何でしたかな?」


その瞬間だ。

王妃は父親の頬を打っていた。


パッシ!


凄い音がした。

エリフィーヌは護衛術を学んでいる。

普通の女性よりは力の出し方を知っているのだ。


打たれた男が、よろめいた。


「気分が悪いの、下がります」

「待て、カナコ」

「離して下さい」

「大丈夫か?」

「失礼します」

「待つんだ!」


陛下の言葉など、聞こえないように去っていく。


場は静まり返った。

その場に、王の声が響く。


「縛り上げろ!」


誰とも言わないのに、隊長がいち早く奴を縛り上げて、引き摺るように、別室に隔離した。

そして、陛下は言葉を続ける。


「皆の者、騒がせてすまなかった。全てはあの男のせいだ。すでに取り押さえたが、これには事情があった。その事情は後日知らせる。私は、もう、この様な愚かな人間が現れない事を願っている」


100名ほどの会だ。

全ての人間に陛下の声が届く。


「だが、このままでは楽しめないな。今宵集まってくれた者には日にちを改めて、私がここに招待しよう。その際には私の娘達も会に参加させる。それで許してくれないだろうか?」


姫様達は、一度も舞踏会には出席したことが無かった。

似たような年齢の男子を持つ家の者は、喜んで出席することだろう。


「異議なし!」

「なし!」


声が飛び、拍手が鳴り止まない。

場は収まった。


「それでは、時間の許す限り飲んで、踊って、食べてくれ、いいな?」


再び拍手がなると、良いタイミングで音楽が始まった。

ざわめきが戻った。


「行くぞ」


陛下に耳打ちされ、私も従って隔離された部屋に向う。


私達がその部屋に入った時には、男の顔は腫れあがっていた。


「中々、吐きません」


ポポロさんが陛下に告げている。


「構わん、吐かないなら、吐かせればいいだけだ。やり方が手緩い」

「は、では」


合図された隊長は部下に指示する。


「拷問道具をこの部屋へ!」

「いやだー!それは、やめてくれ!」

「じゃ、吐け。視察を願った時から計画していたんだな?」

「それ、は…」


陛下は冷淡な目で隊長に告げた。


「早く持ってこさせろ!」

「は!」

「いう、言うから、やめてくれ!」


隊長は陛下の指示を待っているんだ。


「如何に?」

「そうだな、腹に一発入れろ」


表情も変えずに、隊長が男の腹に拳を入れて…。


グゥワッ!


凄い音と声がした。


「誰が考えたんだ?俺を嵌めたのは、誰の考えだ?」

「…、スムージィ伯爵です。あの方の奥様が私の親戚の娘でして…。これが上手くいけば、側近に取り立てられて、富も栄誉も思いのままだと、…、そう、言われて…」


ああ、スムージィ伯爵か、奴ならやりかねない。

あんな評判の良くない奴も珍しい。


「アンリ、直ぐに向え」

「は!」


私は直ぐにシュウ達と軍と共に、スムージィ伯爵の屋敷へ向いました。

闇夜ですが、シュウ達には関係ないです。


あっという間に、伯爵を捕らえ、家族には謹慎を言い渡し、城へ戻りました。

関係者も全員捕らえ牢に入れました。



ようやく事件が解決し、終りました。






そして、今日に戻ります。


「とにかく、あいつ等への処分は重いものにしろ。議会にも文句は言わせん」

「分かっております。これを契機に陛下の視察についても検討いたします」

「そうしてくれ。視察に行く度に、こんな事件が起こるようじゃ体がもたん」

「はい」


陛下のお怒りは続いております。


「ポポロ、お前もカナコに謝っておけよ?」

「もちろんです。ですが、その…」

「そうだな、会ってやるようにカナコを説得するよ」


妹は怒りを拗らせて、ポポロさんに会うのを拒んでいるんだ。

ポポロさんの奥さんには会ったってのに。


「アンリは、この件を上手く広めるんだ。いいな?」

「はい、このような仕事は得意ですので」


上手くやろう。

でないと、フィーは機嫌を損ねたままになってしまう。

そうなると、困るのは私達だ。


「しかし、あの男、あんな言葉をカナコに吐くなんて…、そのお陰で、俺は、…」


陛下のお怒りが再発した。

やっと収まったのに、思い出して怒っておいでる。


「俺のカナコを、侮辱した罪はかなり重いぞ…」


俺の…、って、ここで、兄の私の前で言うんだ…。

なるほどな…、仲が良い事で…。


「あの男と伯爵は、当然、処刑にいたしましょう。あいつらの詰まらない企みのお陰で、私はどんなに苦労したことか…」

「それでいい、いや、そうしろ!」

「畏まりました!」


被害者2人は声を大きくして語っていた。





しかし、フィーよ。

陛下も反省してるんだから、許してやってくれよ?

とばっちりは、私たちにくるんだからな…。









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