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で、今でございます。





私は寝込んでおります。

安静を言い渡されて、ベットに寝ております。



アハハ…。



話は1週間前に戻るんだ。


最後の舞踏会が終った夜。

私は部屋へ行く廊下の途中で、痛みからしゃがみ込んで動けなくなった。


「カナコ?どうした?カナコ?大丈夫か?おい?」


もう、デュークさんの慌てっぷりが、半端ありませんでした。


「あ、大丈夫、ちょっと、疲れが…ちょっと、痛くて…」


そのままデュークさんに担ぎ上げられて、部屋のベットに寝かされた。

痛みが和らぐように、魔法を掛けてくれる。


「どうだ?楽になったか?」

「うん、ありがとう」


当然、ジョゼが直ぐに医師を呼んだんだ。


部屋は重い空気が流れていく。

そりゃそうだ、私もデュークさんも、思いだしちゃったんだもの。

あの時、私は、ジョゼの目の前で、気を失って、そのまま…。

一応、あと14年は生きられる予定だけれども、ね。

神もどきの仕事なんて、なんか信用出来ないんだよね。


どうなっちゃうんだろうか…。

また、だったら、嫌だな…。


医師が、診察を終えて、私の顔を見て、ニヤっと笑うの。


「陛下、これは私の手におえません」

「な、なんだと!」


デュークさんの大きな声が部屋中に響いた。

私は握っていたデュークさんの手を、強く握り直した。


「どういうことだ!」


けれども、彼は落ち着いてる。

落ち着いているどころか、笑っているよ?


「陛下、急ぎ別の医師を呼びましょう。妃殿下の出産は私よりも専門の医師の方が宜しいですぞ?」


私達は顔を見合わせた…。


「今、なんて、言った?」

「どうやら、妃殿下はご懐妊なさっております」

「え?ほんと?」

「はい、」


と言ったガブリエル先生が、控えてる人に別の医師を呼ぶように言った。

言われた人は慌てて部屋から出て行った。


「ガブリエル、本当か?カナコに子供が出来たのか?」

「カナコ様、どうですか?心当たりは?」

「え?…、そう言われれば、あ、」


私はもの凄く生理不順なんだ。

毎月必ずやってくるって事がなかったし。

それはジョゼを悩ませる問題でもあったけど、気にも留めてなかった。

それでも、いつもに比べて長いなぁ、程度だったけど、今、そうだと思った。

婚礼の忙しさに紛れて、深く考えてなかった。


「ございましょう?」

「…、はい」

「カナコ、知ってたのか?」

「違うの、そうじゃなくて、今、言われて気づいたの…」


そんな騒動の中、別の医師が入ってきた。


「ガブリエル先生、お呼びでしょうか?」

「ハイディ先生、来てくれ」

「はい」


その女性の医師は、ガブリエル先生の横に来た。


「陛下、彼女は出産に掛けてはルミナスで一番の医師です。カナコ様のご出産は彼女に任せれば大丈夫です」

「わかった、とにかく、カナコを見てくれ?」

「畏まりました。では、別室へご移動下さい」

「何故だ?」

「陛下、ご心配なさらずに、宜しいですね?」


デュークさんも逆らえない強さをもった女性だった。


「ああ、わかった。頼んだぞ?」

「お任せ下さい」


そして、この部屋は女性だけになる。


あ、そうなんだ。

こんな診察なんだ。

そりゃ、いない方が、ありがたい。


診察を終えて、身支度を整えると、先生がニッコリと笑ってくれた。


「カナコ様、おめでとうございます。間違いなくご懐妊されております」

「本当なのね?」

「はい」


嬉しかった。

と、同時に、不安も込み上げてくる。


「ハイディ先生。私、婚礼で忙しくて、ダンス踊ったり、歩き回ったり、色々しちゃった。これって、大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。しかしながら、少しお疲れが出ております。しばらくは安静になさった方が宜しいですね。城の病院に移られて安静になさって下さい」

「そんなに悪いの?」

「いいえ、違いますよ」


ハイディ先生はニッコリと笑った。


「入院なさった方が、ゆっくり体を休めることが出来ると、思いまして」

「あ、そう、そうだね」

「では、陛下をお呼び致しましょう」


しばらくして、デュークさんが入って来た。

ジョゼとポポロが一緒だ。


「ハイディ先生、カナコ様がご懐妊とは、真でございましょうか?」

「はい、間違いありません。陛下、おめでとうございます」


私達は、互いを見ていた。


「俺が、父になるのか?」

「さようです」

「カナコ?」

「なあに?」

「俺達に子供が出来るんだな?」

「うん、そうだって」


みんながいるのに、キスしてくれた。


「良かった、」

「カナコ様、おめでとうございます」

「ジョゼ、ありがとう。また、お世話かけるわ?」

「お任せ下さい。このジョゼが万事やりますので」

「ジョゼ、任せたぞ?」

「はい、陛下」


ハイディ先生がデュークさんに釘を刺した。


「陛下、婚礼の慌しさで妃殿下は大変お疲れになっております。本日から、城の病院に移っていただいて2週間ほど入院していただきます」

「え?それは、どういうことだ?」


そういうことだよ。

まったく諦めが悪い。


「陛下、しばらくは別々で。宜しいですね?」


デュークさん、なんて、苦い顔をしているんだ。


「あ、ハイディ、それは仕方ないのか?」

「ええ、仕方ありません」


呆れ顔のみんなが、苦笑いになった。


「わかった」


しかし、諦めの悪さには定評がある王様は、しぶとかった。


「だが、病室はこの屋敷内に作れ。ハイディがここに泊り込め。いいな?」


ああ、王様だよ。

まったく、王様だ。

けど、環境が変わらないのは、ありがたい。

そこで、私達の新しい屋敷の中の1室に私は入院することになって、今の寝込んでいる状態になるんです。






少々退屈しております。




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